音読の限界速度が上がれば、頭の基本回転速度も上がる

   

音読の限界速度が上がれば、頭の基本回転速度も上がる

高速音読と凖高速音読

このブログでは何度か「高速音読」についての記事を書いています。

なぜ「高速音読」を重視するのか。

 

音読をするうえで肝となる意識は、

「最高速度を更新し続ける気持ちで読み上げる」

ということです。

 

なぜそうするかといえば、脳はすぐサボりたがるから。

脳という器官は実に手抜きが上手で、常に「もっともっとできる!限界を更新しろ!」という勢いでムチを入れてやらないと、

「ま、このくらいでいっか」というコンフォートゾーンに浸ってしまいます。

 

「限界を超える」という刺激がないと、脳はすぐに

「よし。余力がある。70パーセントの力しか使ってない。余裕だな。いっちょさぼるか」

と休み始めるのです。

 

その怠惰を許している限り、音読の効果は半減することになります。

「順高速音読」でも効果は十分にあるのですが、

そもそもの目的の一つである「思考速度をアップさせる」「頭の回転速度を上げる」という目的がハンパなままになってしまうのです。

(参考:「ドン引きするくらい頭が良くなる! 「イメージしながら高速音読」の圧倒的効果」)

 

ですから、「限界を超える速度」を極力維持したまま音読をし続ける必要があります。

しかしこれが結構難しい。

気を抜くとすぐに「凖高速音読」になってしまいますし、そもそも高速音読はかなりの精神的スタミナが要ります。

 

私の場合、「高速音読」は、フルパワーを連続でやればだいたい5~10分程度が限界となります。

「凖高速音読」であれば20~30分程度です。

「準々高速音読」(気持ち速めに読み上げる)なら、調子が良ければ一時間くらい連続してやることができます。

 

ですから、私は朝食後の舌が回りやすくなっている時間帯に、

「5~10分高速音読 → 20~30分凖高速音読 → 5分瞑想・休憩」を2~3セットやることにしています。

体調やその日の気分・予定によって微調整はしますが、だいたいこのルーティンを続けています。

精神的なスタミナには個人差もありますから、各々最適解を見つけてください。

 

またそれに加えて、時間があって、かつ「集中して黙読するだけの精神的エネルギーが残っていない」か「最近なんか頭のキレが鈍ってるような気がする」ようなときは、

2~3時間、音読でも理解できる程度の難易度の本を読み続けることもあります。

だいぶ前であれば一日8時間くらい読んでいた時期もあったのですが、

ここまで行くと目的と手段が逆転している(音読が目的になっている)ような気がします。

 

「音読がどれだけ脳に良いのか確かめたい」という意図のもとで8時間とか10時間とか音読し続けるのは良いと思いますが、

毎日やれるものではありません。長時間音読は、基本的には「暇な人用」か「音読の効果を本当に実感したい人用」です。

 

 

なお、最高速度を更新するつもりでやるのであれば、声は張り上げないほうが良いと思います。

むしろ、小声でささやくようなトーンが適しています。

 

「ハイスピードツイート・リーディング」という名称があるように、まさに「つぶやく」=「ツイート」するくらいで丁度よいでしょう。

 

だいいち、声を張って高速音読というのは声帯が疲れます。

声が大きいと読む速度も大して上がりません。

もしもあなたが、みんなに称賛される「ナイスボイス」を目指したいのであれば、

高速音読ではなく、音読の速度を落として「朗読」にすべきだと考えます。

 

音読する目的が「頭の回転を速くしたい」ならば、あくまでも「つぶやくような声の大きさで」高速音読し続けることをお勧めします。

 

また、「音読するとき用のセルフトーク・アファメーション」も有効でしょう。

音読をする合間合間に、「ロッキー」のコーチみたいに「もっとできる! まだまだ速くなる! もっと速く読み上げることができる!」と

自分の意識にはたらきかけてやるようにすると、より音読にメリハリが出てきます。

 

自分で自分に言い聞かせるよりも、そういった仮想コーチ的な存在を音読時だけ雇っておく(イメージしておく)のも手です。

松岡修造さんとかアントニオ猪木さん的な。

 

この音読時のセルフトークを継続していくうちに、「自分は高速で音読できる人間なんだ」というセルフイメージができていきますから、自然と読み上げるのがスムーズに、そして高速になっていきます。

そうなれば、大した精神的労力を要することもなく高速で読めるようになっていきます。

 

なぜ頭の回転速度も一緒に上がるのか?

高速音読の速度が上がっていくにつれて、頭の回転速度もどんどん上がっていきます。

理由その1 刺激→反応のサイクルが高速化される

 

理屈は単純で、まずは

「高速音読によって、刺激にたいする反応速度がどんどん高速化されていくから」です。

 

高速音読と言うのは、「できるだけ高速でジャングルの中を走り抜けること」と似ています。

目の前にある障害物や足元の状況などを敏速に察知しつつ、素早い体の反応で進んでいく。

目の前にある文章の発音を迅速に把握しつつ、できるだけ素早い脳の反応でクリアしていく。

 

高速音読では、「刺激!→反応!」のサイクルをできるだけ高速で回していくことが求められます。用は、高速音読をすることによってその「→」にかかる時間が限りなくゼロに近づいていくのです。頭の回転が遅い人は「グズグズするな!」と言われますが、その「グズグズ」というのはこの「→」にかかる時間が長い人を指します。

 

実際、人間の脳というのは「入力に対して出力する」という演算装置である、という側面を持っています。脳科学の本をよく読む人であれば、「人間の出力依存の装置である」という言い回しをよく目にすると思いますが、まさに「刺激→反応」のために作られた装置なのです。

音読が「目で見る→頭の中で処理する→読み上げる」というプロセスで行われることを考えると、音読とは「入力にたいして出力する」という練習にもなる、といえます。

 

そして、高速音読によって「刺激にたいして高速で反応する」という処理を積み重ねていくことで、絶対的なスピード感についていけるようになり、頭の回転も速くなっていきます。

高速音読とは「刺激を認識する→頭で演算する→反応を出力する」という一連の流れを高速化していく、ということなのです。

この点において高速音読の右に出る訓練方法は存在しません。

 

せいぜい近いところで、障害物や地面の凹凸の多いところで行うジョギングや、テニス・卓球・サッカー・バスケットボールといった高速反応を連続で行うことのできるスポーツがあげられるくらいでしょう。

 

「高速音読で、入力→演算→出力のサイクルが高速化する」。

これが「音読で頭の回転が速くなる」第一の理由です。

コンピュータでいえば、単純にCPUの処理性能が上がるということになります。

 

理由その2 人間の思考様式に応じたチューンナップができる

第二の理由は、「人間は言語・イメージを用いて思考する」ということに起因します。

 

人間というのは思考をする動物です。

思考の際に用いられるのは、大多数の人では「言語」であり、比較的少数の人では「イメージ」だとされています。

一般的に「左脳中心」「右脳中心」あるいは「論理型」「直感型」という分類がなされますが、

「左脳中心・言語・論理型」が多数派で、「右脳中心・イメージ・直感型」が少数派だと言われます。

(このような脳機能局在論に対して異論を唱える学者もいるようですが、ここでは触れません)

 

まず「左脳中心・言語・論理型」の人々の思考様式は、「言葉によって、直線的でシリアルな処理をする」というものです。

このタイプの人は、頭のなかで言語を使って考えます。

入試数学の問題を解くときでも、

「えーと・・・与えられた条件がこれで、示すべき結論がこれだから・・・

結論から逆算して・・・式をこうやって変形して・・・これにこれを代入して・・・」

という感じで、直線的な処理を試みます。

 

直感的に把握するという芸当は不得意ですが、ひとつひとつ積み重ねるようにして論証していけるのがこの左脳言語型の強みでもあります。

 

一方で、「右脳中心・イメージ・直感型」は「視覚を中心とした感覚的なイメージを用いて、並列的に処理する」点が特徴になります。

一般的に、「数学者は右脳中心」と言われることが多いようです。

実際、数学がデキる人の間では「問題を見た瞬間に答えが見える」という感覚があるそうですが、それはまさにこの「並列処理」の賜物です。頭のなかで並列処理ができるからこそ、証明のプロセスをいっぺんに片付けることができる。

逆に、論理型の人は単列のシリアル思考ですから、「いっぺんに答えまで見える」ことは原則的にありません。少しずつ証明が進んでいって、だんだんいい感じになってきて、答えが見え始める。そういう感覚です。

 

つまり、右脳中心・イメージ・直感型の人は、一気に情報処理をこなすことができるという強みがあるということになります。

ここまで読んできた方の多くが気づいたことと思いますが、頭の回転の速さで勝っているのは圧倒的に「右脳型・イメージ処理」の人々です。パラレル思考ができるわけですから、言語型のシリアル思考に比べて数倍の速さで処理ができるというわけです。逆に言語型の人は、言語のメモリ占有率が大きいためにボトルネックとなってしまい、単列でちまちまとした処理をせざるを得ないといえます。

(当然、右脳・左脳をバランスよく使うタイプもいますが、その場合は両方の強みをあわせ持っていると考えてよさそうです)

 

音読は、この両タイプに効果的です。

 

まず、左脳中心・言語・論理型の人にとっては、前項でも述べた通り、単純処理速度の向上がもたらされます。

単純処理の速度が上がると、その余力を、ほかの思考に回すことができるようになります。

それまでは言語を操るだけでいっぱいいっぱいだったのが、高速音読によって単純処理能力とワーキングメモリ(並列処理のための領域)が増大すると、言語のメモリ占有率が下がって、言語という思考エンジンを二つ三つと搭載できる余力が生まれます。

つまり、単列のシリアル思考から、並列のパラレル思考へと進化できるのです。

 

右脳中心・イメージ・直感型の人にとっては、音読は「イメージでの思考に、言語的な確実性が出てくる」「イメージ処理の速度自体が上がる」というメリットがあります。

 

イメージだけで処理することの唯一の難点は、「直感的イメージを、みんなにわかるような言語情報に変換する作業は、意外と骨が折れる」ということです。イメージ・感覚的な話というのは自分や仲間には通じても、世の中の多数派の人々はあくまでも言語処理主体なので、言わんとすることを伝えられないのです。

音読によって言語野・前頭前野が鍛え上げられると、その翻訳作業が格段に楽になります。

つまり、音読は、高校生によくいる「数学の問題を、自分では簡単に解けるけど、ほかのひとに教えるのが苦手」という典型的な教え下手タイプの人にとっての福音になるのです。独りよがりの内的世界だけですべてを完結させるのも結構ですが、どうせなら世の中の多数派の人々に対して「こういうやり方があるんだよ」と教えてあげることも必要ではないでしょうか。

 

さらに、右脳中心タイプの人がもともと持っている頭の回転の速さについても、音読でいっそうの磨きがかかります。

「刺激→演算→反応」というサイクルの高速化自体は、右脳中心タイプの人にも効果的なのです。

 

実際、典型的な右脳中心タイプである苫米地英人氏(共感覚持ちです)は、

自らがアメリカのNDT方式のディベートチームの一員だったころに徹底的な高速音読訓練を施され、

その時期に読書速度が飛躍的に向上した、と述べています。

 

「イメージに言語が混ざると思考が遅くなるのではないか」と思われるかもしれませんが、もともとイメージ主体の情報処理ができているのですから問題ないはずです。右脳中心の情報処理を行う人であっても、音読特有の「入力→演算→出力サイクルの高速化」の恩恵を十分に受けることは可能なのです。

 

限界速度が上がると、平均速度も上がる

以上述べてきた通り、音読は

1 頭の最高速度を上げるのに最適

2 単列処理しかできない人でも並列処理ができるようになる

3 並列処理ができる人はもっと速くなる

というメリットがあります。

総じて言えば「音読は処理速度をあげる」。

これにつきます。

 

特に、1の「頭の最高速度を上げる」については、

「最高速度が上がるほど、普段の平均思考速度も向上する」という素晴らしい効果を生みます。

 

たとえば、100メートルを10秒00で走れるアスリートにとっての「6割」は、一般人の全力疾走くらいでしょう。

一般人にとってはヒィヒィハァハァという感じでしょうが、アスリートにとってはいくらでも走れる強度です。

最高速度が上がれば上がるほど、手を抜いているときでも速い速度がキープされるようになるのです。

 

まさにこれと同じメカニズムで、

「音読によって思考の最高速度が上がっている人にとっての手抜きが、一般人の全力である」

ということが起こるのです。

なんであいつはあんなに頭の回転が速いんだろうと言われるタイプの人に近くなります。

 

実際、これは普段から高速音読を日課にしているとわかります。

これまでであればかなりハードだった速度が、どんどん自分にとっての心地よい速度に変わっていくのです。

この感覚に関しては、実際に高速音読をやってみないことにはわからないと思います。

 

ぜひ、高速音読を毎日の日課にしてください。

まさに「劇的に頭がよくなるとはこういうことか」という実感が得られますよ。

 

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