【その1】身体の回転を「バットのヘッドスピード」へと変換する3つのギア

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【その1】身体の回転を「バットのヘッドスピード」へと変換する3つのギア

スイングが実現されるために必要なのは、「身体の回転を起こすこと」と「その身体の回転を、バットのヘッドスピードへと変換すること」

前回までの記事では「身体の回転の起こしかた」を説明してきた

前回までの記事の復習です。

・身体の回転が起きるのは、「竹とんぼの原理」である。互い違いにすれ違う2つの力によって、身体の回転が起きる。

・互い違いにすれ違う2つの力とは、「前足の力」と「後ろ足の力」である

・「前足の力」とは、「前足で地面を押したときに、地面から返ってくる力のこと」である

・「後ろ足の力の出し方」には2つの方向性がある。仮に名付けるなら「イチロー型」と「メジャー型」である

・「イチロー型」…後ろ足を使って身体を運んでいくように助走を付けて、そのまま後ろ足を地面から離陸させる。後ろ足が地面に加える力は少ない。「助走を付ける」という意味合いが大きい。助走を付けることによって、身体の回転をアシストする

・「メジャー型」…「軸足で地面を押したときに地面から返ってくる反作用の力」で骨盤を回転させる。後ろ足が地面に加える力は比較的大きい。なお、このように後ろ足を使うのであれば、必然的に助走の距離は少なくなる

 

 

「さあ、身体の回転が起きました。では一体、その身体の回転はどのようにバットのヘッドスピードへと変換されていくのでしょう?」

さあ、前回までの記事で書いてきた通りのやり方を素直に実行すると、めでたく「身体の回転」を起こすことができました。

 

しかし、「身体の回転」はどこまでいっても「身体の回転」であって、「バットのヘッドスピード」ではありませんよね。

 

そう、「スイング」の仕組みをきちんと説明するためには

「身体の回転を、バットのヘッドスピードへと変換する仕組み」

を説明する必要があったのです。

 

そこで、今回からは

「人間という生物は、自分の身体をどのように使って、バットのヘッドスピードを獲得するのか?」

を解説していきます。

 

説明は、大きく分けて次の4つのステップからなります。

1.ファーストギア…「骨盤の回転」

2.セカンドギア…「<肩と腰の捻転差>形成時に、【骨盤・体幹部】と【肩甲骨・上腕骨】を接続する大筋群の作動」

3.サードギア・ボトムハンド…引き手(ボトムハンド)の肩甲骨~手首までの運動連鎖

4.サードギア・トップハンド…押し手(トップハンド)の肩甲骨~手首までの運動連鎖

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なぜ「三段階のギア」に分けたのか?

なぜこのような「三つのギア」に分けたのかというと、以下のような理由からです。

・ファーストギアはセカンドギアを作動させ、セカンドギアはサードギアを作動させるという関係性がある(順序の法則)

・ファーストギア~サードギアは、インパクト前後にバットが最大加速を迎えるように

・ファーストギアよりもセカンドギアが、セカンドギアよりもサードギアのほうが大きな速度で運動する(運動連鎖、末端加速)

・「そのギアを回すためにどれくらい大きな筋出力が求められるか?」という点で考えると、「大きな力が必要=ファーストギア、中くらいの力が必要=セカンドギア、さほど力はいらない=サードギア」という区分ができるから

・(少し難しい表現ですが)バッティングを、「両股関節による運動エネルギーの生成→<人体~バット>という1つのシステム内での伝達→<人体+バット⇔ボール>という異なるシステム間での運動エネルギーの伝達」と考えることができると仮定する。このとき、よく知られた運動エネルギーの公式から「運動エネルギー=1/2×質量×(速度)^2」と表される。

→運動エネルギーの生成を担うファーストギアは質量が大きく速度小さめ、運動エネルギーの伝達を担うセカンドギア・サードギアは質量小さめで速度が大きいので、運動エネルギーの保存という観点からしてもこの3つのギアで考えるのが都合が良い

 

このあたりの理由からです。

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ギアの回し方…まずはしっかりとローギアを回すことから

難しく考えずに、「ギア」という名前通り、

「自転車のギアと原理は一緒」

だと考えてもらうと良いと思います。

 

自転車のギアというのは、基本的に

・ローギア…漕ぐのに大きな力が必要、低スピード

・ハイギア…漕ぐのは小さな力で足りる、高スピード

であり、

・いきなりハイギアに入れて漕ぎ出すと、ローギアから順々にギアを上げていく場合よりも大きな力が必要になってしまう

・いきなりハイギアに入れて漕ぎ出しても、加速が鈍い。トップスピードに乗るまでの時間が長くなる

わけです。

 

バッティングの場合もそれと一緒で、

・ローギア…回すのに大きな力が必要、低スピード

・ハイギア…回すのに小さな力で足りる、高スピード

・いきなりハイギアに入れても加速がスムーズにいかない。「ローギアをしっかりと回したところでハイギアを作動させる」ようにしないとトップスピードは出せない

という点において共通しています。

 

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バッティングの改善にも役立ちますよ

この「ファーストギア~サードギア」という概念を用いると、

・「ギアの動きがおかしいのか? ファーストギア~サードギアのうち、どこに原因があるんだろう?」

・「この選手は、セカンドギアからサードギアへのつなぎに改善の余地ありだな」

といった改善点がわかりやすくなります。

 

将来的には以下のようなシステムも作れるでしょう。

 

・フォームをスマホなどを使って映像で撮影する

→1スイングを等時間で分割して撮影(100コマ程度か)し、人工知能による姿勢解析技術を用いて、身体の特徴点18個の三次元座標を算出する(※現行の技術では二次元座標までとのことだが、すぐに三次元に対応するようになるでしょう。カーネギーメロンの論文など参考になります)

→18点×3次元×100コマなので、1スイングあたりの総変数は5400となる。

→これらの変数に統計学的な処理を加え、「<優れた打者のフォームを解析して得られた効率の良いスイング動作>を集めたデータベース」と照合する

→その打者のスイング効率を得点やグラフなどで評価する

→さらに、あらかじめ蓄積しておいた「こういう特徴がある選手に効果が高いのは、こういうドリルやトレーニングだよ…というパターン集」とも照らし合わせて、「こういう傾向がある打者にはこういうトレーニングが必要だろう」といったアドバイスまでできるようにする

 

すると、バッティングのコーチという存在に現在求められている「技術指導をする人」という役割は薄れてくるでしょうね。

どちらかというと、その選手の可能性を信じて、選手の目標を達成できるように背中を押してあげるという役割のほうが強くなりそうです。

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次回に続く…

前回までは「前足と後ろ足で身体を回転させるんだよ」という話でした。

そして今回は「身体の回転が、どのようにバットの加速につながるか」という話でした。

 

いよいよ次回以降は、ファーストギア~サードギアの解説にまで踏み込んでいきます。

次回もお楽しみに。

 

では、またこんど!

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