【1】10年後の野球界、100年後の野球界で起きていること 「革命は日本球界の外からやってくるだろう」ということ

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革命は日本球界の外からやってくる

10年後、100年後に実現されているであろう野球指導技術の予想

その①:全世界的な「野球プレーヤーのためのネットワーク」が構築され、全世界の野球選手が一元的に把握されるようになる

 2018年現在、以下の野球組織相互の流動性は非常に低い状態である。

  • NPB(日本プロ野球)
  • 独立リーグ
  • 社会人野球
  • 大学野球
  • 高校野球
  • 中学野球
  • 学童野球
  • MLB(メジャーリーグ)
  • マイナーリーグ
  • 韓国や中国、ヨーロッパ諸国、南米など

 たとえば、独立リーグのトライアウトや大学のセレクションを受けたことがある人の話を聞いてみると、実はああいった「テスト入団」はたいてい、テストをする前から誰が合格するかはほぼ内々に決まっている、と。

 それらの選手は「いちおうテストは受けに来る」というだけ。もしもテスト当日になって「お、こいつはリストにないけど面白いな」と思う選手がいれば追加で獲るのだ…という話を、何度か聞いた。そうでない場所もあるかもしれないが、たいていの場所ではそうなっているはずだと思う。

 なぜなら、誰だって「(コネのあるところから)確実に良いとわかっている選手を獲りたい」からだ。それはある意味当たり前で、もしも自分がセレクションを行う側だったら、「はずれくじ」は引く前からできるだけ除外しておきたいだろう。「あたりくじ」はできるだけ増やしておきたいだろう。

 しかし、このような「野球界の中での行き来が不自由である現状」は、根本的には「野球選手の実力を確実に把握できるシステムが構築されていないこと」が原因となっていると私は考えている。選手の実力――たとえば、練習試合通算での打率や本塁打数やOPSその他の打撃指標、プレーの映像、ベンチでのふるまい、守備走塁の映像、バッティングフォーム、周囲からの評価――といった各種の客観的情報を、その選手に一元的にタグ付けできるシステムが現時点で存在していないことが根本的な原因だろう。

 さて、ここで少し考えてみよう。もしも「全世界にいる野球選手の情報を一元的に管理できるシステム」があったら、どれだけの人にメリットがあるだろうか?

  • セレクションやテストを行う側(球団側・指導者側)にとってのメリット…確実に良い選手を獲れる。スカウティングが楽になる、選手の管理が楽になる、埋もれていた人材を発掘できる
  • 選手側にとってのメリット…実力が正当に評価される、埋もれたまま野球を終えることがなくなる、リクルートが楽になる、日々の練習のモチベーションになる
  • 球団のファン、あるいは選手のファンにとってのメリット…ドラフトの楽しみ方がもっと多様になる、自分が応援している選手の情報が逐次手に入る、選手の映像などを提供する役に立てる

 こう考えてみると、ニーズはありそう。まだ顕在化していない潜在的なニーズではあるが、確実に需要はありそうだ。「あったら便利だなというもの」はいずれ誰かが実用化する定めにある(人類の発明はたいてい「あったらいいな」がスタートラインである)ので、多少ハードルが高くても実現はするだろう。技術的にはすでに手の届くところにある。

 ここで、逆に「デメリット(?)」もペアで考えてみよう。思いつくものを挙げてみようと思ったが、一つしか思いつかなかった。

  • 選手にとってのデメリット…素行が悪かったり、手を抜いたりする傾向が顕著な選手はかなりの低評価を受けることになる

 総じていえば、<全世界的な「野球プレーヤーのためのネットワーク」が構築され、全世界の野球選手が一元的に把握されるようになる>ということだ。現在でも「球歴.com」や「ドラフト候補をまとめたサイト」などが存在するが、それの進化版だと思ってもらえると良い。

 日本の場合なら、学童野球・中学野球・高校野球・大学野球・社会人野球・独立リーグ・プロ野球まで、全世代の全選手についての客観的情報のデータベースが整備される。例えば、「山田太郎」で検索をかけると、その選手の打撃映像や打撃指標・守備走塁のプレー動画・関連する写真などが自動的にまとめられて出てくる。そのうち、SNSのような機能も持つようになるだろう。

 すべての情報を一元的に管理できたほうが明らかに便利なのだから、そうなるだろう。そしてひとりひとりの選手にスポットライトが当たるようになる。よく「これからは個人の時代だ」と言われるが、野球界でも同じことが起きる。

 もちろん、これの実現のためには「データを手際良く集める方法」や「データを手際良くわかりやすくまとめる方法」といった技術的な問題も乗り越える必要がある。

 しかし、前者はおそらく個人持ちのスマホ(打ち込み機能もカメラ性能も回線性能も10年後には比較にならないほど進歩しているだろう)から気軽にアップロードできるようになるだろうし、各チームのスコアラー係が紙ではなくデジタルでスコアを付ければあとはそれをデータ処理する(各種指標などを自動で算出する)ことで解決するだろう。後者はGoogleのページランクアルゴリズム(=例えば、あるサイトがどれだけ被リンクされているか、特定のキーワードを含んでいるかといった数値処理・自然言語処理によってそのページを評価する手法)のような手法を用いれば解決するのではないか。たとえば、重要度が高い情報をウィジェット+無限スクロールで延々と羅列できるようにしたり、といった具合に。

その①の簡単なまとめ

今から10年後、2028年頃にはこうなっているはずだ。

  1. 全世界的な「野球プレーヤーのためのネットワーク」が構築され、全世界の野球選手が一元的に把握されるようになる
  2. 日本の場合なら、学童野球・中学野球・高校野球・大学野球・社会人野球・独立リーグ・プロ野球まで、全世代の全選手についての客観的情報のデータベースが整備される。たとえば「○○選手」と打ったら、その選手の能力に関する客観的な情報その他がわかりやすくまとめられた形で出てくる
  3. 素行が悪い選手、人間的に問題があるとみなされる選手はかなり不利になる
  4. 残念ながら現状のままだと日本球界からはこのような改革は起こらないだろう。単純にシステム構築ができるだけの能力を持った人材(数理科学・プログラミング・データ処理などをこなせる人材)が少なすぎるし、先鋭的なものに対する先入観や拒絶反応・制度上の禁圧が強すぎる。人材が少ないのは、野球界に「野球だけやっていて頭脳労働はからっきしな人を育てる・容認する風土」があるから

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