タグ付けされる若者たち―リア充、勝ち組負け組、ぼっち、コミュ障―

      2016/08/31

タグ付けされる若者たち

『ぼっち、リア充、勝ち組、負け組、コミュ障、…』

朝井リョウの『桐島、部活やめるってよ』のp.89-90にはこんな一節があります。

上か下か。

目立つ人は目立つ人と仲良くなり、目立たない人は目立たない人と仲良くなる。目立つ人は同じ制服でもかっこよく着られるし、髪の毛だって凝っていいし、染めていいし、大きな声で話していいし行事でも騒いでいい。目立たない人は、全部だめだ。

「上」とは、要するに「リア充」、つまり、イケメンだとかスポーツが得意だとかいうステータスを持っていて、いつも目立ち、リアルの生活が充実している人のこと。

逆に、

「下」とは、リア充でない「非リア」や、「ぼっち」、「コミュ障」などの、いわば月見草軍団、目立たない日陰者のことを指します。

ここでは、「タグ付け」がなされていることがわかります。

「あいつはリア充だ」と他人のことを評するとき、その評された側の人物には「リア充」というタグが付けられることになります。

また、自分で自分にタグ付けをする場合もあり、

「今日たまたまグループワークがあったけど、みんなの輪に入れなくて、ずっとうつむいたままだった。コミュ障すぎる」といった悲観をするとき、自分で自分に「コミュ障」というタグを付けていることになります。

そしてこの「タグ付け」行為は、他人の手でされる場合でも自分の手でされる場合のいずれにおいても、その人の人格形成や、ふるまい方、行動選択などに絶大な影響を及ぼします。

ピグマリオン効果、プラシーボ効果、引き寄せの法則、自己暗示など・・・「思い込みによって、現実が変わる」という法則を表したものはたくさんありますが、タグ付けがなされることによって、確実にその人は影響を受けます。

さらに言えば、これに「正のスパイラル・負のスパイラル」も加わることになります。

どういうことか。

極端な話になりますが、ひとつわかりやすい例を挙げましょう。

小さいころから「イケメンだね」と言われながら育ってきた子どもは、「ぼくはイケメンなんだ」というタグが付くことになります。この「イケメン」というタグが、その子の恋愛経験にどう影響していくか?

72caec87891b6c6603b0d0871ba00e21c0a133f8(想像図)

まず、「イケメン」というのは間違いなく「プラスの評価」です。自分自身にプラスの評価が与えられることになりますから、当然、「ブサイク」というマイナス評価のタグが付いた子どもに比べると、自分自身に対する確固たる自信・確信が築きやすくなります。

自分に対する自信があると、その子の行動には思いきりのよさがともなうでしょう。また、「自分はどうせブサイクですよ、イケメンに生まれたかったなあ」などといった負の感情に煩わされることも少ないと予想できます。つまり、容姿に劣等感がないので、素直な性格になりやすい。

 

さらに、イケメンの子の周りには女の子が必然的に集まってきます。

すると女の子に対する対処の仕方・会話の仕方が自然に養われますから、ここでもブサイクな子どもとの間に差が付いてしまうわけです。ブサイクな子のまわりに女の子はなかなか寄り付きません。

このとき、イケメンな子には「正のスパイラル」が、ブサイクな子には「負のスパイラル」が働いています。

イケメンな子は恋愛に関してもともとリードしていますから、恋が成就しやすく、経験値がたまっていく。

ブサイクな子は、それに比べると相当のハンディがあります。恋は実りにくく、経験値が低いまま。

こうして二者の差はどんどんどんどん開いていきます。

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書いてて悲しくなってきましたので、今回はここまでにしましょう。

「タグ付けされる若者たち」と銘打ったこのシリーズは、不定期にはなりますが続けていきます。

 

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