「触れてはいけないタブー」は小説に使える―『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(橘玲)

      2016/08/31

売れてるみたいですねこれ。

 

言ってはいけないという題名の通り、現代の世界においてまさに「タブー」とされ、触れられることの少ない(というより触れると危ない目に遭う)事柄についての、かなり刺激的なゴシップを並べた本。

学問でいえば、遺伝行動学、進化心理学、といったところについて触れた本です。

 

ちなみに私はこういう刺激的な雑学本が大好きです。

コンビニとかに置いてある「雑学100」とか「都市伝説150」とか、ついつい買っちゃいます。

そういう、内容としてはたしかに眉唾で不正確な感じが拭い去れない本というのは、やっぱり刺激的なんですね。刺激を手軽に得られる本、ヒマつぶしとして読む本としてはこの『言ってはいけない 残酷すぎる真実』はまさにお手頃。

ドーキンスの「不都合な真実」とか好きな人はハマるでしょうね。

 

 

この本で扱われているテーマといえば、
「遺伝子がどのように各個人の人生を決定するか」

「ブサイクは、美形に比べてどのくらい損をするのか」

「資質に恵まれないオスはどういう生存戦略を採るか」

「犯罪者の子孫は犯罪者になるのか」

「知識社会の階層分化」

「女性がどう男性を選別するか」

など・・・

 

・・・学校では絶対に教えてくれなさそうなテーマばっかりですね。

こういう「えげつない」テーマを扱う本は、だいたいみんな売れます。

というのも、みんなが知りたいと思っているテーマだからです。

学校では決して教えてくれないけど、それでもみんなが成長とともに自然と疑問を抱くようになるテーマなんです。

だから、小説にこういうテーマを入れてやると、簡単にスパイスが利きます。

 

 

あと個人的な感想ですが、2ちゃんねるに入り浸っているような人は特に、この本にのめり込みやすいと思います。

「遺伝」とか「美貌格差」とか、いかにも議論白熱しそう(というより煽り合いが始まりそう)な話題です。

 

ただ、アマゾンや読書メーターのレビューなどを見る限り、厳密に(学問的に)きちっと裏付けがされているとは必ずしも言い切れないような本のようですから、眉唾して読みましょう。

創作のネタ集めのために読む本としては、なかなか優れた本です。

 

 

・・・この本、内容が内容だけに、読んでいてムズムズというかムカムカしてくる人も多いでしょう。

 

ただ、そういう「ムカムカしてくる話題」、つまり、「不快感のある話題」というのは、小説のネタとして非常に使いやすいんです。

だいたいの人が不快感を抱く話題というのは、つまりは「万人共通で引き寄せられてしまう話題」なんですね。

「ブサイクと美形、損するのはどっちか」という話題だけでも、ちょっと捻りを入れるだけで小説の設定として使えそうです。

 

たとえば、簡単なところからいけば、

「ブサイクが淘汰されるという社会システムの中で生き抜こうとするブサイクの話」とか、

「ブサイクが支配階級となり、イケメン美女たちを奴隷として酷使する世界」とか。

大して頭を使わなくても、こうやってやれば設定が作れちゃいます。

これを使わない手はありません。

この本を読めばいくらでも、そういう「やりやすいテーマ」について触れることができます。

 

ですから、この本、創作したい人におすすめ。

なお、ほかにネタのもとになる雑学本としては「アシモフの雑学コレクション」(新潮文庫、星新一)もおすすめします。

 

 

 

 

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