バッティングにもピッチングにも。「三関節直列」と「トリプルエクステンション」について自分が考えたこと その3

広告




目次

バッティングにもピッチングにも。「三関節直列」と「トリプルエクステンション」について自分が考えたこと その3

 バッティング・ピッチングと「三関節直列+トリプルエクステンション」との関係

前回までのおさらい

前々回の記事では「三関節直列」について、前回の記事では「トリプルエクステンション」について説明しました。

復習も兼ねて、振り返ってみましょう。

 

前回までのまとめ

・三関節直列の条件

1.股関節・膝関節・足関節が、それぞれ筋力を発揮しやすいような関節角度を保っている状態(=下半身のパワーポジションができている)

2.股関節・膝関節・足関節が、地面からの反力をもらいやすいような形で揃っている状態(=下半身の骨がきちんと並んでいる)

この1.と2.を満たせば三関節直列。というか、三関節直列とはこの2つの条件を満たした状態のことを指す

 

・トリプルエクステンションとは

「股関節・膝関節・足関節(下半身にある三つの関節)が、同時に&爆発的に、地面を押す力を発揮する(伸展する)こと」。うまく使えば、身体を爆発的に動かす原動力となる。

バッティングにも、ピッチングにも、スプリントにも応用できます。トリプルエクステンションができるのとできないのとでは雲泥の差です。

 

・三関節直列は、トリプルエクステンションのための最低限の下準備である

・ビッグスリーは熱心にやるのに、トリプルエクステンション系のパワー種目をやらない人が多すぎる

・トリプルエクステンションは「パワークリーン・スナッチ・ボックスジャンプ・垂直飛び・三段跳び・バウンディング」などで訓練できる

・訓練次第で誰でもできるようになるし、訓練すればどんどんうまくなる。

・「身体重心の位置と、トリプルエクステンションによって生じる地面反力の方向との関係を最適化する」ということも考える必要がある

・「軸足に加重(ただ体重を乗せるだけでなく地面をグッと押す)しておくことによって、伸張反射(タメ)を作り、トリプルエクステンションの出力を最大化させる」ことができる

 

いよいよ今回の記事からは、「三関節直列+トリプルエクステンション」と「打撃・投球メカニクス」の関連について、自分の考えを述べていきます。

 

メカニクスとの関連:「三関節直列+トリプルエクステンション」に習熟すれば球速・飛距離アップ!

基本的に、「野球のレベルが上がるほど球は速くなり、打球は飛ぶ」ようになります。

例外はあれど、基本的にはその傾向は揺るぎません。

高校野球よりも大学野球のほうが、飛距離・球速ともにレベルが一段上です。

大学野球よりも社会人、社会人よりもNPB、NPBよりもMLB…という感じで、「球が速くなり、打球が飛ぶ」ようになります。

 

また、あるレベルの野球のなかで注目されるのは基本的に「そのレベルの平均よりも球が速いピッチャー・飛ばすバッター」です。これは大学野球だろうが、社会人だろうが同じ。

つまり、「一つ上のカテゴリーでも通用するくらいには絶対的に球が速い・絶対的に飛ばせる」ことが最低条件なのです。

 

 

実は、「そのレベルでまとまっている選手」はそれほどスカウトの目には留まりません。

たとえば、甲子園で比較的勝ち進んでいる印象がある「常時130km/h中盤~後半で、コントロールがよく、まとまった投手」は、ほぼ間違いなくプロには進みません。多くは大学に進みます。

なぜなら、130中盤~後半という球速では、いくらコントロールが良くてもプロでは「遅すぎる」からです。大学で球速が大幅にアップすれば話は別ですが、そういう選手を高校卒業時に獲ることはまずありません。

 

もしも「まとまった選手」を獲りたいとしたら、「そのレベルよりも一段高いレベル(プロでも通用するレベル)で」まとまっている選手=140km/h台中盤~後半をコンスタントに投げ、コントロールが安定している投手を獲るでしょう。前者と後者との違いは、「10km/hの球速差」だけです。

もっと言えば、そもそも「常時120km/h台後半」というタイプの投手は、スカウトの目にすら留まりません。いくらコントロールがよくても、左投げであっても、マウンド度胸やクイックの技術などに優れていようとも。

 

極端な話をすると、もし自分が「180km/hのストレート・170km/hのスプリット・160km/hのスライダー・150km/hのカーブ」を投げられる投手だったら、どんなMLBの強打者だろうが手玉にとれるはずです。

しかし、「130km/hのストレート・120km/hのスプリット・110km/hのスライダー・100km/hのカーブ」しか持っていない人がMLBで通用するでしょうか?

極端な例ではありますが、「球速が上がるほど打ちづらくなる」のは当然なのです。

 

だからこそ、上のレベルに行くほど、絶対的な球速が必要条件になります。

球速や飛距離があるからって上のレベルで成功するわけではないのは確かなのですが、

それと同時に「ある程度の球速・飛距離<すら>ない人が上のレベル成功することはまずありません。

 

「絶対的な球速・飛距離」は、「前提」なのです。

そこを蔑ろにして「コントロールさえ良ければ…」とか「逆方向にちょこんと…」というルートに走ることは、野球選手としてより上のレベルに挑むことから逃げている…と私は考えます。

 

そして、

「三関節直列+トリプルエクステンション」という組み合わせが、その絶対的な球速と飛距離のアップに大きく貢献する…ということは案外浸透していないようです。

 

まずは「三関節直列+トリプルエクステンションとピッチングとの関係」から見ていきましょう。

 

「三関節直列+トリプルエクステンション」とピッチング

実は、もともと私が「三関節直列」という概念を知ったのは、日本ハムのトレーナーである中垣征一郎さん経由です。日本ハムファイターズではこの三関節直列という考え方が非常に大切にされている…とのことでした。

 

そこで、日本ハム出身の偉大な投手二人の動作を見てみましょう。

 

大谷選手の動画では

「軸足の三関節直列がいつからいつまで形成されているか?」

「トリプルエクステンションはいつ起きているか?」

「トリプルエクステンションを起こした後の軸足はどうなっているか?」

を見ていただきたいと思います。

 

【大谷選手の動画】

「軸足の三関節直列がいつからいつまで形成されているか?」→踏み出し足を上げきってから、踏み込み足が接地する直前まで

「トリプルエクステンションはいつ起きているか?」→0:15~0:17の間あたり

「トリプルエクステンションを起こした後の軸足はどうなっているか?」→内旋している

 

また、ダルビッシュ投手の動画も見てみましょう。

こちらではアングルを変えて、踏み込み足に注目します。

「踏み込み足の三関節直列はいつからいつまで発生しているか?」

「踏み込み足はいつトリプルエクステンションを起こしているか?」

「踏み出し足が三関節直列+トリプルエクステンションを起こすことによってどんなことが起きているか?」

を見ていただきたいと思います。

「踏み込み足の三関節直列はいつ発生しているか?」→前足が接地してから、ボールをリリースするあたりまで

「踏み込み足はいつトリプルエクステンションを起こしているか?」→前足が接地してから、ボールをリリースするまで

→要するに、踏み込み足が三関節直列+トリプルエクステンションを起こす理由は「地面反力を使って、並進運動してきた身体を受け止め、並進運動を回転運動へと転化するため」です。

「踏み出し足が三関節直列+トリプルエクステンションを起こすことによってどんなことが起きているか?」→打者方向に向かって並進運動(胸が三塁側を向いた状態での重心移動)を続けてきた身体が、踏み込み足の三関節直列+トリプルエクステンションにより生まれる地面反力によって、並進運動から回転運動へと切り替わった

 

 

 

 

他の投手についても基本的には同様です。

 

軸足:三関節直列状態がいつからいつまで続くかには個人差があるが、少なくとも「地面をグッと押すことによって身体全体を打者方向へと押し出す」瞬間には三関節直列状態になっている。

→軸足の三関節直列状態でのトリプルエクステンション→地面を押す→地面からの反作用の力を受けて、身体全体がグッと打者方向へと押し出される。トリプルエクステンションを終えると軸足は自然に内旋しながら地面を離れる。

 

 

踏み込み足:前足が接地するあたりではすでに三関節直列状態になっている。そこに「軸足のトリプルエクステンションによって打者方向に速度がつけられた、横向きの身体」が乗り込んでくる。踏み込み足のトリプルエクステンションによって並進運動は回転運動に転化される。つまり、踏み込み足のトリプルエクステンションによって骨盤+上半身が勢いよく回転する。

なお、踏み込み足の伸展は膝関節がメイン。これがいわゆる「膝のブロッキング」。股関節も一応伸展はするが、膝関節がメインとなってトリプルエクステンションを行う。そして踏み越し足「股関節」は、身体を受け止めるために内旋トルクを発揮する。

なお、「三関節直列+トリプルエクステンション」を使って並進運動→回転運動への転化を最大効率にまで高めるためには、「重心軌跡の最適化」や「重心と地面反力の作用線との関係を最適化すること」も必要です(しかもかなり重要)…が、それはまた次回以降の記事で触れることにします。

 

とにかく、今回の記事でお伝えしたかったことは

・より上のレベルでプレーしたいなら「絶対的な球速と飛距離」は最低条件である

・絶対的な球速と飛距離のためには、「三関節直列+トリプルエクステンション」が効く

・ピッチングにおいて「三関節直列+トリプルエクステンション」はどのような役割を果たしているか?

という三点です。

 

では、また明日。

好評発売中です!

ホームラン量産マニュアル日本の若者は常識洗脳されている音読でバカが天才になる

広告

スポンサーリンク
スポンサーリンク