「やらされ」は「やりたい」に勝てない。「wantto」の威力と、「haveto」の恐ろしさ

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「やらなければいけないからやる」は「やりたいからやる」に勝てない。「wantto」の威力と、「haveto」の恐ろしさ

「ホームラン量産マニュアル あとがき」より抜粋

「やりたい=wantto」と「やらなければいけない=haveto」

「want to」と「have to」という表現がある。

この機会にぜひ知っておいてもらいたい。

 

want toというのは「○○したい」という意味であり、

have toは「○○ねばならない」という意味である。

 

そして、人間は、「want to」のことをやっているときにはハイパフォーマンスを発揮できるが、「have to」のことをやっているときにはあらゆる手を使ってサボりたがる生き物である。

具体的に考えてみよう。

たとえば、多くの日本の子どもにとって「ゲーム=wantto、勉強=haveto」である。

 

いくら親が「勉強しなさい!」と言っても、havetoである勉強は何かと理由をつけて一向にやろうとしないのに、

wanttoのゲームだったら自発的に、それも夜が明けるまで夢中でやり続けるだろう。

 

これを野球の練習やトレーニングに当てはめると、こうなる。

「野球の練習やトレーニング=have toになっている状態」

…なにかと理由をつけてサボりたがる。サボったり楽をする方向へ行くために脳みそをフル回転させる。
走り込みの本数をごまかす、監督やコーチの目を盗んで力を抜くなど。

 

「野球の練習やトレーニング=want toになっている状態」

…自発的にやる。しかも、夢中でやり続ける。
夜中になってもまだバッティング練習をし続ける、周囲から「何を目指してんの?」と言われるくらいトレーニングする、など。

 

両者の間にはかなりの差があることがわかるだろう。

これが積もり積もると、とんでもない差になる。

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精神論は基本的にぜんぶhaveto

……さて実は、日本の野球指導はというと、昔から現在に至るまで、ほぼhavetoしかやっていない。

 

つまり、日本では「野球の練習やトレーニング=have to」なのである。

 

これは、日本の野球部員が置かれている典型的な状況を考えてみるとわかりやすいだろう。

肉体的精神的に苦しい練習の強制、上下関係の強要、素行に対する厳しい指導、

練習で手を抜く(手を抜いているように見える)ことに対する厳しい干渉、コーチや監督や上級生からの厳しい叱責、

指示に従わなければ罰を与えられる、同級生との競争、髪形や服装の厳しい制限など…

そろいもそろってhave to的な要素があふれているのである。

 

体育会系はよく「理不尽に耐える能力が高い」と言われるが、

要するに「havetoに慣れている」ということだ。

 

しかし、have toを我慢しながらやるよりも、want toを思いっきりやったほうがどう考えてもはるかに上達は早い。

 

まず、「野球の練習やトレーニング=wanttoである状態」にできれば、

ゲームに夢中になっている子どもと同じで、

「自発的に、夢中で努力し続ける状態(※本人は努力と思っていない)」

を作ることができる。

 

ゲームをやっている子どもが夜通しゲームをやり続けるのは「努力」ではない。

少なくとも、本人はそう思わないだろう。

そしてこの状態になっている子どもは、ものすごい勢いで上達する。

 

これと同じことが野球にも言える。野球の練習やトレーニング=want toになっていれば、

誰に言われなくてもひたすら夢中で練習・トレーニングをし続ける。

そして、その状態のときにはものすごい勢いで進歩できるのである。

 

何かにハマった経験のある人ならわかるはずだが、

「何かに対してめちゃくちゃ夢中になっている=wanttoのことをやっている状態」というのはものすごく「強い」のである。

朝から晩までそのことしか考えないし、朝から晩までとことんはまり込むし、食事や睡眠時間を削ってまで打ち込む。

 

これに対して、「やらされている状態=havetoのことをやっている状態」というのは、本当に「弱い」のである。

集中力は続かないし、やるためには強靭な意思が必要だし、脳みそははたらかないし、すぐに疲れてしまう。

 

ちなみに、よく「人間の集中力は○○分しか続かない」と言うが、あれは正確ではない。

例えば、学校の授業のような「あまりおもしろくないことが多いもの」だと、十数分~よくて数十分しか集中が続かないだろう。

しかし、ゲームをぶっ続けで3時間、4時間やるような人もいるのだ。

集中力でさえ、集中する対象がwant toである場合と、havetoである場合とで、かなり異なってくるのである。

 

野球でも同様である。

素振りが嫌いだが置きティーは好きだという人の場合、

素振りだと十分くらいで音を上げるのに、置きティーなら体力の限界が来るまで一時間、二時間と打ち続けることができるだろう。

 

wanttoをやっているとき→「周囲からは努力していると思われているが、本人は努力とは思っていない」

野球が上手くなりたいなら、この「want toとhave toの区別」を覚えておいたほうがいい。

そうしないと、「努力ができない自分」に苦しむことになるからだ。

have toのものばかりやるからいけない、つまり努力が苦しくなってモチベーションが上がらないのであって、

wanttoのことで努力をすればいい(本人はそれを努力と感じないけれども)。

 

……そういえば、以前何かのインタビューで「努力は報われますか?」と訊かれたイチロー選手が

「報われるとは限らない。もっと言うと、努力と感じている状態はまずい。

人からすると努力に見える、でも本人にとってはそうではないという状態が作れると、勝手に報われることがある」

…という意味のことを述べられていたことがあるが、

まさにこの「want toで夢中になっている状態」を指している。

 

野球における普遍的なwanttoの一つは「ホームランを打つこと」

さて、「ホームランを打つ、良い当たりを連発する」というのは、野球選手であれば誰もが「want to」であるはずだ。

 

「ホームランなんて打ちたくない」と思う野球選手は果たして存在するだろうか。

走り込みや千本ノックが本当に嫌いな野球選手はそこらへんにたくさんいるが、

「ホームランを打つ練習・ホームランを打つ経験」が嫌いな野球選手なんて存在するのだろうか。

少なくとも私の見聞きしている限りでは、一人もいない。

「ホームランが打てないからバッティングは嫌いだ」

という人はいるかもしれないが、そういう人であっても、打球が遠くに飛ぶようになりさえすればバッティングが楽しくなるはずである。

 

そう考えてみると、日本のバッティング練習・バッティング指導というのは

havetoだらけではないだろうか。

これは実にもったいないことをしていると思う。

「素振り・振り込み・走り込み・ゴロ打ち・コンパクト・右打ち・チームバッティング」

といった肉体的・精神的苦痛を伴うものばかりやらされて、

ホームランなんて狙おうものなら「大振りするな!コンパクトに低く強い打球を打て!」という叱責を受けるのである。

 

例えば、甲子園でよく見る「豪打のチーム」であってもそういう指導がされているケースがある。

要するに、選手のフィジカルの強さと、身体の反応の良さと、金属バットの性能頼みで打っているのである。

メジャーリーグで活躍している日本人野手がごく少数なのは、これも理由の一つだと私は考えている。

 

現在のアメリカ・中南米の野球スクールや野球チームなどでは

「ホームランを打てるスイングが良いスイングだ」

とか

「お前くらい身体が小さくてもホームランは打てるんだぞ」

と教えるそうである。

 

実際にそういった指導風景・ドリルをこなす姿などを見ていても、きちんと「ホームランが打てるスイング」を教えているのがわかる。

ホームランを量産するための練習というのは基本的にwant toである。

打っていて気持ちいいし、良い当たりが出た時の快感は何とも言えない妙味である。

楽しいし、やっていて夢中になれるのである。

 

私がよく

「まずはホームランを打つ練習から始めなさい」

と言ったり書いたりするのは、それが大きな理由である。

 

つまり、日本の打撃指導は未だに「根性、根性」のhaveto方式でやっているが、

アメリカはもうすでにwantto方式に切り替えている。

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原理的に、havetoはwanttoに勝てない

それを裏付けるように、日米の打者のレベルの差は近年著しくなっている。

少し前まではイチロー選手・松井選手・城島選手・松井稼頭央選手・青木選手など多くの野手がメジャーで活躍していたが、
2018年6月現在ではイチロー選手も実質引退し、残るは二刀流の大谷選手だけだ。

大谷選手が投手に専念…なんてことになったら、日本人打者がメジャーから「絶滅」することになる。

本当に日本の打者育成方針が優れているのであれば、メジャーリーグの日本人野手数は少なくとも「減ってはならない」はずだろう。

私の個人的な信条だが、wanttoの練習をやり続けることが、バッティング上達の最短ルートだと思う。

逆にhavetoが入ってくると、とたんに上達速度が落ちてしまうとも考えている。

 

その理由は上で述べた通りである。

長い目で見たとき、嫌々やらされているヤツは、夢中でやっているヤツには決して勝てないのである。

 

日本の野球チームの多くは、その「want toの打撃練習=ホームランを量産するための打撃練習」を軽視しすぎだと思う。

もっともっと日本の野球チームが

「ホームランを量産するための打撃練習」

をたくさんやるようになれば、

メジャーリーグで活躍できる日本人野手も増えてくるのではないか。

野球を純粋に楽しめる選手も増えるのではないか。

 

 

最近はさすがに方針を変更するチームも増えてきたようだが、

まだまだ野球界全体の趨勢からすると少数派であることには間違いがない。

 

 

wanttoというのは「逃げ」ではない。

wanttoに徹するというのは「合理的で、結果が出る方法」なのだ。

 

そろそろ日本球界全体が、havetoという「非合理的で、結果が出ない方法」からは脱却すべき頃合いだ。

 

 

指導者の腕の見せ所は、いかに選手を「wantto」の状態に持って行けるか。

wanttoの状態にさえしておけば、手がかからず、勝手に上達してくれる。

わからないところだけ、指導者がヒントを与える、あるいは選手と一緒に答えを探せばいい。

 

選手がやるべきことは、いかに野球を「wantto」にするか。

havetoが少しでも混ざれば大幅な能率ダウンになるから、とにかくあらゆる手段を使って野球を「wantto」にすべきだ。

 

 

世界一のホームランバッターになる、メジャーリーグナンバーワンのスラッガーになる、

世界一の好打者になる、、野球という競技を極める、バッティングという技術を極める…

野球をwanttoにするには、こういった「高い高いゴール設定」が役に立つはずである。

 

今回の記事が、人類の野球競技能力向上に繋がれば幸いだ。

では、またこんど!

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