さようなら「短く持って逆方向」。まずは「ホームランを打つ」ことから始めよう その3

   

さようなら「短く持って逆方向」。まずは「ホームランを打つ」ことから始めよう その3

少年よ、長打を狙え!

ホームランを打つ練習をするメリット集 続き

メリットその4:単純に、ホームランを打つことは「野球を楽しめるきっかけ」になる

「全打席ホームランを打つ」とか「満員の球場をどよめかせるような特大ホームランを打つ」とか「素晴らしい投手から場外ホームランを打つ」というのは、野球をやっている人なら誰でも一度はする妄想ではないだろうか。

 

ホームランを打った打者には、

「チームメイトやスタンドの歓声を浴びながら、ダイヤモンドをじっくりと一周する権利」

が与えられる。打った瞬間の気持ち良さも、球場のどよめきと歓声も、チームへの貢献度も、ホームランが一番大きい。「ホームラン」が野球の醍醐味の一つなのは、疑いようもない事実だろう。

 

これほど魅力的だから、ホームランには「中毒性」がある。

一度放り込んだら、また放り込みたくなる。

 

ホームランを打つことは「野球が楽しくなるきっかけ」になる。

ホームランを打って嬉しくない人なんていないはずだ。

単純な話で、ホームランを打つと、楽しいし、嬉しい。もっとその楽しさ・嬉しさを味わいたいから、もっとホームランを打てるように努力する。頭を使う。その繰り返しで、伸びていく。「野球が好きだ」と胸を張って言えるようになるだろう。

原理的に、ホームランが打てる打者は上のレベルでも通用しやすいというのも、見逃せない事実だ。

 

逆に、「チームプレー」のためにバントや右打ちやゴロ打ちばかり練習する・強制されることによって、果たして「野球を好きになる」ことはできるのだろうか。自分で進んでバント・右打ち・ゴロ打ちの練習をする人がどれくらいいるだろうか。それで本当の実力は伸びるのか? 上のレベルでもその「小技頼り」は通用するのか?

 

ホームランを打てて、なおかつ小技ができるならそれは最高だ。

しかし、最初から小技をアテにする・小技を強制されるようでは、その選手のスケールはずいぶん小さいものになってしまわないだろうか。

 

メリットその5:長打を狙うほうが、打率も出塁率も得点力も上がる

また、「小技ばかり頼りにして、長打が出ないチーム」は、実は長期的観点でみるとずいぶん損をしている。長打ほど得点効率の良い&守備側の嫌がる攻め方はないからだ。

 

もちろん実際の試合ではそう毎回毎回何本も長打が出るわけではないが、長打にはこんな効用もある。

 

普段から「長打を打つための訓練」を積んでいるチームは、単純に「スイングが速い」のだ。

スイングが速いほうがバッティングにおいては有利なのは、言うまでもない。スイングが速ければ力のある投手にも振り負けないし、差し込まれたり詰まったりすることも減る。

スイングが速ければそれだけ余裕が持てるから、ボールを見極める時間も長くなる。振りが鋭ければ相手投手にもプレッシャーがかかる。打球速度も上がり、飛距離も出る。投手だけでなく、相手守備陣にも精神的重圧をかけることができる。

つまり、「長打狙い」は、実はめぐりめぐって出塁率や安打率を上げる結果を呼び込む

 

もちろん、「長打狙いの荒っぽいバッティングをするチーム」も確かにある。しかし、それは「まず絶対的な飛距離を担保して、それから確実性や対応力を上げていく」という手順をきちんと踏んでいないからに過ぎないと思う。長打狙いという路線自体は悪くない。

そこに確実性をプラスしてやれば(たとえば、正面ティーの演習量確保や、置きティーをコース別に行う、マシンでバントして徹底的に目を慣らす、タイミングを外された時の対応を練習しておく、インハイやアウトローの対処法を特訓するなど)、「安定して長打や鋭い当たりを打ち続けるチーム」になるはずだ。

そうなればもう怖いものはない。

 

繰り返すが、守備側からして一番怖いのは「長打を安定して打ってくるチーム+そこに小技を絡めることができるチーム」なのである。巧みに小技が使えるチームであっても、そもそも塁上に走者がいなければ何も怖くない。

 

メリットその5;単純に「怖い打者」になれる。得点への貢献度も高い

当たり前だが、

「バッティングにおける最高の結果は、いつだってホームラン」

である。これは野球という競技のルール上、動かすことのできない事実だ。

 

実際、打撃指標の一つである「OPS」の満点は5.000(1.000を超えると一流と言われる)で、これは全打席ホームランでしか達成できない。ホームランを打てば、打者走者一人分+塁上にいる走者の数だけ、得点が即座に入る。

「攻撃側にとって最高」ということは、「守っている側からすると最悪」ということでもある。ホームランを打たれた瞬間、打者走者+塁上の走者分の失点が確定になるのだから。

 

ただ、ホームランとまではいかなくても、常にホームラン狙っている人からすると「ホームランの打ちそこない」である二塁打や三塁打もまた、投手・守備側に大ダメージを与える。

考えようによっては、

「ホームランはさらっと流せるし塁上の走者も消えるからいいけど、二塁打三塁打はランナーが残るし、ランナーが還ってくるし、守備の時間も長引くし、自動的に得点圏にランナーが置かれて精神的プレッシャーもかかるから、ある意味ホームランよりもたちが悪い」

とも言えるだろう。

 

…ということは、やはり「長打のある打者は、怖い」ということになる。

ホームランであれ三塁打であれ二塁打であれ、とにかく

「塁上の走者を還す能力が高い」

「守備側へのプレッシャーが大きい」

「得点効率が良い」

のだから、長打を打てるバッターは投手・守備側からすると「怖い」に決まっている。逆に、味方からすると頼もしいバッターである。

 

もちろん、

「一発はあるけど荒削りな打者」

も存在する。

しかし、そういう打者は「現時点でしっかり飛ばせるのだから、確実性・再現性を上げる努力」をすればいい。

 

ともかく、まずは絶対的な飛距離の確保

それから確実性や対応力・再現性を磨いていくことだ。

そうすれば、「安定して長打を打てる」という、守っている側からすると実に嫌な打者になれる。

 

メリットその6;人目を引く、目立てる。「あいつすげー」と思われる

高校通算本塁打数は、何かと取り沙汰される。

でも、「高校通算安打数・打率」はほとんど話題に上らない。

 

プロでも、春季キャンプで○○選手は50球のうち柵越え○本とかよく言う。

でも、「○○選手は30球バント練習して、25本成功させた」というニュースはまず流れない。

 

やっぱり、「長打」「ホームラン」を打てる人は、単純に「目立つ」のである。

 

チーム内でも、飛ばせると目立つ

デカい人が飛ばすと「おお、力のある選手だな」と思われるし、小さい人が飛ばすと「パンチ力があるな」と思われる。ニッチなところでいくと、よく「田淵ネット」とか「岩見ネット」という感じで「○○選手はここまで飛ばした!」という伝説が残っている。

Youtubeにも、「○○選手 ホームラン集」という動画がたくさん上がっている。その数は「○○選手 ヒット集」というタイトルの動画よりもはるかに多い。

 

単純な話だ。

ホームランは、ひたすら目立つ。

みんなに注目されたいなら、ホームランを打てばいい。

 

実は:イメージと真逆で、ホームランは意外と簡単に打てるし、飛距離は努力次第で必ず伸びる。

3個前の記事で

「飛距離は天性のものだなんて、嘘だ」

ということを書いた。

 

なぜそう言えるのかというと、

「飛距離が伸びない要因ははっきりしていて」、かつ

「飛距離が伸びない要因を一つ一つ取り除いていくための方法もはっきりしている」

からだ。

 

たとえば、置きロングティーの飛距離というのは以下のような条件をクリアしていけばどんどん伸びていく。

・打球角度を上げるだけで、飛距離がかなり伸びる。たいていの人は打ち出しの角度が低すぎる

・「打球が飛ぶスイングのコツ」がつかめると、グンと飛距離が伸びる

・メカニクスの改善点を一つクリアするごとに、「+○○cm」「+○m」と飛距離が伸びていく

・フィジカルのレベルが上がるごとに、「+○○cm」「+○m」と飛距離が伸びていく

・単純に「強く振る」ということに慣れるだけで、だいぶ飛距離が伸びる

・パワー養成トレーニングなどで「自分が持っている筋力を出し切る」ことを覚えると、さらに飛距離は伸びる

 

置きロングティーを多くの選手にやってもらっている経験から言わせてもらうと、短期間で30-40メートル飛距離が伸びることなんて「ザラ」である。初回は芝の切れ目までしか飛ばない選手が、一か月後には平気でスタンドに放り込めるようになる。実際にそういう例を見ているので、これは確かな話である。

 

たいていの人は、自分の飛距離に自分でリミッターをかけているし、飛ばない打ち方ばかりを教え込まれている(ダウンスイング・最短距離・コンパクト・リストを返す・ヘソの前でとらえる・軸足で粘る・前足の内転筋で回転を我慢する、など…)。本塁打を量産するメジャーリーガーたちはそんな打ち方をしていない。

 

まとめ

結局、

「良いスイングをしているから、長打が打てる」

のではなく、

「長打が打てるスイングこそが、良いスイングなのだ」

ということだ。

 

日本球界のさらなる発展のためにも、今後も大いに

「少年よ、長打を打て!」

と号令をかけていく所存であります。

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