『思考停止という病』(苫米地英人)のあらすじと感想

   

こんにちは、栗栖鳥太郎です。

今回は、このブログでたびたび登場している苫米地英人氏の著作の書評。

苫米地氏については、なぜか胡散臭い胡散臭いって言う人が多いので、この人の本が実際にはかなりきっちりしたものであるということを示しておこうと思います。

今回書評を書くのは「思考停止という病」。

現代日本にはびこる思考停止現象について鋭く考察した本です。

目次と、ざっくりとした中身の紹介

「思考停止という病」目次

Amazonの「思考停止という病」紹介ページから引用。

第1章 思考停止する社会
ビジネスの世界でも思考停止は平然と行われている/なぜ優秀な学生であっても、3年働くとダメになるのか? /「自分の頭で考える力」が身につくと、何が得られるのか?/思考を停める人は、進化を止めた人 ほか

第2章 なぜ日本人の思考は停止するのか?
なぜ、自分の頭で考えられないのか?/学校の暗記教育の弊害/思考をしていない人=ゴールがない人/親が自分で考える力を奪う/頭のいい権力者ほど、思考停止を望む ほか

第3章 自分の頭で考える技術
疑うことこそが、考える第一歩/「自他ともに認める「ノットノーマル」になれ!/思考停止させないためのゴールのつくり方/他人のゴールでは意味がない/簡単すぎるゴールはゴールではない/圧倒的な知識を習得する方法 ほか

第4章 思考停止しないための論理力
バカの壁を突破しなさい/1日1分の瞑想で情動を切り離す/言語運用能力を高める/なぜ日本人はロジックがないのか?/情報は発信すると集まる/迷うくらいなら、ランダムで決めたほうがいい ほか

5章 ヒルクライミングする「考え続ける脳」
ヒルクライムする脳のつくり方/脳は並列思考が当たり前/仕事の知識は一気に、すぐに手に入れろ/全体を把握するだけで、知識量が変わる/並列思考の鍛え方/脳をいつも100%の状態にしておこう/最高の睡眠が、最高の脳をつくる ほか

6章 最高の人生を手に入れる考える力
生き方・働き方で悩むのは、ビジネスに自己実現を求めるから/大金持ちは本当に金持ちか?/ゴールは8つ持ちなさい/自分の人生の価値は、あなたが決めなさい ほか

以上の通り、この本で主眼とされているのは、

・「思考停止とは何か」

・「思考停止するのはなぜか」

・「思考停止するとどうなるか」

・「思考停止しないためにはどうするか」

など。

思考停止について書かれている他の著者の本で有名なのは、「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる 」や、「“思考停止人生”から卒業するための個人授業」、「思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本」(これはちょっと堅いかも)あたりですね。

 

思考停止している人が厄介なのは、当人がそれを自覚してないため、自分では正論を言っているつもりになっていることです。

もちろん「こんなの社会の常識だろ!!」と怒鳴るのは個人の勝手です。

たぶん気持ちいいんでしょう。

思考停止というのは麻薬と一緒ですね。頭がどんどんダメになっていく代わりに、万能感が得られます。

 

印象的だった部分

知識がない人には世界が見えない

頭で考えるためには圧倒的な知識量がいるのです。(中略)

知識があれば自動的に答えは決まります。そこで答えが出なかったり、迷ったりするのは、単に知識・情報が足りないから、答えを決められないだけです。

まあその通りですね。

「○○」について述べよ、と言われたとき、「○○」についての知識がなければ答えようがありません。

そして、苫米地氏は「知識習得は楽しいものである」とも言っています。

その知識を大量習得するためには、やはり「本を読むこと」が一番である、と。

結局本を読むことが知識習得の一番の近道です。他人の話をどれだけ聞いても、それはあくまで他人の話であって、知識にはなりません。短時間で、すごい人たちの知識を得られる方法は、間違いなく本だけなのです。(中略)

ではどうすれば、ラクに知識を手に入れられるのでしょうか。

それは、やはりゴールがあれば違うのです。ゴールがない勉強はつまらないものですが、あなたが本気で興味を持てることであれば、知識は定着しやすいのです。

ここでいうゴールとは、「自分が本当に達成したいと心から思っている目標」のことです。

 

なお、苫米地氏は、「読書をしても、そのまま素通りして記憶に残らない人は、読み方に工夫がいります。オススメの読書法は、いくつかあります。」と述べて、「4つの読書法」を紹介するのですが、これは実際に本を読んだ人のお楽しみということで。

 

思考をしないのは、ゴールがないからだ

思考の場合、ゴールがないというのは、問題意識を持っていない状態です。

「この営業のやり方で結果は出ていないけど、まあいいや」

と思う人と

「この営業のやり方で結果が出ないのはどうしてだろう」

と思う人がいます。(中略)

どうすれば問題意識を持てるかというと、ゴールを持てばいいのです。現状を変えることや良くすることを本気で考えるからこそ、現状を疑い、問題意識を持つのです。

ふつうの人は、「目の前にある仕事をこなす」ことだけに意識を向けますが、これこそ思考停止のもと。

ゴールを持っている人であれば、「いま目の前にある仕事を、自分のゴール達成に結びつけるにはどうするか」という一つ上の次元で思考ができます。

 

ゴールを持っている人はつねに思考し、持っていない人は思考の軸となるものがない。

人生全体でみれば、充実度に大きな差が出てくるのも当然でしょう。

 

迷ったらランダムでいい

考え続けるためにオススメなのが、ランダム性を活用することです。(中略)

世の中には完全状態というのはあり得ません。あらゆるものごとに、ランダム性が内包されます。だから、意思決定における完全なる正解というものは存在しないのです。あくまで正解の確率が高いものを選ぶだけなのです。(中略)

答えがわからない状態であれば、ランダムに選ぶのも、考えて選ぶのも本質的には同じです。

たとえば飲食店で長々と「なにをたのもうかな~」と悩むのは、時間と労力の無駄です。

そういった「どうでもいいこと」は、パッと決めてしまうほうが良い。

時間も節約できるし、その労力をべつのところに投入できるし、さらにはランダム性ゆえに思わぬ発見をすることもあります。

 

目に映るものをすべて言葉に変える

苫米地氏は、言語運用能力を高める方法としてこんな方法を紹介しています。

目の前の情景を全部文字に換えるのです。川端康成や谷崎潤一郎になったつもりで、

「空気の流れが変わってきた。前から後ろに流れている」というように目の前の情景を言葉に換えていくのです。論理のある思考は短くていいので、目の前に映ることを全部言葉にしてみてください。(中略)

たとえば、iPhoneが目の前にあったら、iPhoneと一言言うのではなく、

・iPhoneをつくったのはスティーブ・ジョブズ

・iPhoneからどういった関連商品が生まれたか

・どんなことができるか

・どういった機能があるか

・appleはどんな企業で、どう評価されているか

など、なんでも構いませんが、目の前に見えるものを、情報的に捉え、言葉にしていきましょう。(中略)

これをできるだけ早口で行います。

今回の本で一番ハッとしたのはこれです。

音楽や芸術の分野を除いて、「人間が作ったものはすべて言葉からできている」のです。

 

私は、語彙力や知識量とは、「画素数」のようなものだと思います。

たとえば、ファミコンの256ドット×240ライン=61440という画素数では、画面はかなり粗くなります。

一方で、たとえばライカの2400万画素オーバーのカメラなら、とてつもなく鮮明な写真になります。より細かいマスが並んでいるから、世界を細やかに表現できるわけです。

それと一緒で、語彙力と知識が豊富な人は、世界をかなり鮮明に見ることができます。なぜなら、人間の認識の枠は語彙力と知識によってかなり規定されるからです。自分が名前を知らないものは「見えない」のです。

 

苫米地氏が言っていることはそういうことです。

目の前にあるものをすべて言葉で表せるようになれば、世界の認識の仕方が根本的に変わります。

 

ちなみに苫米地氏は「夢を言葉で見る」らしいです。映画の字幕か、小説がザーッと流れていくような夢を見ると言っています。大学時代にディベートを頑張りすぎた結果だとか。

 

この本は、こんな人におすすめ

「今の生活になんか不安というか、漠然とした物足りなさを感じるんだよな・・・」という人に

↑こんな感触がある人は、思考停止イエローゾーン。

まだ不安とか物足りなさを感じるだけ救いがありますが、このまま現状に浸っているとズルズルと思考力が落ちてきて、「これでいいや」となる可能性が非常に高いと言えます。

思考停止しそうな人を救うための本(本当に思考停止していればそもそもこの本を読まないはず)なのですから、ぜひ読んでください。

「あっ、そうか。いまの生活がなんとなく物足りないのは、いつの間にか思考停止してしまっていたからなのか」と気づくでしょう。

 

頭が良い人はどうやってあんなに多くの知識を得ているの? と思う人へ

この本の、地味な推しポイント。

「思考停止しないためには」だけじゃなくて、

「本当に頭の良い人はどうやって知識を身につけているのか」

「どういう工夫をすれば圧倒的な知識が手に入るのか」

「凡人が天才になるためにはどういう道を進んでいくべきか」

ということが簡潔にまとめられています。

非常にシンプルながら説得力のある論理なので、一読の価値あり。

 

苫米地氏の本をけっこう読んでいる人にも

「いつも同じようなことばかり書きやがって」と思っている人におすすめかも。

チャイティンの超生物学とか、知識習得のための心構えとか、あまりこれまでの本で触れられてなかった内容がけっこう書いてあります。「この本がKindleUnlimitedに入っていないのはなんでだろう」と思っていたのですが、特に目新しい内容が入っている本は読み放題から外してあるんでしょう。おそらく編集者か何かの判断で。

 

ちなみに、これは私の推測ですが、同じようなことばかり書いているのは、一冊にすべてまとめてしまうと「はい、一冊読み終えた。もう読み返さない。終わり」となってしまって結局定着しないからだと思います。

 

まとめ + その他のおすすめ苫米地本

さて、いかがでしたか。

いまの日本人の多くが罹患しているのが実は「思考停止」という病であることを鮮やかに解き明かした本として、私はこの本を高く評価しています。読みやすいわりには革新的というか、斬新なアイディアが多数詰まっているのも◎。

 

作中で苫米地氏が述べていたように、

「知識量を身に付けるのに最適な方法は読書」です。

 

まずはこの本を読んでみて、「ああそうか、こうやって考えればいいんだ」というアハ体験をしてみてください。

では、グッド・ラック!

 

★おまけ 「ぼっちに悩む人」のためのおすすめ本★

・・先日も記事で書きましたが、私は苫米地英人氏の本を70冊近く読み切り、「ああ、この人はモノホンだ。うさんくさいのはアレだけど本物だ」と確信しました。

以下におすすめの本を挙げておきます。

・「立ち読みしなさい!~美しいほどシンプルな成功術

・「ディベートで超論理思考を手に入れる

・「苫米地英人、宇宙を語る

・「洗脳原論

・「「生」と「死」の取り扱い説明書

・「君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する

 

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