「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――:「フィジカル」のためにできること その4

   

「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――:「フィジカル」のためにできること その4

フィジカルの進歩のスピードを速めるために

1-G.「肉体を進化させるために必要な知識を貪欲に吸収し続ける」

野球界では「ウェイトトレーニングは良いのか悪いのか」「走り込みは是か非か」といった議論がよく交わされます。

しかし、意外なほど「フィジカルとはいったい何なのか」「そもそも、野球とフィジカルの間にはどんな関係があるのか」という根本的なテーマについては議論されていない印象があります。

 

そもそも「フィジカル」とはいったい何なのか?

↓は、武井壮さんのフィジカルの定義を私なりにアレンジしたものです。

フィジカルとは、

「①どのような体格・骨格か(物理)

x②後天的に鍛えた身体能力(パワー・筋力・スピード・柔軟性)

x③後天的に鍛えた身体操作能力(精度)」

のことを指す。3つの要素の掛け算となる。

遺伝的にある程度決まっているのは①くらいで、②と③は後天的なトレーニングで向上させていくことができるものです。

 

ここで、「身体能力やセンスって先天的なものじゃないの?」と思われるかもしれません。

…正直なところ、私は「遺伝というものがどれほど自分の身体能力・センスに影響するのか」は原理的に計測不能だと考えています。

 

というのも、個人の人生は一度きりしかないので「同じ条件のもとでの比較」ができないからです。

たとえ、遺伝的に同一な双子を集めて厳密な統制の下に実験を行い、「実験の結果、遺伝は○○パーセント競技成績に影響するとわかりました!」というデータが出たとしてもです。

「キミは遺伝的にこのスポーツに向いていない。過去の科学的な実験のデータが示している」と言われたらどう反論するか?

・その実験データはあくまでも「過去に行われた調査の結果」でしかなく、「自分のこれからのデータ」がそこに入っているわけではない

・個人の努力・後天的な環境の調整によって、遺伝の壁そのものを乗り越えられる可能性がある(→エピジェネティクス?)

・たとえ「あなたは遺伝的にこのスポーツに向いていない」と判定されても(例:野球なら「遅筋が多い」など)、遺伝的要素以外のものをうまく活用して一流選手になることは十分可能である

・「遺伝的にあなたはこのスポーツに向いていない」という言葉が強力な暗示となってはたらく場合がある。「どうせムリだ」という信念を抱くことによる競技成績の低下も考えられる

・好きでもないスポーツで努力できるのか、結果が出せるのかは微妙なところ

 

…話を戻しますが、フィジカルについて語る前に、「フィジカルとはいったい何なのか?」を一度しっかりと考えてみることが必要だと私は考えています。

どんな学問でもそうだと思いますが、議論をする前に言葉の定義をはっきりさせておかないと、言葉の定義が違うせいで議論が噛み合わなくなることが頻発します。

 

とりあえず、この記事とこのブログのなかでは先ほど紹介したフィジカルの定義を前提として話を進めていくことにします。

 

フィジカルと野球の関係とは?

では、↑でいちおう定義した「フィジカル」と野球との間には、どんな関係があるのでしょうか?

 

「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――「フィジカル」のためにできること その2」の中で、私はこんなことを書きました。

私が考える「野球に活きるフィジカル強化の方向性」

野球選手は、

①理想的な動作を実現できるための身体作り と、

②理想的な動作そのものの追究 をまずは同時並行で日々行っていくべき。

これだけでもかなりのところまではイケるけど、①②だけだと「圧倒的なフィジカルの差という壁」にぶつかる可能性が高いので、

③身体能力そのものをどんどんスケールアップさせていく。

私の考える野球とフィジカルとの関係はこのようなものです。

今回は特に「③身体能力そのものをどんどんスケールアップさせていく。」について述べます。


 

そもそも、なぜ「③身体能力をスケールアップさせていく」のが大切なのかといえば、

「フィジカルの壁」というものが厳として存在するからです。

 

「フィジカルの壁」とは何でしょうか。

たとえば、こんな比較をしてみましょう。

「150km/h台後半をコンスタントに投げ込んでくる投手」と「130km/h台後半のストレートを投げてくる投手」、どちらのほうがより高いレベルで通用しやすいか?

「50m走が5’80の選手」と「50m走が6’70の選手」とでは、どちらのほうがより高いレベルで通用しやすいか?

「スイングスピードが160km/hの選手」と「スイングスピードが130km/hの選手」とでは、どちらのほうがより高いレベルで通用しやすいか?

「遠投120mの選手」と「遠投80mの選手」とでは、どちらのほうがより高いレベルで通用しやすいか?

「ロングティーの飛距離が130mの選手」と「ロングティーの飛距離が70mの選手」とでは、どちらのほうがより高いレベルで通用しやすいか?

「ベンチプレス150kg、フルスクワット200kg、デッドリフト250kgの選手」と「ベンチプレス80kg、スクワット120kg、デッドリフト140kgの選手」とでは、どちらのほうがより高いレベルで通用しやすいか?

これらの例を考えると、

・「フィジカルは、弱いか強いかでいえば、強いに越したことはない。フィジカルが弱くて損をすることはあっても、フィジカルが強くて損をすることはない」

・「技術レベルが同じなら、フィジカルの強いほうが勝つ」

・「多少の技術の優位は、圧倒的なフィジカルの差の前には粉砕される可能性が高い」

・「野球のレベルが高くなるほど、要求されるフィジカル水準は高くなっていく」

ということがわかります。私は、これらの事実を総称して「フィジカルの壁」と呼んでいます。

 

もちろん、「フィジカルだけあれば通用するのか?」といえば、そうとは限りません。

130km/h台の球速で通用している投手もいれば、150km/hは出るのに打たれる投手もいます。

身体能力自体は高いのに伸び悩む選手もいれば、腹筋が10回もできないのにオールスターでホームランを打てる選手もいます。

しかし全体としてみれば、「球が速いほど打ちづらい」「体が柔軟で強いほど活躍しやすい」という傾向は確実にあります。

 

動作やマインドを磨くのももちろん必要ですが、それだけではいつか必ず限界が来ます。

フィジカルの壁に阻まれてから急いで強化しても既に手遅れかもしれません。

「もっとやっておけばよかった・・・」と後悔しないためにも、毎日フィジカル強化のための努力を継続していくことは必要だと私は考えています。

 

フィジカルを強化するための材料は揃っている!

実は、現代社会ではもうすでに「フィジカルを強化するための材料はすべて揃っている」のです。

 

私が思うに、フィジカルを強化するために必要なのは

1.現時点で「正しい」「理に適っている」と判断できる情報・知識を集めること

2.それを実際に実行に移すこと

この2つだけです。

 

1.さえクリアしてしまえば、あとは「2.それを実際にやる」だけですから、実質的には1.が大きな関門になります。

そして、1.を実践するには

・自分で勉強・調査して、自分が「専門的な知識を持った人」になる

・「専門的な知識を持った人」を雇って、その人に完全に任せる

のどちらかになると思います。

 

プロスポーツ選手ならば専門家の助力を仰げるでしょうが、アマチュア選手の場合は自分で調べるほうが現実的です。

というわけで、アマチュア選手の場合は「フィジカル強化のために必要な知識を自分で集めて、実践する」という選択肢を選ぶことになるはずです。

つまり、自分で「肉体を進化させるために必要な知識を貪欲に吸収し続ける」のです。

 

しかし、ここでちょっと考えてみてください。

もしも現在が昭和の頃のような情報環境であれば、

そもそも「1.現時点で「正しい」「理に適っている」と判断できる情報・知識を集めること」すら難しかったのではないでしょうか。

なにせ、「トレーニングなんてしたら筋肉ダルマになって動きが鈍くなる」とか「練習中に水を飲んではいけない」などと言われていた時代なのです。

ネットなんてありませんでしたし、トレーニングについての書籍も現在ほど充実してはいませんでしたし、そもそもトレーニングを本格的に行っている選手すら少なかったのです。

 

それに比べると、現代はなんと恵まれていることかと思います。

Googleで「筋トレ サプリ」「ワークアウトドリンク 作り方」などと調べるだけで、

一昔前ならトレーニングの上級者にわざわざ聞きに行かなければならなかった情報があっという間に無料or安価で手に入りますし、

おいしくて質の良いプロテインが1kg1500円程度で手に入り、効果抜群なマルチビタミン剤があっという間に個人輸入できる時代です。

プロテインはちょっと前なら1kg4000円は当たり前でしたし、海外製のサプリメントを手軽に安全に購入できるようになったのもつい最近のことです。

 

つまり、現代に生きるアマチュア野球選手にとっては「1.現時点で「正しい」「理に適っている」と判断できる情報・知識を集めること」は実に簡単なことなのです。

したがって、

フィジカル強化は誰にでも簡単にできる時代になった!

「肉体を進化させるために必要な知識を貪欲に吸収し続ける人」はどんどん得をすることができる。追いつけるし、追い抜けるし、差を付けることができる。

逆に、いつまでもフィジカル強化を怠っている・情報に疎い選手はどんどん追いつかれ・置いていかれる。

ということになります。当然といえばあまりにも当然ではあります。

 

さて、ここまでの文章では、

より高いパフォーマンスを求める人にとって「フィジカル強化」は必須である!

ということを一応示したつもりです。

 

では実際に、どのようなところから情報を得れば良いのでしょうか?

参考までに、私が情報を得ているソース元を抜粋して公開します。

 

 

私が情報源としているもの

私の情報源となっているのは、主に

・書籍

・インターネット

・Twitter

・生身の人間

この4つです。

 

今回はフィジカル強化がメインなので、参考になりそうなものをズラーッと並べてみると

・書籍・・・

・「入門運動生理学」
・「運動生理学20講」
・「究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり」
・「運動・からだ図解 生理学の基本」
・「運動・からだ図解 解剖学の基本」
・「史上最強カラー図解 プロが教える 人体のすべてがわかる本」
・「プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典」
・「プロメテウス解剖学アトラス 第三版 解剖学総論・運動器系」
・「初動負荷理論による野球トレーニング革命」
・「野球選手のTHE 肉体改造」
・「パワーリフターに学ぶBIG3パーフェクトメソッド」
・「石井直方の筋肉まるわかり大事典」
・「トレーニング指導者テキスト 理論編・実技編・実践編」
・「身体運動の機能解剖」
・「目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名」
・「図解入門よくわかる解剖学の基本としくみ」
・「究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック」
・「ゴールドジム・メソッド―すべての人々に結果をー“筋トレ”の基本は万国共通!」
・「マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング」
・「ウイダー・トレーニング・バイブル」
・「ウイダーストレングス&コンディショニング エクササイズバイブル」
・「ストレングス&コンディショニング 理論編・エクササイズ編」
・「〈東京大学教授〉石井直方の新・筋肉まるわかり大事典」
・「山本義徳業績集1~8」 など

・インターネット・・・Googleで調べて出てきたサイトやブログ。

S&Cつれづれ」や「筋肉バカドットコム」や「山本義徳公式ブログ」や「バーサーカー コラム」など

 

・Twitter・・・リスト「野球の最新情報を得る」を参照

 

・生身の人間・・・小山裕史、石井直方、山本義徳、ダルビッシュ有、小山啓太、河森直紀(敬称略) など。あとは身近にいるトレーニングに詳しい人から話を聞く

 

正直なところ、「野球やトレーニングに関する勉強をする・情報を追うだけでも一日はあっという間に終わる」というのが私の率直な感想です。

世の中にある情報量は日々ものすごい勢いで増えていますが、野球界も然り。

「肉体を進化させるために必要な知識を貪欲に吸収し続ける」という意識のある人でないと、この情報量には付いていけないはずです。

 

「まずは圧倒的な情報量と知識量を得ることからすべては始まる」と私は考えています。

ものすごい情報と知識の波におぼれそうになりながらもがいていると、そのうちパッと「ああそうか、こうすればいいのか」と要領を掴めます。

フィジカル強化も同様です。

最初は情報が多すぎて何をやっていいのかわからないかもしれませんが、勉強が進むとそのうち「そうか、結局これをやればいいんだな」というのが見えてきます。

上手に情報を取り入れて、フィジカルをガンガン強化して、日本の野球界のレベルを上げていきましょう。

 

1ーH.「生活すべてをスポーツ化する」

元陸上十種競技の日本チャンプ・現タレントの武井壮さんは

「まず、自分の体を思った通りに動かせる練習をしてからスポーツをやろう」

と提言されています。

 

「競技の練習をひたすら反復する」よりも、まず先に自分の体を思った通りに動かせるようになってから反復練習をやれば、あっという間に上達できる。

反復練習の量が少なくてもいいから疲れないし、動きに誤差が少ないから高いパフォーマンスを発揮できるし、数多くのスポーツをこなすことができる。

だからこそ、「まず、自分の体を思った通りに動かせる練習をしてからスポーツをやろう」と。

 

では、「身体を思った通りに動かせる」ようになるためにどうするか?

武井さんは「24時間スポーツをやっている状態になること」をおすすめされています。

武井壮:まず、武井壮を動かす練習をしなきゃダメだ、と。

小杉:自分の体を、自分の思ったように動かせる練習をした方が、可能性が広がるってことね?

武井壮:そうなんです。小さい子だけでなく、大人もそうなんです。大人こそ、それをやれば今までの積み重ねが活きて、知識が活きてスポーツに使えるようになるんです。ほんの1秒で、自分の技術なんて上がるんです。

小杉:あぁ。

武井壮:積み重ねです。僕は、モノを持つときにもそれをやってます。ペットボトルを持つときにも、角と角で、自分の指の真ん中の気持ちいいところで持つって決めてるんです。

吉田:指先まで思った通りに動かせるかっていうのを、日常でやってるんだ。

武井壮1個ルールを作るだけでスポーツですから。みんなは、練習をするときだけスポーツをやるんですよ。でも、僕は24時間気にしてて、スポーツの時だけ気楽にやってるんで。

小杉:だから本番で結果が出るんや。

武井壮メンタルも揺れないし。24時間やってるんだから、俺より上手いヤツはいないって思ってますから。

武井壮「子供の頃から練習しなければ大成しないという風潮は間違い」より)

つまり、日常生活のすべての場面において「スポーツ」をやればいいじゃないか、と。

たとえば、ドアを開けるときにも「ドアノブのこの部分を、手のここで持てれば成功」とルールを決めてやってみたり、

パソコンで文章を打つ時でも「できるだけ早く、かつミスタイプをなくす」という意識で打ち込んでみたり、

ゴミ箱にティッシュを投げ入れるときに「ゴミ箱の角の部分にピタリと投げ入れる」と狙ってみたり、

歩くときにも「自分の靴のつま先の先端部分を、寸分たがわずあそこを通過させる」というチャレンジをしてみたり。

 

トイレットペーパーを手繰り寄せるとき、ペンを持ち上げるとき、自販機のボタンを押すとき、文字を書くとき。

ありとあらゆる場面が、工夫次第で「スポーツ」になります。

 

もちろん、これは野球選手でも同じです。

自分で勝手に「こうできれば成功」というルールを作ってしまって、それを正確に遂行できれば「成功!やった!」と喜ぶ。

これが「生活すべてをスポーツ化する」ということです。

体は疲れませんが、運動神経はきっちり使います。

言ってみれば「24時間スポーツをやっている」んだから、他の誰よりもうまくなって当たり前。

 

武井壮さんの提言は、「常に頭の上に大きな岩が浮かんでいて、それがいつ落ちてきて死んでもいいような気持ちで常に生きる」と述べた宮本武蔵(だった気がする)の境地に近いものを感じます。

スタジオでは、思った通りに体を動かす”ボディコントロール法”として、まずマツコに目をつぶった状態で両腕を水平な位置に挙げさせ、自分の思っている状態とのズレを確認させた。マツコは右腕と左腕の微妙な高さの違いに「これぐらいいいじゃないですか!?」と苦笑したが、武井は真剣な表情で

「この数センチのズレが野球とかゴルフで起きたらどうなりますか?」

「ホームラン打つときの当たり方が3センチズレたらファウルチップになる。このズレが頭の中にある状態でずっと20年プレイするのと、ズレをなくしてからプレイするのとどっちが成功する可能性が高いと思いますか?」と熱弁した。

 

そういえば、桑田真澄さんは「全体練習は一日三時間でOK。短時間で効率よくすませるのが最高」という意味のことをおっしゃっています。

生活のすべてをスポーツ化することができれば、結果的には練習時間が短くても済むようになります。反復練習が最低限で良いからです。

 

千本ノックを3時間かけて受けたり、素振り1000回を二時間かけてやったりするより、

「日常生活をすべてスポーツ化してしまって、体を思い通りに動かす能力を極限まで高めつつ、反復練習を効率的にこなす」

のが良いのではないでしょうか?

 


この「生活しているだけで能力が高まる」という境地は、実は野球やスポーツに限ったことではありません。

勉強でも一緒ですし、研究でも一緒です。

 

たとえば、私は「目の前に缶コーヒーがある」とき、こんなことを考えます。

・この缶コーヒーはどこの会社がどのように作ったものだろう

・缶コーヒーにはどのような歴史があるんだろう

・コーヒーを化学的に分析するとどのような式であらわされるんだろう

・コーヒーというものはなぜ美味しいんだろう

・コーヒーを飲んだら頭が冴えるのはなぜなんだろう

・コーヒー缶のデザインはなぜこういう風になっているんだろう

・この缶コーヒーはどのような流通経路で自分の手元にたどり着いたのだろうか

・自分がこの缶コーヒーを飲むことによって、コーヒー製造元の企業の株価にはどのくらい影響するのだろう

・コーヒーの原価はいくらなのだろう

・コーヒー豆はどこで採取されたのだろう

・そのコーヒー豆農家の人はどんな顔をしているのだろう

・そのコーヒー豆農家の人の先祖はどんな人々だったのだろう

・物理学からするとコーヒーはどのように分析されるのだろう

・もしもベテルギウスという星が存在しなかったら、地球でコーヒーは作られていたのだろうか

・宇宙人はコーヒーを飲んだらおいしいと言うだろうか

・医学・生化学的に見てコーヒーってどうなんだろうか

・日本で最初にコーヒーを飲んだのは誰なんだろうか

・世の中に流れているコーヒーのCMにはどのようなものがあるのだろうか

・印象的な形でコーヒーが出てくる漫画・アニメ・映画・小説はあっただろうか

このような問いかけを、眼前のコーヒー・パソコン・スマートフォン・Kindle・キーボード・マウス・周囲にいる人々・自分が今いる建物・書籍・漢字一文字・家具・イヤホンなどについてなるべく同時並行で行っていきます。このくらい多くのものについて同時並行に考えると、頭がフワッとするような感覚がもたらされることもあります。

コーヒーの例だけでも20通り弱&今あげた例だけでも10通り強ありますから、20×10でだいたい200個くらいのものについて同時に問いかけることになります。もちろん、「今読んだ本にどんなことが書いてあったか思い出す」とか「今日やった勉強について頭の中でまとめ直す」というタスクも状況に応じて入ることがあります。

 

これは意識的にやっているというよりは、自分のクセのようなものですから、まったく努力感はありません。やらないと気持ちが悪い類のものです。

半分無意識でこのような問いかけを行い続けると、結果的には24時間ずっと(寝ている間もたぶんやっています)勉強し続けるのと同じになります。

ですから、武井壮さんの話を初めて聞いた時も「ああ、あれのことか」と腑に落ちる感覚がありました。

 

…話を戻すと、「生活すべてをスポーツ化する」というのはフィジカル強化の一環としてたいへん有効です。

日常生活も楽しくなります。スポーツもうまくなります。一石二鳥です。

やらない手はありません。

 

1-I. 「生活リズムを整えて、しっかり寝る」

さて、意外に見過ごされがちな睡眠の話です。

アスリートにとっては・・・というより、人間にとっては睡眠はかなり重大事。

 

実は、睡眠をとらないだけで人間は死に至ります。

睡眠とはそれくらい大切なものです。

睡眠についてよく言われていることとしては、

・睡眠中には「記憶の整理」が行われる

・睡眠中には体のダメージが回復される

・睡眠中には脳のダメージが回復される

・睡眠中には成長ホルモンが分泌される

・睡眠不足は脳と体の両方にかなりの悪影響を及ぼす

あたりでしょうか。

ですから、「フィジカルを本当に強化したいなら、その人にとって最適な時間だけ眠ることが必要である」と言えそうです。

せっかく体を思い通りに動かす能力を鍛えたとしても、頭がうまく回転してくれないのなら意味はありません。

 

さて、「睡眠時間の長さ」ですが、これは人によってかなり差があります。

先ほど紹介した武井壮さんは45分程度の睡眠時間でも元気に活動しておられます。

私自身はだいたい7時間30分~10時間ちょっとくらいで、日によって変わります。

 

どうやら「20分×2の深い睡眠」さえ取れればいいらしいのですが(武井さんは45分なので一応20*2は取っている)、

その深い睡眠にどれだけうまく入れるかは相当な個人差があるようです。

 

ですから、一概に「睡眠時間は八時間が理想らしい。よし自分も八時間にしよう」と決めたところで、あまり意味があるとは思えません。

あくまでも、大切なのは「自分にとっての最適な睡眠を実行すること」です。

 

ひとつの目安としては

・朝起きたとき、肉体的な疲労がとれた感覚があること

・朝起きたとき、精神的な疲労がとれた感覚があること

は最低条件なのかな、という感じがあります。

人によってはサプリメントとして、眠気を誘う体内物質である「メラトニン」を摂取してみるのもいいかもしれません。

 

睡眠というのはあまり目立ちませんが、フィジカルにかなりの影響を及ぼします。

毎日しっかりと睡眠をとれる人とそうでない人、長い年数が経ったときには確実に差がついているはずです。

「睡眠不足は最大限に体を使おうと努力したり、運動能力を発揮しようとしたりすることなど、一般的な運動能力には影響を及ぼさないかもしれない。

だが、自律神経系や免疫系、思考能力など、運動に直接関連するさまざまな機能を低下させると考えられる。

結果として、運動能力に悪影響を及ぼす可能性がある」

(一流アスリートは半日眠る 睡眠不足は運動能力を下げるのか より)

 

結局、自分のフィジカルを決定するのは「毎日やっていること」以外にはありません。

 

毎日睡眠不足な人、毎日適当に食事を済ませる人、毎日ボーッとして過ごす人。

逆に、毎日睡眠を最適な時間取って、毎日食事と栄養を充実させ、毎日24時間ずっと体を思い通りに動かす能力を高める努力をしている人。

 

「天才と呼ばれる人」と「凡才で終わる人」の差は、案外このあたりにあるのかもしれません。

 

まとめ:「フィジカル強化のためには『1-A~1-I』を日々の生活のなかで徹底的に実行しよう」

さて、とりあえず「フィジカル・動作・マインド」のうち「フィジカル」については語り尽くしました。

ここで、その1~その4までの内容を大ざっぱに振り返ってみましょう。

 

★「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――「フィジカル」のためにできること その1

1-A.「食事」
1-B.「サプリメント」
1-C.「ウェイトトレーニング」
1-D.「初動負荷トレーニング」

★「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――「フィジカル」のためにできること その2

・徹底解説 「フィジカルを鍛える意味」とは?

★「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――:「フィジカル」のためにできること その3

1-E.「ランニング&ダッシュ」
1-F.「自分の肉体を徹底的に解析する」

★「心技体」から『フィジカル・動作・マインド』へ――:「フィジカル」のためにできること その4

1-G.「肉体を進化させるために必要な知識を貪欲に吸収し続ける」

・自分の情報源となっているもの:書籍、インターネット、Twitter、生身の人間

1ーH.「生活すべてをスポーツ化する」
1-I. 「生活リズムを整えて、しっかり寝る」

もちろん、これは私個人が「これらをやるといいんじゃないか」と思ったものにすぎません。

絶対的な正解というわけではないので、あまり妄信しないようにしてください。

あくまでもこれは参考情報で、実際にこの通りやってみるか、それとも違う手段を選択するかは読者の方の判断にお任せします。

 

また、次の記事以降で触れることですが、

「フィジカルは動作と関係し」、「動作はマインドと関係し」、「フィジカルはマインドと関係」するものです。

 

つまりフィジカル・動作・マインドというのは三位一体です。

フィジカルだけを鍛えるのもそれはそれでアリだと思いますが、どうしても片手落ちの感は否めません。

 

フィジカルを鍛える、マインドを進化させる、動作を追及する。

新時代の野球選手は、この3つをバランスよくこなしていくことだろうと私は予想しています。

 - フィジカル, マインド, 動作, 野球