洗脳されている人に限って気付かないという恐怖 別冊宝島「洗脳のすべて」

   

こんにちは、栗栖鳥太郎です。

先日Amazonで『洗脳のすべて』(別冊宝島)を購入し、非常に面白かったのでレビューします。

題名通り「洗脳」について扱った本ですが、ムック本らしく様々なテーマで切り込んでおり、非常に読みやすい仕上がりになっています。

今回は、「本の内容の紹介」と、「本に書かれていることを読んで思ったこと」を主に書いていきます。

別冊宝島「洗脳のすべて」という貴重な本

内容紹介 目次

簡単に目次を書いておきます。

・冒頭インタビュー XJAPAN Toshiの証言

・ネトウヨができるまで

・ブラック企業で働きたい

・ブラック企業経営者の人心掌握術

・悪徳商法

・マルチ商法の勧誘マニュアル

・自己啓発書

・引きこもりの矯正 洗脳型更生プログラム

・地下アイドル

・「自分探しくん」のワナ

・スマホによる洗脳術

・数時間で高額ローンを組ませる心理テクニック

・「コーチング」体験ルポ

・DaiGo インタビュー

・角田美代子

・木嶋佳苗

・脳科学と洗脳

・カルト団体の洗脳 T教会 Kの科学 S理 S鸞会

・宗教団体が起こした驚愕事件簿

Amazonに目次が書いてなかったので自分で書き起こしたのですが、「洗脳」と聞いて多くの人が思い浮かべるようなことがまんべんなく取り扱われているな、という印象。非常にバランスのいい構成だと思います。さすが宝島社。よく取材されています。

 

この本の出色

まず、読んでみて特に面白かったのは、冒頭のX JAPAN・Toshi氏のロングインタビュー。

X JAPANのメンバーとして有名だったToshi氏が「洗脳された!」ということで、当時かなり話題になっていたようです。

この冒頭インタビューで、Toshi氏は当時を振り返ってこんなことを言っています。

 

(元妻の手によって怪しい団体に引き込まれたことを受けて)「彼女を否定すると自分のことも否定することになる。自分が選んだ相手のことを最後まで信じたいという、ある種、心に不安を持つ人間特有の心理が働いてしまっていたのでしょう」

「どんなに離れていても安心して戻れる場所というものがあれば、状況が違っていたかもしれませんね。良い家族とかいい家庭を見ていると、そういうところで育った人は絶対に引っかからないと思います。」

「<いま、サインしなさい! いま、決めなさい!><決められないのがあなたのパターンです!>とたたみ掛けられると、<そうか・・・自分はダメなパターンだから>となる。決めたくないけど決めざるを得ない。そうしないと男として引っ込みがつかない。そういうマニュアルとか、心理的な誘導方法を必ず持っていると思います。」

 

Toshi氏の言っていることは、総括すると

「自己肯定感の低い人ほど、自分ではない存在にすがるから、だまされやすい」

「論理的に考える能力が弱い人・知識のない人ほどだまされやすい」

ということになるでしょう。

これ、現代の若者のステレオタイプとして想像される「自分に自信がなく、他にすがって生きる安定志向で、勉強嫌い」というタイプの人はどんぴしゃりではないか? と思いました。

自己肯定感の低い人は、やはり自分でないなにかにすがるほかないのではと思います。その「すがったもの」がもしも、悪質なカルトや自己啓発セミナーだったらイチコロでしょう。

また、「論理で詰めて考えるクセのある人」は比較的騙されにくいのですが、「論理で考えずに空気で考える」傾向のある人をだますのは簡単で、その「空気」を操ればいい話です。それこそ、何人かサクラがいれば容易でしょう。

そういうわけで、このToshi氏のインタビューは非常に示唆に富んだものです。

 

また、他に面白かったコーナーとして、

「自分を変えたい!」はこう利用する 洗脳完成のマニュアル大公開

という特集がありました。

自己啓発セミナーにハマらせるにはどうすればいいかという方法論を徹底的に練り上げた元トレーナーへのインタビューです。これがまた痛烈。

 

元トレーナー

「だいたい6~7割は、勧誘されてイヤイヤ来ているか、怪しいセミナーだと思って不信感を抱いている。期待してワクワクしている物好きは、せいぜい1~2割や」

「ワシら(司会役)は、ただ進行とセリフを丸暗記してセミナーを進行させた。たったそれだけで、友人に誘われてイヤイヤ受講しに来ただけの奴らも含めて、受講生のほとんどが2日目には大声で泣き叫び始める」

「短時間で人間の思考を操るのは難しいが、怒らせたり笑わせたり泣かせたり、感情を動かすのは簡単や。感情を動かしてしまえば、それを利用して一定の行動に走らせることも簡単になる」

 

「最初は怪しいと思っていてもコロッと騙される」ほどに洗脳力が強いのが自己啓発セミナーだそう。

 

そもそも、こういうセミナーに申し込む人の心理・性質はどういうものか?

これに関しては、やっぱり「自分を変えたい」と思う人こそ引っかかるのでしょう。

もちろん、「自分を変えたい!」という言葉のウラには、当然「いまの自分はダメだ!」という自己肯定感の低さが身を潜めています。先日も記事で書きました(「人生変えよう」と思ってるうちは絶対に変われない2つの大きな理由)が、「もっとすごい自分になりたい!」という欲求はかなり普遍的なものみたいです。推測ですが、現代に生きる人間の多くがかなり低い自己肯定感を持っているのではないでしょうか。そういう自己肯定感の低さが、洗脳される原因ともなり得るわけです。

ちなみにその記事のトップ画に選んだのは某S学会の漫画です。進研ゼミタッチでものすごい内容を書いてあるので興味のある方はご一読を。

 

「洗脳」について言いたいこと

現代における「洗脳」とは?

オウム事件で脱洗脳を行った苫米地英人氏は、著書『洗脳原論』のなかで洗脳をこう定義しています。

「洗脳とは、われわれの神経レベルでの情報処理・信号処理の段階に、何らかの介入的な捜査を加えることによって、その人の思考、行動、感情を、思うままに成語しようとすることである」

また、イギリスの脳科学研究者キャスリーン・テイラーは『洗脳の世界』のなかで、洗脳というのはかなり軍事的・政治的な色合いの強い用語として用いられてきた(例:思想改造や、朝鮮戦争時の共産主義への転向現象など)という意味のことを言っています。

 

これだけではよくわからないと思います。

そこで私なりに定義すると、洗脳とは

①本人がそれを洗脳だと気づいていないもの

②第三者の利益のために、自分の考えではない考えや観念を刷り込まれること

を指すと思います。

「本人が気付いていない」というのはかなり厄介な問題で、洗脳されている状態では「おまえ洗脳されてるよ」と言われても頑として受け入れません。後になってみないと「あ、自分は洗脳されていたんだ」と気付かないのです。

もしかすると、いまこのブログを読んでいるあなたも、実は洗脳されている真っ最中であるにも関わらず、「自分は洗脳なんてされてない」と思い込んでいるかもしれません。非常に怪しいところなのです。

実際、多くの人が普段何気なく利用しているテレビやネットといった媒体は、かなり強力な洗脳装置として機能していることは間違いありません。テレビに出ている有名人と同じ腕時計が欲しくなるのも、「ネットで真実を知った」と思う人が出てくるのも、ある意味では洗脳でしょう。

 

昭和のスポーツ界で「練習中に水を飲んではいけない」と言われていたのもそうです。今となっては「なんであんなことに従ったんだか」と笑い飛ばせるのに、当時の人間としてはそうするのが当然だと思い込まされていた節があります。ただこれに関しては、洗脳というより迷信かもしれませんが。

 

ちなみに、洗脳を受けにくい人になるには、「「人生変えよう」と思ってるうちは絶対に変われない2つの大きな理由」に書いた通り、「ゴールを持つ」

という対策があります。

また、論理的思考を身に付けることも有効です。

これも「あなたを支配下に置こうとする人の理不尽な物言いに騙されないための論理思考・超入門」に書いておきました。

 

なんでこんなに都合よくそういう記事が用意されているかというと、もともとこのブログを使って、現代社会に生きる人々を洗脳された状態から解放できないかと思っていたからです。それがすべての目的ではありませんが、少なくとも私がブログを書く動機の一つでもあるのです。

 

 

まとめ + 脱洗脳の専門家の本

さて、いかがでしたか。

私が「洗脳」という言葉を真面目に考えようと思ったのは、このブログで何度も紹介している苫米地氏の『洗脳原論』を読んでからのことでした。オウム真理教にはなぜインテリがこぞって入ったのか? 平気で殺人をやる集団に仕立て上げた方法はどんなものだったのか? 洗脳という言葉は、現代を理解する上で欠かせないキーワードのように思えます。

ちなみに最近、洗脳原論の続編的な書籍である『現代洗脳のカラクリ ~洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用』も出たようです。まだ読んでないのですが、面白そうなので買う予定です。

 

そういえば、私が大学に入学してから何度か「カルトに注意! カルトがあなたを狙っている」というポスターを見かけましたが、そんなポスターを張っておくよりも新入生全員にこの『洗脳のすべて』を無料で配った方がよほど有益だと思います。

洗脳されている人は、洗脳されていることに気付かない。

これがいかに恐ろしいことかよく考えて、自己を脱洗脳して自由になってください。

では、グッド・ラック!

 

★おまけ 「時間という概念について興味を持った」人のためのおすすめ本★

・・先日も記事で書きましたが、私は苫米地英人氏の本を70冊近く読み切り、「ああ、この人はモノホンだ。うさんくさいっていう人もいるけど、論理で考えると本物だな」と確信しました。この人の本を読むと、どんどん思考の盲点が外れて、今まで見えなかったものが見えてくるようになります。なお、今回の記事の内容に関心のあるかたは、先にも言及した「現代洗脳のカラクリ ~洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用」と「洗脳原論」が興味深く読めると思います。

以下におすすめの本を挙げておきます。

・「立ち読みしなさい!~美しいほどシンプルな成功術

・「ディベートで超論理思考を手に入れる

・「苫米地英人、宇宙を語る

・「洗脳原論

・「思考停止という病

・「まずは親を超えなさい!

・「すべてを可能にする数学脳のつくり方

・「「生」と「死」の取り扱い説明書

・「君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する

ちなみに、洗脳関連の書籍では、キャスリーン・テイラー氏の「洗脳の世界」や岡田尊司氏の「マインド・コントロール」もおすすめです。

 

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