2017/11月版(旧版&内容不完全)フィジカルモンスター養成マニュアル

      2018/05/06

2017/11月版(旧版&内容不完全)フィジカルモンスター養成マニュアル

 写真付いてなかったり、古すぎて情報が不正確なものがあります。。

 

このページに載っているのは2017/11版のもので情報が古いのと内容がけっこう浅いので本当は非公開にする予定だったものです。

最新のバージョンはこちら(執筆中)になります。

 

・小手先の技に頼るのは最後の最後にしよう。まずは実力差を埋めよう、正攻法で普通に勝てるようになろう。

 

→飛距離の差? フェンスを越えれば同じ。

→反応の速さの差? 反応の速さは、同じ人間なのだから限界値は変わらない。むしろそれ以外の要因が大きい

 

・「体格・基礎能力の高さ・体作り」は某○○○大が圧倒的にナンバーワンでなければならない。

→四年間あれば「圧倒的」になれる。大学一年終了時で大学生標準レベルに、大学二年修了時で全国レベルに、大学三年終了時で全国トップレベルに。

 

・相対的筋力低下について:身長の低い人はガッチリしたシルエットになる

 

・自分で自分の身体を診断&管理できるようになろう。そのために書いたマニュアルである

 

・「筋肉量&筋力」「パワー養成&実際の動作へのインストール」「重心感知&身体操作&センス養成系」

・フィジカル基準表と、レベルの高い野球選手の肉体画像(メジャー・NPB・大学トップチーム)

・2つの方向性:「ある程度のパワー + スピード&巧緻性重視」と、「最大限のパワー + ある程度のスピード&巧緻性」

 

・重心感知系トレーニング

・センス養成?

・自分で自分を測る

 

・最低限これはできるようになれという種目

・マッスルアップ、足上げ綱登り、伸肘倒立、倒立歩き、跳ね起き、逆上がり、ヒューマンフラッグ、

 

・もろもろの注意点;投手と野手の鍛え方の違い。上半身の収穫逓減。オーバーワークに注意。現実から目を背けるな

 

<目次>

p.1 そもそもの話:「フィジカル」を鍛える意味とは?

 

p.5 ウェイトトレーニングについての誤解を解く

p.7 トレーニング編:計画の立て方&トレーニング種目の選び方

p.15 フィジカル強化で「覚醒」した人々

p.26 食事基準

p.33 サプリメント

p.36 ランメニュー

p.38 初動負荷ストレッチ

p.44 身体測定表

そもそもの話:「フィジカル」とは?

 

まずは「フィジカル」という言葉の意味を確認しておこう。

 

フィジカルとは何か?

→語の意味としては「物理・肉体」といった意味合い。

 

具体的には、

 

フィジカル = 「どのような体格か(物理) x 後天的に鍛えた身体能力(パワー・筋力・スピード) x 後天的に鍛えた身体操作能力(精度)」という掛け算になる。

 

 この各要素について考えてみると、次のことが言える。

 

1. もともと持っている体格:ある程度までは変えることができる。

2.「後天的に鍛えた身体能力」は、①トレーニングの徹底 ②栄養・食事の充実 でどんどん向上させていくことができる。

3.「後天的に鍛えた身体操作能力」は、日々のトレーニング・毎日行うアップでどんどん向上させていくことができる。

 つまり、「フィジカル」というのは、日々のトレーニングしだいで良くなりもし、悪くなりもするものである。現在の野球界でこの「フィジカルの強さ」を重視している人は少ないように思えるが、実はそれは非常にもったいない話だ。

 

 たとえば、こんなケースを考えてみれば、フィジカルの大切さがわかるだろう。

 

 50メートルが「6’20」のヤツと、50メートルが「6’50」のヤツが、ランナー二塁から一本でホームに帰ってくるとする。同じスタート・同じベース回りの軌道・同じ当たりだとすると、6’20のヤツはキャッチャーのタッチをギリギリかいくぐってセーフ。でも6’50のヤツは0.3秒分遅れるから、距離でいうと約2メートル損することになる。 すると、6’20ならタッチをかわせるのに、6’50のヤツはキャッチャーが捕球した時点でまだバッターボックスの手前にいるからアウト。

 

 これで、フィジカルを鍛えているチームと鍛えてないチームとで一点分の差が付く。つまり、この一点のせいで4-3と勝ち越せるか、3-3のままになるかが決まる。この一点の差は技術の差でもなんでもなく、単にフィジカルの差である。

 走塁に関して言えば、この例と同じことが、すべてのタッチプレー、一塁駆け抜け、クロスプレー、先の塁をどれだけ奪えるか、などに言える。二塁からの本塁生還ができるかどうかだけでも一試合に2-3回あるだろう。タッチプレーやタッチプレーは一試合で複数回あるし、一塁駆け抜けはもっと多くの機会がある。敵の失策に乗じて、先の塁を奪おうとする機会も数回あるだろう。

 守備で言えば、「あの大飛球を捕れていれば」「あの本塁クロスプレーをアウトにすることができていれば」「あの内野安打をアウトにできていれば」「あのエラーがなければ」といった試合の趨勢を決するプレーの数々に、フィジカルは大きく影響している。

「あの大飛球」は、外野手の50m走タイムがあと0.2秒速ければ捕れていたかもしれない。

「あの本塁クロスプレー」は、外野手があともう少し俊足で、バックホームの球速があと5km/hだけ速かったらアウトにできていたかもしれない。

「あの内野安打」は、内野手の足がもう少しだけ速くて、肩がもう少しだけ強ければアウトにできていたかもしれない。

「あのエラー」は、普段からのSAQトレーニングでその野手のフットワークがもう少しだけ軽ければ、防げたかもしれない。

 

 打撃で言えば、「あの当たりが外野の頭を超えていれば」「あの当たりが内野の間を抜けていれば」「あのハーフスイングが止まっていれば」という試合の分かれ目となるプレーは、フィジカルにかなり左右される。

 また、バッティングというのは0.05秒反応が遅ければどん詰まりの内野ゴロになるし、逆に0.05秒早くバットを出すことができていれば会心の当たりになる。打撃動作や打撃技術を突き詰めていくことは当然として、バッティングにおいてはフィジカルがかなりのモノをいう。

 

 投手で言えば、「強くて柔らかい身体」を手に入れた人間と、「弱くて硬い身体」のままの人間とでは、平均球速がかなり違ってくる。

 まず、股関節ー体幹ー肩甲骨が硬いと原理的にうまくボールを投げることもできない。開きが早くなったり、膝が早くに折れてしまったり、投球動作を続けることが苦しくなったりする。こういう身体の持ち主は、投球のたびに肩・肘に大きな負担がかかるし、球速も上がらないし、コントロールも定まらない。

 逆に、身体さえ良い状態であれば、あとは投球動作をどう合理化していくかの勝負になる。優れた投球動作というのは力の伝達がスムーズだから、コントロールと球速をかなりの程度両立できる。

 つまり、「強くて柔らかい身体」というのはそもそも良い投手であるための必須条件。ここをおろそかにしてコントロールや球速を高めようとしても無理がある。

 

 以上のように、野球においては「フィジカル」というのは走塁・守備・打撃・投球すべてにかかわる一大事であることがわかるだろう。

 

 ……ということは、フィジカルを鍛えているチームはこれらすべての「走塁・守備・打撃・投球」の各機会でことごとく得をすることになる。逆に、フィジカルを鍛えていないチームはこれらすべての機会でことごとく損をすることになる。

 これは当然といえば当然だ。なぜなら、あらゆる野球のプレーというのはすべて「身体を使ってやる」ものなのだから。その身体が思い通りに動かせない・素早く力強く動かせないのであれば、そもそもプレーの精度向上など望むべくもない。「あと一本が出ない」「投手がここ一番で踏ん張れない」「ヒットエンドランや盗塁が決まらない」などと嘆く前に、フィジカルの強化をどの程度行っていたのか? を考えるべき。

 

 結局、「フィジカルがあともう少しだけ優れていれば得をできた」という機会が一試合の中で五回、十回と積み重なっていった結果、得点としては三点とか四点の差・失点としては二点とか三点の差になってくる。これが積もり積もると、フィジカルを鍛えていればあと三勝か四勝くらいできたはずなのに……という結果になる。それがさらに累積していくと、順位の差になっていく。

 

 一番怖ろしいのは、試合に負ける「本当の根本原因」はフィジカルにある(今挙げた例のようなものが積み重なって勝敗を決する)のに、表面上の原因だけを追及して「バッティング練習の意識が甘いから打てなかったんだ」「ピッチャーのコントロールが悪いから負けるんだ」「守備でエラーがたくさん出たから守備練習をたくさんしよう」といった技術的な要因だけを解消しようとすること。

 

 そもそも、「思い通りに力強く素早く動ける身体」ができていないのであれば、技術練習・実戦形式の練習をいくらやったとしても70%くらいは無駄になる。

 もともと身体が硬い・弱い人がいくら千本ノックを受けたところで、ザルのように抜けていく。なぜなら、動き自体の再現性が低いから。身体を動かすときの誤差が大きいのだから、たくさんノックを受けても大して成果が上がらない。

 

 一向に成果の出ない特訓で時間を浪費するくらいなら、身体そのものを先に変えてしまうべきだろう。

 思い通りに動ける身体を先に手に入れて、それから練習をするほうが、上達ははるかに早い。

 

「このチームは実力が足りない」「今年のチームは弱い」「今年の代は戦力が揃っていないから厳しい」「バッティングが弱い」「投手の能力が低い」……これらの悩みを解決するには、実はフィジカル強化こそが最短の突破口となる。

 

 つまり、

 

 選手の能力が低いのを解決するには?

→野球に適した「動ける身体=力強く、素早く、思い通りに動作を実現できる身体」を先に作ってしまえばよいのではないか?

 

という発想である。「選手の実力が足りない」「チームとして実力が足りない」のなら、実力そのものを上げればいいだけの話だ。そして、フィジカルは思ったより深いレベルで選手の実力を規定している。

 

 たとえば、単純に「もっと速い球をコンスタントに放れるようになりたい」「もっと遠くに飛ばしたい」「もっと肩を強くしたい」……つまり、「野球選手としてのスケールをアップさせたい」のなら、次の2つのアプローチがある。

 

1.肉体を進化させていくこと

2.動作を進化させていくこと

 

 つまり、「肉体を進化させる」のと同時並行で「動作自体をどんどん進化させて」いけばよい。この2つは車の両輪のようなもので、肉体を鍛えて「柔らかく・強く・大きく・素早く」動けるようにすれば、良い動作もしやすくなる。良い動作ができれば、身体への負担も少ないし、良い動作をしていれば必要な箇所に筋肉が付くようになる。正のスパイラルがどんどん回るようになって、加速度的に上手くなれる。

 

 具体的な話をすると、「肉体を進化させていく」とは以下のようなことを指す。

 たとえば、「股関節ー体幹ー肩甲骨」の柔軟性を獲得する。食事とサプリメントで身体に栄養を行き渡らせる。効率の良いトレーニングで、必要な個所の筋力・筋量を向上させる。ランメニューを継続することによって下半身の操作精度・重心の操作力を上げる。自分の体について徹底的に把握し分析する……など。

 

 また、「動作を進化させる」の例を挙げるなら、次のようなものになるだろう。

 自分がどういう動作をしているのかを映像で確認する。良い動きをしているプロ野球選手などの連続写真を徹底的に集めて分析する。自分が見本としている選手の映像を観ながら「どういう感覚で動作しているんだろう」と予測してみる。自分の感覚や意識を徹底的に文章化して記録する。良い動作を身に付けるためのドリルを繰り返す。スポーツ科学や動作理論について勉強する。見る目のある指導者の人に助言を仰ぐ。自分の動作メカニクスについて徹底的に考え抜く……など。

 ここまでやって初めて「上手くなるために努力をしている」と言えるのだと思う。

 逆に言うと、これまでこういうことをしてこなかった人は、これからいくらでも上手くなれるチャンスがあるということだ。

 さらにいえば、チーム単位でこういう取り組みを奨励してやれば、予想もできなかったほど上達できる可能性がある。それこそ、今までは圧倒的な力の差を感じていた相手に対していつの間にか「あれ?あいつらって大したことないじゃん」と思えるくらいに実力が伸びる可能性が出てくる。

 

 なお、他大の選手を指して「あいつらはセンスでやっている」と言う人がいるが、それは違う。むしろ某○○○大の方がセンスだけで野球をやっている。

 なぜなら、これまで某○○○大は「フィジカル向上のための日々の努力」をチーム全体としてはほとんどやってこなかったからだ。フィジカルが向上しないのだから、個々の選手がもともと持っているセンスに頼るしかない。

 

 

 最後に先ほどの例に戻るが、「6’50を6’20にまで上げる」「7秒台の人間が6秒台前半に突入する」のは不可能なのか? 「自分は生まれつき足が遅いから無理」なのか?

 

 ……そんなことはない。筋力トレーニング・ランメニュー・栄養の充実を積み重ねていけばかならずその0.3秒は縮まるし、今7秒台であってもかならず6秒台前半に突入できる。

 走力の例で言えば、タイムが縮まらないというのは単に下半身の筋力不足か、ランメニューをきっちりやっていないか、栄養が足りていないからだ。鍛えて、走って、栄養を摂っていけば走力は一定のレベルまでかならず向上する。フィジカル向上のための努力を積み重ねていけば、0.5秒とか1.0秒とかは平気で伸びる。

 

 チームとして、あるいは個人として毎日フィジカル向上のための努力(しかも現在では、その努力の方向性まで結論が出ている!)を続けていけば、走塁・守備・打撃・投球、あらゆる面にわたって良い影響が出る。

 

 フィジカルは、やればかならず伸びる。

 そして、伸びれば伸びるほど、勝てる確率は高まっていく。

 

 なら、やらない手はない。

 

「フィジカル○カ条」

1.フィジカルは鍛えればかならず向上する

2.フィジカル強化は「食事4:トレーニング3:休養3」くらいの意識で

3.「フィジカル」と「動作・メカニクス」はセットで考える。「フィジカル」が強くても、「動作・メカニクス」が滅茶苦茶だとまずい。「動作・メカニクス」がある程度煮詰まってきたら、あとは「フィジカル」の強さで決まる。基本的に両者はワンセット。

5.一度壊れた箇所は、二度と完全に元通りにはならない。

 

ウェイトトレーニングについての誤解を解く

 

・筋トレすると体が重くなる・動きが鈍くなる?

単にやり方がおかしいだけのことが多い。

 筋トレだけしてランメニューをしなければ、足は遅くなるに決まっている。そもそも、ウェイトをしていようがしていなかろうが、ランメニューをこなさないという時点で足が遅くなっていくのは当然。

 実際は、ウェイトをすればむしろ足は速くなる。阪神金本の例でいえば、一番足が速かったのは一番体重が重かったとき。

 筋力トレーニングで足が遅くなるというなら、ガンガンウェイトをやっている道都や東海はもっと足が遅くて動けないのではないか。プロ野球選手はもっと鈍足揃いなのではないか。また、100m走のファイナリストたちが筋肉ムキムキである事実はどう説明するのか。

 

 結局、足が遅くなるのは ①やり方がおかしい ②走ってない のどっちかであることが多い。きちんとトレーニングできてればかならず速くなる。筋力が上がるんだから速くなって当然。

 

・筋トレすると硬い筋肉がついて体が硬くなる?

→「やり方がおかしい」と硬くなるのは確か。具体的には、スロトレばかりずっとやるとか、筋肥大しかやらないとか、そういうやり方をずっと続けると確かにおかしくなる。

→でも、実際はそんな不合理なやり方はしない。

 この資料にも書いてある通り「ポジティブ動作=持ち上げる動作は爆発的に行う」のはもはや常識的で、そのようにやれば筋肉の反応はどんどん良くなっていく。また、初動負荷ストレッチで、特に「股関節ー体幹ー肩甲骨」の柔軟性を確保しておくことは十分可能。初動負荷ストレッチとウェイトを並行してやれば、「柔らかくてデカくて強い身体」は容易に手に入る。筋トレで失敗したという人は、そういう柔らかさを維持増進する努力を放棄してひたすら筋肥大とマックス重量アップだけを求めてきた例が多いように感じる。

 「ウェイト成功例」で紹介するように、きちんとやれば球速も上がるし、打球も速くなるし、足も速くなる。現在の日本できちんとしたウェイトトレーニングができる環境にいる人というのは思いのほか少ない

 

・筋トレと実際の動きは違うから筋トレは無駄?

筋トレの根本思想は「トレーニングで鍛えた体を競技に活かす」というもので、そもそも「鍛えた体をどう活かすか」も技術のうち。筋トレして強くなった身体を活かすために練習する。だから「筋トレみたいな動きは野球にない。だから無駄」というのはそもそも指摘としてズレている

 そもそも筋トレのやり方というのは「安全に体を鍛えられるように」考案されているものなので、実際の動きに負荷をそのままかけるような動き(たとえば野球の投球フォームで砲丸を投げるとか)をすると十中八九ケガをする。

 また、単純に考えて、筋トレ&そのための栄養補給のメリットとしては「全身の力を思いっきりスケールアップさせる良い機会である」「身体に栄養が行きわたる」というものが筆頭。つまり、単純に身体が強くなるのでプレーの質も変わる。

 

・人間には生まれ持ったバランスがある?

→人間には生まれ持った適応能力もある。高校時代から25kg近くアップした柳田は三冠王を獲っている。マー君は高校時代から30kg近く増えているが、メジャーリーグでバリバリ通用している。

 ダルビッシュは肉体改造で平均球速も上がり、メジャーリーグ屈指の好投手に成長。トミージョン手術を受けたので「ダルビッシュの肉体改造は失敗」と見る向きもあるが、そもそも腕をしならせるような投げ方で150km/hオーバーを放るような投手の肘には相当の負担がかかっていて当然。当然、筋トレをしていなかったらもっと低い成績になっていた可能性もある

 

・筋トレしても関節や腱は鍛えられない?(byイチロー)

→「関節」というのが具体的にどこを指しているのか不明。関節軟骨のことを指しているにしても、筋トレで筋力が充実するとむしろ関節軟骨は保護されることになる。

 また、トレーニングによって靭帯と腱は確実に強くなる。これは実験によって確かめられていることだが、まったく刺激がない状態では靭帯はどんどん弱くなる。トレーニングはその逆で、適度な負荷がかかることにより靭帯や腱も強化されていく。

 また、ビタミンCの積極的な摂取によって、靭帯の材料であるコラーゲンの合成が進むこともわかっている。

 総合的に言えば、「トレーニングは靭帯や腱そのものを強くする」と言ってしまってよいだろう。

 

・結論

→結局、ウェイト否定論者には「そもそもウェイトトレーニングを本格的にやったことがないのに印象だけで語っている」人、または「自分に適していない、間違ったトレーニングをやっていた(イチロー選手・清原選手はこれだろう)」という人が多い。

 そもそも、本当に「ウェイト=悪」なら、ウェイト成功例の人々はどうなるのか。金本、柳田、松田、井口、ダルビッシュ、田中マー君、梶谷、戸根、美馬、大谷翔平、筒香・・・NPBで成功した平成の選手たちはほとんどウェイトをやっているし、その効果を口々に語っている。

 また、ウェイトで動けなくなるというなら、MLBの「デカくて動ける人々」はどうなるのか。MLBでは「ウェイトトレーニングをしないと罰金」という規則を設けている球団すらある。

 スタントンはウェイトトレーニングをやって打てなくなったか? ジャッジはウェイトトレーニングで動けなくなったか? ハーパーはトレーニングをしてダメになったか? アルトゥーベはトレーニングのせいで鈍足になったか?

 キンブレルはトレーニングのせいで球の質が悪くなったか? チャップマンはトレーニングのせいで球が遅くなったか? 大谷翔平はトレーニングをしてケガが多くなったか? ダルビッシュはトレーニングをして球が遅くなったか? シャーザーはトレーニングのせいでケガが多くなったか?

 

 こうやって実際の例を並べてみると、「ウェイトトレーニングのせいで動けなくなる」「トレーニングをして身体が大きくなるとケガをする」というのは単なる印象論か、間違ったやり方(=極度な増量や、パワー養成を怠ったりすること、あるいは筋力バランスを考えずにトレーニングを行ったことなど)でトレーニングをしてしまった人が言っていることだ、というのがわかるだろう。

 

トレーニング編

★目次(結論だけ知りたい人は「ピリオ案その1」「ピリオ案その2」「2-A」「投手なら:2-B」「野手なら:2-C」を読むとよい)

 

1.最高の効果が出る! 「トレーニングピリオの組み方」

→トレーニングピリオ案その1:線形ピリオダイゼーション(一般的な方法)

→トレーニングピリオ案その2:非線形ピリオダイゼーション(マンデルブロ法)

→その他補足事項

 

2.投手向け・野手向け「トレーニング種目の選び方」「トレーニングスケジュールの組み方」

→2-A.分割方法とトレーニング日程の組み方

→2-B.投手向け

→2-C.野手向け

 

1.最高の効果が出る! トレーニングピリオの組み方

 

★ピリオ案その1とピリオ案その2の違い

 

 ピリオ案その1(線形ピリオダイゼーション):「マックス測定<任意>→筋肥大3.5週間→最大筋力2週間→マックス測定<任意>→回復期2週間(年末年始含む)→筋肥大4週間→最大筋力3週間→マックス測定<任意>→回復期2週間→春へ」

 

 ピリオ案その2(マンデルブロ法):「春までの間、ずっと『筋肥大→最大筋力→パワー・瞬発力養成』を回していく」

 

(全体練習が始まってからトレーニングを開始する人は、年明けから↑をやり始める)

 

 というもの。単純な効果でいえばその2が勝るが、その1でもかなりの成果は上がる。あとはどっちのほうが好みかというだけ。

 

★ピリオ例を見る前に、簡単に用語解説:

 

・レップス=1セット中の挙上回数。repetitions(反復)の略。RMとよく間違えられるが、レップスというのは単に反復回数を指す。つまり、スクワット10レップスなら10回やればよい。レップスの場合は10回の時点で限界を迎えなくてもOK。

 

・○○RM=RMとは、RepsMaxの略。つまり○○RMとは、「○○レップスやったらギリギリ限界になる重さでトレーニングする」という意味。フルスクワット10RMなら「フルスクワットを10レップスやったら限界を迎える重さでやる」という意味。

 

・マンデルブロ法=「筋肥大→最大筋力→瞬発力&パワー養成」を一回のトレーニングごとに切り替える方法のこと。つまり、「きょう胸を8-10RMで筋肥大させたら、次回は胸を3-5RMで最大筋力向上、その次は20-40RMでやる」といった感じ。

 山本義徳氏が考案し、筋肥大・筋力向上・競技力向上に高い効果があることが実証されている

 

★山本義徳氏の書籍・DVDは非常に役に立つし情報も正確。おすすめ。

★トレーニングピリオ案その1:線形ピリオダイゼーション

 

トレーニングピリオ案その1は、一般的なピリオダイゼーション。2-4週間周期で「筋肥大→最大筋力→回復期」を回していく。

 

→ピリオ案は2つあるが、どちらを採用してもよい。効果でいえば毎回負荷を変えるピリオ案その2が上回るが、その1でも成果は出る。自分の気性に合うものを。ピリオ案その1はけっこう計画的な人向け、その2は同じものの繰り返しがつまらない人向け。

 

<11/13前後に開始の場合>

期間 期分け 方法
11/13前後 ①MAX測定<任意> 任意。まずはスタート地点を把握したい人向け。種目は

①フルスクワット

②デッドリフト

③ベンチプレス

④順手での懸垂連続何回か

に加え、できれば

⑤パワークリーン

も。まだフォームがよくわからない種目についてはMAXを測らなくていい。

11/14前後-12/5前後 ②筋肥大(3週間) ・ウォーミングアップでは

①12-20レップス(だいたいMAXの40%の重さ)②4-6レップス(だいたいMAXの70%の重さ)

で筋肉に刺激を入れておいて、その後に、

③追い込む(完全につぶれるorつぶれてからパートナーに補助してもらってもう少し粘る)場合は「8-10RMで1-2セット」行う。

④追い込まずに行う場合は「8-10レップスで4セット」行う。

・「MAXの○○%」がわからないor計算が面倒くさいなら、「①12-20レップスをやってちょっときつくなる重さ ②4-6レップスをやってちょっときつくなる重さ」くらいの認識でもいい。

・初動負荷ストレッチも毎日2セット以上やってほしい(時間がない場合は『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)。初動負荷ストレッチはクールダウンにもなるので、やるならトレーニング後がおすすめ。トレーニング前でも別に支障はない。トレセンが激混みする場合はサ館の陸上部がストレッチしているあたりを使う手もあり

12/5前後-12/20 ③最大筋力(2週間) ・ウォーミングアップでは

①12-20レップス(だいたいMAXの40%の重さ)

②4-6レップス(だいたいMAXの70%の重さ) ③2-3レップス(MAXの85%程度)

で筋肉に刺激を入れておいて、その後に

④3-5RMで3-4セット行う

+トレーニング後に(べつにトレ前でも支障はない)初動負荷ストレッチ2セット以上(せめて『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)

12/16あたり ④MAX測定<任意> 1RM。一か月でどれだけ伸びたかを成果として実感する。かなり伸びてるはず
12/20前後-年末年始(休館前まで) ⑤回復期(2週間) ・回復期は、筋肉・神経系・関節の疲労を取り除くためにある。そのため、軽い重量を用いるようにする&マシンでのエクササイズを増やす。

15-20レップスで2-3セット。あまりにも軽すぎると筋肉が落ちてしまうので、15-20回やって「ちょっときついな」と感じるくらいの重量にする。

・軽めの重量を扱うので、ウォーミングアップなしでいきなりメインセットに入っていい。

・ウェイトの負担が軽くなる分、この時期はじっくり動作改善・技術向上に取り組める。

年末年始(休館時) ⑥回復期(2週間程度) ・帰省している間もランニング・ダッシュ・自重での筋力トレーニング程度はやっておいたほうがよい。

・たぶん家の中にいることが多いと思うので、紅白・ゆく年くる年を横目で見ながら初動負荷ストレッチやってください。正月休みはむしろ初動負荷ストレッチでじっくり身体をほぐせるチャンスだと思います

年始-2/5あたりまで ⑦筋肥大(4週間) ・「筋肥大→筋力アップ→回復」の二周目。基本的に一週目と同じ。

・ウォーミングアップでは

①12-20レップス(だいたいMAXの40%の重さ)②4-6レップス(だいたいMAXの70%の重さ)

で筋肉に刺激を入れておいて、その後に、

③追い込む(完全につぶれるorつぶれてからパートナーに補助してもらってもう少し粘る)場合は「8-10RMで1-2セット」行う。

④追い込まずに行う場合は「8-10レップスで4セット」行う。

・「MAXの○○%」がわからないor計算が面倒くさいなら、「①12-20レップスをやってちょっときつくなる重さ ②4-6レップスをやってちょっときつくなる重さ」くらいの認識でもいい。

・初動負荷ストレッチも毎日2セット以上やってほしい(時間がない場合は『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)。初動負荷ストレッチはクールダウンにもなるので、やるならトレーニング後がおすすめ

2/5-2/25前後 ⑧最大筋力(3週間) ・ウォーミングアップでは

①12-20レップス(だいたいMAXの40%の重さ)

②4-6レップス(だいたいMAXの70%の重さ) ③2-3レップス(MAXの85%程度)

で筋肉に刺激を入れておいて、その後に

④3-5RMで3-4セット行う(メインセット)。

・トレーニング後に(べつにトレ前でも支障はない)初動負荷ストレッチ2セット以上(せめて『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)。

2/25あたり ⑨MAX測定<任意> かなり伸びてるはず。ベンチ130、フルスクワット180、デッドリフト200kgを上げることができれば間違いなく全国トップクラス
2/26前後ー合宿直前 ⑩回復期(2週間) ・15-20RMで3-4セット。

・軽めの重量を扱うので、ウォーミングアップなしでいきなりメインセットに入っていい。

・合宿直前になってくるので、せめて走る量・動く量だけでも増やしたほうがいい。ラダーとか雪上ダッシュとか。でないと合宿でいきなり足を酷使することになる

3/13~合宿 ・技術練習・ランメニューが多くなりウェイトの機会が減る → 合宿中は ①よく食べる。特にタンパク質を多めに ②自重のプライオメトリクス(地面を思い切り押し返す腕立て・思いっ切り大ジャンプする とか) をすれば最低限維持はできる。
シーズン中 ・筋肉量の維持に努める。8-10RMを4セットくらいを継続するのがおすすめ

・夏あたりに一度鍛えなおすという手もある

 

★トレーニングピリオ案その2:非線形ピリオダイゼーション(マンデルブロ法)

→その1で紹介したものは「わりと長期で鍛え方を変えていく」というもの。

 

 それに対して、その2で紹介するマンデルブロ法は「短期間で鍛え方を変えていく」というもの。つまり、「今日胸の筋肥大をしたら、次回は胸の最大筋力、その次は胸のパワー・瞬発力養成」という感じで変えていく。べつに胸が筋肥大トレーニングをしているときに脚では最大筋力をやってもよい。

 「Phase1:筋肥大→Phase2:最大筋力→Phase3:パワー・瞬発力養成→Phase1に戻る→・・・」という形で、あえてまとまった回復期は設けない。

 

 参考までにマンデルブロ法の狙いを書いておくと、

「Phase1:筋肥大→筋肉に対して物理的&化学的刺激をまんべんなく与える」

「Phase2:最大筋力→筋肉に対して物理的刺激(=高い重量によるアクチン・ミオシンへの強烈な刺激)を与える」

「Phase3:パワー・瞬発力養成→筋肉に対して化学的刺激(=水素イオンを大量に発生させて筋肉を酸性に傾かせる)を与える」

というもの。

 つまり、各方法でそれぞれ筋肉に与える刺激の仕方が異なる。その1よりもその2のほうが筋肥大・筋力向上効果において優れているのは、この刺激の与え方が優れているから。筋肉は同じ刺激ばかり与えているとすぐに適応するが、刺激をどんどん変えてやるとものすごい勢いで発達する。

 

マンデルブロ法とはどのように行うトレーニングなのか?

・以下のPhase1-3を、各部位について繰り返す。つまり、胸をやるなら初回Phase1→2回目Phase2→3回目Phase3→4回目Phase1→…というふうに回していく。もちろん、胸をPhase1でやった次の日に脚をPhase3で鍛えたりしても構わない。

 

Phase1:筋肥大

・ウォーミングアップでは

①12-20レップス(だいたいMAXの40%の重さ)

②4-6レップス(だいたいMAXの70%の重さ)

で筋肉&神経系を温めておいて、その後に、

③追い込む(完全につぶれるorつぶれてからパートナーに補助してもらってもう少し粘る)場合は「8-10RMで1-2セット」行う。

④追い込まずに行う場合は「8-10レップスで4セット」行う。

・「MAXの○○%」がわからないor計算が面倒くさいなら、「①12-20レップスをやってちょっときつくなる重さ ②4-6レップスをやってちょっときつくなる重さ」くらいの認識でもいい。

初動負荷ストレッチも毎日2セット以上やってほしい(時間がない場合は『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)。初動負荷ストレッチはクールダウンにもなるので、やるならトレーニング後がおすすめ

 

Phase2:最大筋力

・ウォーミングアップでは

①12-20レップス(だいたいMAXの40%の重さ)

②4-6レップス(だいたいMAXの70%の重さ) ③2-3レップス(MAXの85%程度)

で筋肉に刺激を入れておいて、その後に

④3-5RMで3-4セット行う(メインセット)。

・トレーニング後に(べつにトレ前でも支障はない)初動負荷ストレッチ2セット以上(せめて『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)。

 

Phase3:パワー・瞬発力養成

・20-40RM。4セットで。

・軽めの重量を扱うので、ウォーミングアップなしでいきなりメインセットに入っていい。

・20-40RMといっても楽ではなく、途中で筋肉が焼け付くように痛む「バーンズ」(水素イオンの増加による)が起こる。バーンズに耐えられなくなったら数秒休んで、すぐに再開して目的のRM数までやり抜く。複数回バーンズがくるかもしれないので、そのたびに数秒休む。回数はリセットしなくてよい。

・トレーニング後に(べつにトレ前でも支障はない)初動負荷ストレッチ2セット以上(せめて『仰向けになって下半身をひねる三種目』だけでも)。

 

 というわけで、ピリオには二通りの組み方がある。

 もう一度だけ復習すると、

 

 ピリオ案その1(線形ピリオダイゼーション):「筋肥大3.5週間→最大筋力2週間→回復期2週間(年末年始含む)→筋肥大4週間→最大筋力3週間→回復期2週間→春を迎える」

 

 ピリオ案その2(マンデルブロ法):「春を迎えるまでの間、ずっと『筋肥大→最大筋力→パワー・瞬発力養成』を一回ごとに切り替えながら回していく」

 

 どちらかといえばその2のほうが高い効果を期待できるが、その1でもかなりの成果を挙げることはできる。

 

 

★その他補足事項

 

シーズン中:競技練習によって「パワー」は維持できる。問題は筋肉量の維持だけ。

→疲労の蓄積もあるから、激しいトレーニングよりは、やや軽めの重さで8-12RMを4セットずつくらいやっていくのがいい。あとは食事をしっかりすれば筋肉の減少は最小限に防げる。いずれにせよ、シーズン中というのはオフシーズンで得た筋肉の貯金がどれだけあるかによって左右される。

(ちなみに、ベンチプレスやスクワットなどをやや軽めの負荷で10回×3セットやってから試合に臨むプロ野球選手もいる。筋肉が目覚めてパワーを使える感覚があるのだとか)

 

・初動負荷ストレッチについて:ウェイトと初動負荷ストレッチを併用すれば、「股関節ー体幹ー肩甲骨」の柔らかさを保ちながら身体を仕上げていくことができる。

 初動負荷ストレッチをすると体が温まる&筋肉のポンプ作用によって筋肉への血流増加・酸素供給増加が活発になるので、アップにも使える。また、筋ポンプ作用を働かせることによって、疲労物質の貯留が解消されるので、初動負荷ストレッチはダウンとしても使える。 ついでにいえば、毎日やることによって股関節周辺筋群・体幹筋群・肩甲骨周辺筋群がよく動かせるようになるので、いわゆる「センスのいい人のような動き」ができるようになっていく。体つきもしだいに変わってくる。初動負荷ストレッチをずっと継続すると、身体の中心部=初動負荷ストレッチでほぐしている「股関節―体幹ー肩甲骨」のあたりがだんだん太くなってくる。要するにプロ野球選手みたいなかっこいい身体になる

 

・上記トレーニングメニューの例外:「腹筋」「前腕の筋肉」「ふくらはぎ」など。

→腹筋:持久力が高い。台や重りなどを使って30RM程度に調整する

→前腕:持久性が高い。40-50RMくらいにする。また、「手の平を上に向けて行うリストカール」は手首への負担が大きいので、立った状態でやや上体を前傾させて手の平を体のほうに向けて屈曲させる「スタンディングリストカール」のほうが望ましい。

→ふくらはぎ:持久力が高い。もし鍛えるなら20-30RM程度。

 

★なぜトレーニングが必要なのか? 昭和の選手に比べて現代の選手のパフォーマンスが全体的に上がったのはなぜか?

・力=質量×加速度

(重さ=質量×重力加速度 という式に似ている)

・パワー=力×速度

→この2つの式は科学的な決定事項らしい。で、これにプラスして「そもそもなぜトレーニングするのか」を考えると、

 

筋パワー=筋力×スピード(≒筋量×筋スピード。筋力は筋量<≒筋断面積>に比例するため)

 

という式が出てくる。

 つまり、トレーニングで筋量を増加させて(筋肥大・最大筋力養成)、そのうえでパワーに変換する(瞬発力養成)と、実際の打撃動作・投球動作でもパフォーマンスアップが見込める、というのがトレーニングを行う意味。

 昔の選手は走り込みや技術練習ばかりで筋量に乏しく、最大筋力も低かった。そのため実際の動作をする際の筋肉の出力も低かった。昔の選手のケガが少なかったといわれるのはおそらくこれも一因。そもそも力をあんまり出せないんだから関節や靭帯・筋肉への負担も現代の選手に比べて少ないに決まっている。

 

・「3-5RMでも8-12RMでも筋肥大効果は一緒&3-5RMのほうが筋力アップ効果も大きいのに、なぜわざわざ3-5RMと8-12RMに分けるのか?」という疑問への回答

筋肉への刺激を変えてやったほうが筋肥大・筋力向上が望めるため。ずっと同じ刺激の仕方をされているよりは、適宜刺激の方法を変えるほうが筋肉は発達する。「マンデルブロ法」では、中くらいの重量・中くらいのレップス→高重量・低レップス→低重量・高レップス、という感じで刺激を変えていく。

 また、「そもそも筋量がなければ、最大筋力はすぐに天井打ちになる」という点に注意! なぜなら、筋力は筋断面積に比例するから。まずは筋肉量を増やしてやらないことにはなにも始まらない。筋肥大がまず先で、増えた筋肉により強い力を出させてやるために最大筋力向上のメニューを行う。

 

・「トレーニングで鍛えた身体は不自然な筋肉がついている! 野球にベンチプレスのような動きはない! 筋肉があれば良いならボディビルダー体型が最強のはずだ! 野球の筋肉は野球の練習で!」みたいなことをいう人へ

→そもそも、トレーニングの根本目的というのは「トレーニングで身体の機能をアップさせ、その体で競技に臨んでハイパフォーマンスを発揮する」というところにある。つまり、トレーニングをする以上は、トレーニングと野球の動作というのはいったん切り離して考えるべき。「鍛えた身体をどう活かすか」というのも練習すべき対象であり、筋力アップをどう実際の動作に反映させるかというのも技術のうちです。そこを一緒くたにしてしまうと↑のような発想になる。「鍛えて能力を向上させた身体で野球をする」というのが本来のトレーニングのあり方。

 実際の野球の動きにそのまま負荷をかけるような真似をすると本当にケガをする。

 

★セット数の組み方などは「山本義徳業績集8」に詳しく書いてあります。

 

<その他、トレーニングの諸注意点>

・トレーニングをハードに行う場合は、各部位を中4 ~ 5 日程度で。(つまり背中をハードにやるなら背中は中4~5日空ける)

・あまりハードにやらない場合は、週2 回。

・週1 回の刺激では頻度が空き過ぎかもしれない。

・1エクササイズにつき、追い込んで行う場合はウォーミングアップ後のメインセットを1 ~ 2 セット、追い込まずに行う場合は4 セット前後を目安とする。

・ポジティブは爆発的に挙上すること(スクワットの立ち上がり・ベンチの挙上・デッドリフトの挙上などがポジティブ動作。スクワット下ろす・ベンチやデッドを下げるのがネガティブ)。この点は初動負荷と同じ。

・羽状筋は高重量・低回数に反応しやすい。

・低レップス(3 ~ 5 回)でも中レップス(8 ~ 12 回)でも筋肥大効果に大きな差はない。

・ただし筋力向上効果は低レップスのほうが有利。

・インターバルは肩や腕などの小さい筋肉では2 ~ 3 分、背中や脚などの大きい筋肉では4 ~ 5 分。

 

肉体改造で覚醒した人の例と、

トップレベルのフィジカルの強さ

 

・GG佐藤:法政大学時代に一夏で「80kg→95kg」へと一気に増量。それまでとは打って変わって、打球が法政大Gの「田淵ネット」を軽々と超えるようになり、チームメイトが唖然とした。その後110キロまで増量しメジャー挑戦。

→野手でバッティングを特に伸ばしたい場合、脂肪が増えるのを承知で体重を増やすという手もある。野手の場合は投手よりも積極的に増量してよい

 

・美馬:中央大学時代、ウエイトトレーニングのおかげで体重が15kg以上増加した。澤村を筋肉教へと引きずり込んだ張本人。茨城・藤代高時代には165センチ、体重58キロと小柄な体格で直球も最速130キロ台だったので、プロのスカウトから見向きもされない存在だった。その後大学でのウエートトレで肉体を改造、体重も15キロ以上増量した。その結果、最速153キロをマークしプロ入りを果たした。

→投げ方さえある程度理に適っていれば、あとは「下半身+体幹を地道に強化しつつ、ゆっくりとしたペースで増量」でかなり安全に球速を伸ばすことができる。投手の上半身トレについては、①最低限の胸郭の柔軟性 ②上半身全体の、最低限の筋力 ③ローテーターカフや肘を保護する筋肉を強化しておく

 

・澤村:高校時代はストレートは最速138キロだったが、徹底したウェイトトレーニングの結果四年時には157キロをマーク

 

・戸根:日本大学時代、73kg→93kgへと増量。増量のために一日8000kcalを摂っていた。それまでは何てことないピッチャーだったが、ストレートの球速が145km/hを超えるようになりドラフト指名を受ける

 

松田「鍛えると打球がよく飛びますし、強いボールを投げられる。そして、足も速くなりました。

 

鍛えて体重を上げたら足が遅くなる、と言う人が時々いますが、そんなことは絶対にない。鍛えて体重を増やしたことで、むしろスピードは上がりました。

 

それと同時に、試合でも結果が出るようになったことで『これでいいんだ』という確信を得られました。

 

強い打球を飛ばせるようになったことを実感できたのが、プロ3年目。その年に初めて2桁ホームランを打てました。

 

そして、ウエイトトレーニングで身体を鍛えながら試合で結果を出す、という今の生活サイクルを確立できました。

 

プロ野球で大事なのは、技術よりもコンディショニング。正しいことをすれば、ちゃんと結果は出る。

 

そう思いながらやっていたし鍛えたことは裏切りませんでした。」

 

柳田「ご飯をしっかり食べて、ウエイトトレーニングをして、プロテインをしっかり摂る。その大切さがよくわかりました。

 

高校3年の半年間で12kg体重が増え、大学に入った時は80kg。

体脂肪率は変わらず、筋肉をたくさん増やすことができました。

パワーがついたら、すべてが変わりました。

打球は飛ぶし肩も強くなったし、足も速くなった。大学に入ってからは木製バットで打ち始めましたが、金属バットよりも打球が飛ぶんです。『もともと金属バットよりも木製バットの方が打球が飛ぶんちゃうかな? と思ったぐらいです(笑)』」

 

金本「カープに入団した1、2年目は完全なパワー不足で、プロの投手の球威に負けて打ち返せなかった。そのため肉体改造が必要だと感じて、トレーニングジムでメニューを作ってもらいました。そしてシーズン中もオフもトレーニングは欠かさなかった。そうしないとプロの世界では生きていけないと悟ったからです。その「恐怖心」からトレーニングを続けていきました。

 

 目的は上半身と下半身のバランスが良くなり、かつパワーが発揮できて、40歳になっても動ける体作り。体脂肪をできるだけ最小にキープし、筋肉だけで体重を増やすことを目指しました。その結果、体脂肪が変わらないまま10キロ体重が増加。33歳の時の体重が一番重かったが、一番速く走ることができた。

 

 学生時代にも筋トレをしましたが、我流だったので上半身だけ。プロになってからは上半身だけでなく、スクワットで下半身を重点的に鍛えました。

 

 野球の筋肉はグラウンドで、という考えも間違いではないと思います。もちろんダッシュやランニングもやりました。それでつく速筋や遅筋(※註釈)をバランスよく、野球で使える筋肉にするために筋トレをする。これによって選手生命も延びたと確信しています。

 

 僕は明らかに筋力不足だったので筋トレを始めましたが、筋力を鍛えて硬くなるということはないし、全身を使う野球に不要な筋肉はないと思っています。高校生のレベルが上がったのも筋トレの影響ではないでしょうか」

 

★ウェイトをやると、「もともとある程度動作のきれいな人」がいちばん覚醒しやすい。澤村とか戸根とか美馬はそのタイプ。いずれも大学入学時には140km/h未満だった。

 

★冬にじっくり取り組めるのは「肉体を思いっ切り進化させて」「動作を思いっ切り改善する」という二つ。極端な話、肉体を思いっきり変えてしまえば、単純に出力と出力が増えるので球速アップ&打球飛距離・打球速度アップに直結する。これにプラスして自分の動作をひとつひとつ丁寧に見直していけばかなりの成果が期待できる

 

★初動負荷ストレッチで「股関節ー体幹ー肩甲骨周り」を柔軟にしておいて、冬はウェイトで筋力強化するのが一番いいと思う。どうせ初動負荷ストレッチとランメニューはそのうち全体でやることになると思うし・・・

トレーニングや食事・栄養分野というのは「情報を仕入れて、その通りに忠実にやっていく」だけなので、情報の早い人こそが一番デカくてしかるべき。生まれ持った体格の差なんて微々たるもので、本当に体格を決定しているのは長期間にわたるトレーニング・食事・栄養の差。身体というのは正直だから、きちんとトレーニングして適切に栄養を補充していけばどんどんデカく強くなる

 

2.投手向け・野手向けトレーニング種目の選び方

2-A.分割方法とトレーニング日程の組み方

 

★野手・投手で目指すべきところは多少違う

・投手が目指す体

→「下半身・体幹を中心に鍛え上げる」「上半身はそこまで太い必要はないが、一定のトレーニングは必要」「体幹ー股関節ー肩甲骨まわりの柔軟性は絶対にキープしておく必要がある」

 

・野手が目指す体

→「下半身・体幹・上半身・腕、全身もれなくゴツいほうがよい」「全身がガンガン大きくなっても大丈夫。バットを扱う以上は腕の筋肉も必要」「股関節ー体幹ー肩甲骨まわりの柔軟性はやっぱりある程度必要」

写真で比べてみると、野手と投手の身体つきはかなり異なることがわかる。野手のほうが明らかに上半身がゴツいが、下半身については投手のほうが太いことが多い

 

★分割方法について

→野球選手の場合は「三分割」「四分割」のどれかが望ましいと思われる。

 

→一日あたりのウェイトトレーニング時間は最高でも60分程度にとどめておきたい。というのも、75分以上を超える長時間のウェイトトレーニングになってくると、筋肉分解作用のあるコルチゾールが増加し、テストステロンのレベルも下がってくるから。トレーニング効果を最大にしたいのであれば60分以下でさっさとトレーニングを切り上げるのがベター

 

→となると、一日のセット数は合計で15セットくらいが限度になる。1セットあたりインターバル含めて約4-5分程度。もちろん、下半身などを激しく追い込む場合はインターバルも長くなるのでセット数はどんどん減ってくることになる

→技術練習との兼ね合いやランメニュー等との兼ね合いも考えると、3-4分割がベストだと思う。二分割だと一日のトレーニング量が増えてかなり苦しい。

 

★具体的な分割方法

・三分割ver

→プラン1:①胸・上腕二頭筋・腹 ②背中・上腕三頭筋 ③脚・肩

プラン2:①胸・背中 ②肩・腕 ③脚・腹(拮抗筋同士で組み合わせる)

 

→三分割の場合、各部位を中4-5日でかわるがわる鍛えることができるようにローテーションしていく。具体的には、「①→②→休み→③→休み→①→・・・」とか、「①→休み→②→休み→③→休み→①→・・・」という感じ。

 

・四分割ver

→おすすめ:①胸・上腕二頭筋 ②脚 ③肩・上腕三頭筋 ④背中・腹

 

→四分割の場合、各部位を中5日でかわるがわる鍛えるようにする。つまり、「①→②→休み→③→④→休み→①→・・・」という感じ。もちろんこの分割方法は筋肥大期でも最大筋力アップ期でも同様に使える

 

2-B.投手向けのトレーニングメニュー

※★マークは特におすすめもの

 

・下半身

→★フルスクワット、★デッドリフト、★ステップアップ、ヒップスラスト、ブルガリアンスクワット、★ランジ、サイドランジ、ヒップスラスト、スプリットジャンプ、レッグプレス

 

・体幹

→レッグレイズ、腹筋台を使ったシットアップ、ツイスティングシットアップ、サイドベンド(バーを使用)、ロシアンツイスト(足を曲げて座り、メディシンボールを身体の左右に交互に置く)

 

・上半身

→<胸・上腕三頭筋>★ディップス、★プルオーバー、★トライセプスエクステンション、ベンチプレス(軽めの負荷)orプッシュアップバーを使ったプッシュアップ、

<背中>★順手懸垂、順手ラットプルダウン、ベントオーバーロウイング

<腕>スタンディングリストカール、★リバースアームカール、

<肩>ミリタリープレス、ライズサーキット、逆立ちで腕立て

 

・柔軟性向上のための種目

→ライイング・アウター・エクササイズ、ダンベルチェストプレス、インクライン・ダンベル・プレス、インクライン・ベントアーム・エクササイズ:いずれも初動負荷形態で行う(知らない人は栗山まで)

 

・初動負荷ストレッチ(毎日2セットはやってほしい。最低でもウィングストレッチ三種類(仰向けで足をクロスさせる)はやってほしい)

 

・身体をうまく連動させる種目

→ハイクリーン、逆立ち、スナッチ

 

2-C.野手向け

・下半身

→★デッドリフト、★フルスクワット、ヒップスラスト、サイドサンジ、レッグプレス

 

・体幹

→レッグレイズ、腹筋台を使ったシットアップ、ツイスティングシットアップ、普通のサイドベンド、ロシアンツイスト(足を曲げて座り、メディシンボールを身体の左右に交互に置く)

 

・上半身

→<胸・上腕三頭筋>★ベンチプレス、ナローベンチプレス、★ディップス、ダンベルチェストプレス、★トライセプスエクステンション

<腕>★リバースアームカール、バーベルアームカール、ハンマーカール、スタンディングリストカール、

<背筋>★逆手懸垂、順手懸垂、逆手のラットプルダウン、順手のラットプルダウン、ロープーリーロウ、ワンハンドロウイング、ベントオーバーロウイング、ショルダーシュラッグ、アップライトロウイング

<肩>ミリタリープレス、ライズサーキット、逆立ちで腕立て

 

・柔軟性向上のための種目

→ライイング・アウター・エクササイズ、初動負荷形態のダンベルチェストプレス、初動負荷形態のインクライン・ダンベル・プレス、バーを使ったサイドベンド(バーに腕を巻き付けて左右に倒す)

 

・初動負荷ストレッチ(毎日2セットはやってほしい。最低でもウィングストレッチ三種類(仰向けで足をクロスさせる)はやってほしい)

 

・身体をうまく連動させるための種目

→ハイクリーン、バーベルプッシュプレス、スナッチ

 

★具体的なフォーム・やり方については、Googleで種目名を入れて調べればすぐに出てくるのでそちらを参照。Youtubeにも↑で上げたような種目のお手本動画はいくらでも上がっています

 

参考資料

・山本義徳「野球筋肉」(DVD)

・山本義徳「山本義徳業績集8 筋肥大・筋力向上のプログラミング」

・石井直方「石井直方の筋肉まるわかり大事典」

・小山啓太「野球選手のためのTHE肉体改造」

・小山裕史「初動負荷理論による野球トレーニング革命」

食事・栄養

 

・「これだけ摂っていれば大丈夫。どんどん力強く素早く動ける身体に変わっていく」という食事の基準をはっきり示しておくことを重視した。


・いちおう、説明を①と②に分けた。

・①は「細かい理屈や計算はいいから具体的にどのくらい何を摂ればいいのか知りたい人」向け。②は「しっかりと納得した上でやりたい」という人向け。

 

●前提1:「なぜ、食事を重視すべきなのか?」

 

⓪身体は素直 → 身体は、鍛えれば鍛えるほど強くなるし、食べれば食べるほど大きくなる。「食事・トレーニング・適度な休養」でかなり強化できるし、結果が確実に出る。やればやるだけ強く・大きくなるのが身体。

 

①肉体の強化

・球速向上・飛距離向上・走力アップ・打球速度向上・スイングスピードアップなど。食事を充実させればさせるほど野球のパフォーマンスは上がる。栄養が十分に取れていれば筋肉は増えていくし、身体もどんどん動きやすくなる

・「あれが捕れていれば」が、捕れるようになる。「あれが外野の頭を超していれば」が超えるようになる。「あと一歩でセーフだったのに」がセーフになる。

・「こっちのほうが体が大きい」というだけで心理的に優位に立てる。

 

②メンタルの強化

・食事はメンタルにかなり影響することがわかっている。実際、うつ病の人にマルチビタミン・ミネラルや亜鉛・プロテインを飲んでもらうとかなり症状が改善する

・心の好不調の波が消える。心にゆとりが生まれる。 → もてる

・「疲れ」がかなり軽減される。しっかり食べていると疲れにくい → エネルギッシュになる

 

③頭脳の強化

・食事から栄養をきちんと摂れると、集中力が上がる → 勉強のほうにもいい影響が出る

・頭の回転も速くなる。たとえば、マルチビタミン・ミネラルや亜鉛を継続摂取した子供の知能指数は、そうでない子どもに比べて有意に高い

 

→食事はアスリートにとっての生命線。「あなたのプレーヤーとしての限界を決めているのはあなたの身体である。あなたの身体は、あなたの食べたものからできている」ということ

 

→食事をしっかりすれば、メンタルが変わり、肉体が変わり、頭脳も冴えわたる。かなりのメリットがある

①細かい計算はいらないからとにかく身体を強くしたい人向け

 

  • 増量期・強化トレーニング期の野球選手の場合・・・

・一日の総カロリーは4000-5000kcal /日。

 

・炭水化物:体重や運動量によって差があるが、だいたい500-800g/日摂れば十分。

→白米なら4-6合くらい。一合=ほぼ丼一杯分なので、一日にどんぶり4~6杯くらいが目安 。なお炭水化物は小分けにしたほうが(血糖値が上がらないので)脂肪蓄積しにくい。なので炭水化物は一日4~5回くらいに分けて摂るとよい。間食とかを有効利用すべし。

 

タンパク質:体重×2.2g/日 以上。プロテインの付属スプーン一杯分でタンパク質20-25g程度 。おすすめはマイプロテイン。国内産ならバルクスポーツかビーレジェンド。

 

・サプリメント:

①マルチビタミンミネラル:OPTI-MENなら一日三錠以上。

②ビタミンC(粉末or錠剤)を一日5~10g程度。

③亜鉛を一日30-50mg程度 。

これらは「人間の身体に必要な栄養素を十分に身体に補給する」という意味が強い

 

トレーニングの効果を高めるサプリメント:お金が許す限り飲む。ただし、↑のサプリメントを優先すること。クレアチン、BCAA、グルタミン、マルトデキストリン、ZMA、CoQ10、など。「トレーニング サプリメント」などでググればすぐに出てくる。

 

<参考:サプリメント摂取のモデルケース。あくまでも一例に過ぎない>

★朝:起き抜けに20g程度のプロテインを飲む。

 

★トレーニング前

・・・60分前にプロテインを30g摂取(トレーニング中のアミノ酸取り込み用)

→トレーニング前一時間のあいだには、炭水化物を摂らないほうがよい。トレ時に血糖値が下がりすぎるため

 

★トレーニング中に飲むドリンク

・容器はプロテインシェイカーを使用

・粉飴80g

・プロテイン40g

・水 できるだけ

・氷 お好みで

・クレアチン5-10g

→BCAAなどを追加してもよい。これをトレーニング中に飲み切る

 

★夜

・オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)

 

そもそも↑のようなワークアウトドリンクをガッツリ飲んでいるのでトレーニング後は食欲がない

 

★マルチビタミン・ミネラル(OPTI-MEN)、ビタミンC粉末も摂取している

 

★プロテインとの兼ね合いを考えると、「卵5個(タンパク質30-40g程度)、鳥胸肉を一日250-300g(→タンパク質50g程度)」摂るくらいでちょうどいい量のタンパク質が摂れる。

 

★以上のような食生活をしておくと、85kgの体重×2倍程度→85kg×2=170g程度のタンパク質を摂ることができる。

→大学入学時には「細身で70kg」だった体重が、卒業時に「全国屈指の筋肉を誇る90kg」となるかも?

 

★摂るべきものさえとっていれば、あとは自分の好きなものを食べても大丈夫。

マイナスになるのはよくないけど、プラスになるぶんには一向にかまわない

 

★「ここを超えると一気に効果が感じられる」というラインのことを、「閾値」と呼ぶ。個々人には「遺伝的な体質の差」というものがあるから、閾値の高さも違ってくる。

「いくら食べても太らない」という人は、閾値が高いのかもしれない。つまり、ほかの人よりもたくさん食べないと太らないということだ。これは逆に言うと、「ひたすら食べまくっていれば、いつかは閾値に達して、急に太りはじめる」というポイントがかならずある、ということでもある。

 だから、いくら食べても太らないという人は「とにかくドカ食いしてみる」「マルチビタミンを一日5-6錠くらい飲み続けてみる」「一日6000-8000kcalくらい摂ってみる」といった、「閾値を超えるための取り組み」を一度やってみるとよい。原理的に考えて、「いくら食べても太らない」というのは、それこそ内臓に異常でもない限り、ありえないことなのだ。

 

★サプリメントの摂取方法

・マルチビタミン・ミネラル:食後に1粒ずつ。一日3錠摂れば十分(OPTI-MENの場合)

・ビタミンC:食後に2g程度を、水(200ml~300ml)などに溶かして飲む。一日6~10g程度。空腹時にたくさん摂ると胃がムカムカするので注意。ビタミンC粉末はけっこう酸が強い

・亜鉛:一日一粒(NOW FOODsの亜鉛50mgの場合)、食後に。たくさん飲み過ぎないこと。200mg以上になると過剰摂取の症状が出るかも

 

  • これでわかる 具体的な食事メニュー例(瞬発系アスリート・増量&強化トレーニング期)

 

★あくまでも単なる「例」である。実際はもう少しルーズでもいい

 

★70kgの人の場合 食べるもの
朝、起き抜け プロテイン20g
朝食 ・ご飯 どんぶりめし一杯分

・卵2個使った目玉焼き

・肉一品

・(あれば)野菜とか味噌汁とか

・OPTI-MEN1粒、ビタミンC2g、亜鉛1粒

 

昼ご飯 ・野菜150-200g程度

・たまご1個(煮卵・半熟卵など)

・タッパーに詰めた白米一合(=どんぶりめし一杯分)

・チキン(もも)一枚

・OPTI-MEN1粒、ビタミンC2g(コップとかに水入れて溶かして飲むorペットボトルにビタミンCをあらかじめ溶かして持っていくor錠剤タイプのビタミンCを二粒持っていく)

トレーニング一時間前 プロテイン40g
トレーニング中 ワークアウトドリンク・・・・容器は2Lペットボトルを使用

・粉飴80-100g

・プロテイン40g

・水1.5L

・クレアチン5-10g(ない人はなくてもよい)

→これをトレーニング中に飲み切る

間食(いつでも可。ただしトレーニング前の一時間には摂らないこと!) おにぎり2個

 

夕食 ・どんぶりめし一杯分のたまごかけご飯(たまご2個使用)

・肉or魚一品

・野菜(野菜ジュース可)

・OPTI-MEN1粒、ビタミンC2g

寝る前 プロテイン20g

※野菜はできる限り積極的に摂ること。ビタミンやミネラルの量自体はサプリメントを摂っていれば不足しないが、肉と炭水化物とサプリだけ食べて野菜を食べない生活だと腸内環境に良くない。腸内環境はけっこうメンタルに影響する

 

②細かい計算まで見てみたいという人向け

・まずは、ざっくりとカロリー計算から

A.「瞬発系アスリート」が「シーズン中」に摂るべきとされるカロリー量
:61~70kg→3,200~3,600 kcal
71~80kg→3,600~4,000 kcal
81~90kg→4,000~4,400kcal

B.「瞬発系アスリート」が「増量期・トレーニング期」に摂るべきカロリー量
:「シーズン中」よりも500~1000kcal/日多く摂るべき! とのこと
61-70kg→3700-4100kcal
71~80kg→4100~4500kcal
81-90kg→4500-4900kcal

・これからは「増量期・トレーニング期」になるから、Bのほうになる。

・で、「瞬発系アスリートのためのPFCバランス」というのがある。
PFCバランスとは、「Protein=タンパク質・Fat=脂質・Carbo=炭水化物」のこと。
野球選手にとって最適なPFCバランスというのは、カロリー比で、「たんぱく質20% 脂質20% 糖質60%」が良いとされている(15:15:70が望ましいという人もいる)。

・したがって、PFCパランスからいうと先ほどの「増量期の、各栄養素ごとの必要量」は、こうなる↓
(栗山作成)


自分の体重がどのカテゴリーに入るのか確かめてみてほしい。「増量期・トレーニング期にタンパク質・炭水化物をどれくらい摂ればいいか」がはっきり書いてある。

 

で、その「自分に必要なタンパク質・炭水化物の量を摂るためには何をどのくらい食べればいいか?」も計算してみた↓

 

<白米関係の計算がけっこうややこしいので整理>→まず、未炊飯の白米100gにつき炭水化物は60g程度。
→だから、未炊飯の白米150g=1合につき炭水化物は120g程度
→未炊飯の白米150g=1合に、190cc(190g)の水を加えて炊くと、ほかほかのご飯340g=どんぶり1杯分 ができる。

・つまり、未炊飯の白米1合=どんぶり1杯分の炭水化物は120g!
→炭水化物の計算が面倒なら、ぜんぶどんぶり換算でもいい。「一日の炭水化物量÷120」で、一日に何杯どんぶり飯を食べればいいかわかる

・どんぶり茶碗一杯分は、「一般人が想像する茶碗×2杯分」くらい。
・未炊飯の白米1合の「体積」は180cc=180ミリリットル。計量カップで白米180ccをはかりとると、白米150gになるということ!
・つまり、「未炊飯の白米一合=約150g・180cc・180mlの白米 → それを炊飯すると、どんぶりめし340gになる。炭水化物量はどんぶり一杯で120g・カロリーはどんぶり一杯で560kcal。どんぶり一杯=一般的なライス×二杯」。

<その他の炭水化物は?>
・オートミールなら100gあたりタンパク質15g、炭水化物69g、380キロカロリー。
・パスタの場合:100gあたりタンパク質5g、炭水化物30g、148キロカロリー
・そばの場合:100gあたりタンパク質10g(二八そば・十割そばの場合)、炭水化物55g、273キロカロリー。
→白米以外だとこのあたりが候補だけど、「十分な増量のためには、ある程度のカロリーオーバーが必要」ということを考えると結局「白米でカロリーと炭水化物量を稼ぐ」のが手っ取り早い。パスタやオートミールは減量のために使う人が多い

(補足)
・脂質についてはそれほど気にしなくていい。タンパク質と炭水化物を一定量摂っていて、肉や魚などをごはんのおかずにしていれば脂質はだいたい良い感じに摂取できる。お金に余裕があればオメガ3を摂ってもよい

・なお、↑で示した基準は「増量期・強化トレーニング期」なのでカロリーが多め(通常期+500-1000kcal)に設定されていて、そのためタンパク質の必要量も多くなっている。通常期であればタンパク質の必要量は、「61-70kgの人は体重×2.2倍g→132-154g、71-80kgの人は156-176g、81-90kgの人は178-198g」くらい。

 

サプリメント

★便宜上、サプリメントを三種類に区分する

1.人間に必要な栄養素を補充するためのサプリメント

2.トレーニング効果を高めたり、身体作りのための役に立ったりするサプリメント

3.さらなるハイパフォーマンスを発揮するためのサプリメント

 

「★」は身体づくりのためには必須。「※」は、余裕があれば摂取したいもの。

 

サプリメントの種類 効果・補足事項 おすすめの製品

(<>内は購入可能なサイト。ほぼiHerbとAmazonとマイプロ公式サイト)

飲み方(おすすめの製品をそのまま購入した場合)
★マルチビタミンミネラル 筋量増加・筋力増強・メンタル安定・集中力増強・頭の回転が速くなる・瞬間反応速度が向上する・ケガ防止・脂肪減少・疲労軽減・筋肉痛軽減など。 OPTI-MEN<iHerb>がイチオシ。一日三錠が目安。150粒で2800円程度、240粒で4300円程度(2018/5/2)

(その他良いもの)

・アルファメン<MyProtein公式サイト>

・VIVO

・AnimalPak

・TwoPerDay

・ElanVital

<以上四点:iHerbで購入可能>

・イチオシはOPTI-MEN。コスパと成分量の多さや入手しやすさを考えると、大学野球部員にはこれが一番だと思う。

・アルファメンなども良いには良いがビタミンB系が力不足。下の四種類は成分はかなり良いが高いのと入手しにくいのとで総合評価は×。

・OPTI-MENは一日三錠、毎食後一粒。試合前中後やトレーニング前後にも○。疲労が甚だしいときにも○。

・OPTI-MENは某○○○大野球部員の8割以上が摂取しているマルチビタミンミネラルで、「集中力が増した」「疲れにくくなった」「筋肉が長期的にかなり増えた」「脂肪が減った」「体調不良になることが劇的に減った」「夜の疲れと眠気がなくなった」「風邪引いてもOPTI-MENとビタミンCをぶち込めばすぐ治る」などのフィードバックが寄せられている

・ちなみにDHCとかNatureMadeとかディアナチュラのやつ(コンビニに売ってるアレ)は、積極的にフィジカルを強化したいアスリートにはまったく足りない。一般人向け

★ビタミンC 免疫力向上(風邪をほとんど引かなくなる)・筋量増加・抗酸化作用・コラーゲン合成・靭帯強化(ケガ防止)・お肌すべすべ。コスパでいえば粉末タイプが圧倒的→1500円で100-200日分だけど酸っぱい。飲みやすさは粒タイプ。 ・粉末タイプ:ビタミンC(アスコルビン酸)1kg:1600円~1900円<Amazon>

・粒タイプネイチャーメイドビタミンC500 200粒入り(持ち運び用)

<Amazon>:884円(2018/5/2)

・マルチビタミンのサプリメントではビタミンCは足りない! 追加での摂取が必要。

・一日5-10g程度を、3-5回程度に分ける。摂取量は多い分には問題ない

・粉末:一回2g程度を水等に溶かす。ストロベリー味のプロテインに溶かすと酸味がほどよく効いておいしいとの情報あり

・粒タイプ:食後に2-3粒程度。

★プロテイン 筋肉量アップ、筋力向上、メンタル安定 ・マイプロテイン社 Impact Whey Protein 5kg:セール時で7000-8000円

・国内ならビーレジェンドやバルクスポーツあたりがおすすめだが、正直マイプロに比べると高いし特にメリットがないような気もする…

・「起床直後に30g、トレーニング1時間前に30g、ワークアウトドリンクで糖質80gと一緒に40g、トレーニング後に糖質40gと一緒に30g、就寝前に30g」の一日5回がおすすめ。つまり、目安としてはプロテイン粉末を160g/日くらい。あとは三度の食事で十分

・本気で肉体改造する人は、夜中に目が覚めたらプロテインを飲んでから再度就寝してもよい

※亜鉛 テストステロン増加→筋力増加・筋量増加、メンタル安定、精力増強。高速吸収タイプと通常タイプとがあるが、初めての人には通常タイプがおすすめ ・Now Foods 亜鉛50㎎ 250粒入り

<Amazon、iHerb>:1000円程度

・一日のどこかで一錠摂取。一錠以上は摂らないこと

・亜鉛は、オプティメン3粒で15mg入っている。トレーニング効果を最大限高める場合は、一日に30g-100mg程度の幅の中に収めると良いので、場合に応じて亜鉛は追加摂取する。オプティメンを3錠以上飲むなら亜鉛はそこまでいらないかも…?

※クレアチン 筋力の向上(即効性あり)、疲労軽減、持久力向上 、除脂肪体重の増加 、脳機能の改善、精神的疲労の軽減、炎症の抑制 ・Now Foods クレアチン1kg(2.2ポンド)<iHerb>:2000円程度

・マイプロテイン クレアチン モノハイドレート パウダー 1kg<マイプロ公式>:2000円程度

↑価格はほぼ同じだが、マイプロのセール時のほうが安いかも

・ローディング期:一日20gを4回程度に分けて摂取、を一週間。水分も十分に補給すること

・維持期:一日5g程度

・食後・トレーニング中(ワークアウトドリンク)・トレーニング後に摂取するとよい。

・糖質とともに摂取すると吸収がスムーズ

※BCAA トレーニング中の筋肉分解(カタボリック)作用の抑制、集中力の増加、筋修復の促進、体脂肪の減少、運動時のエネルギー源。ただし、お金がないなら無理に飲む必要はない ・マイプロテイン BCAA(分岐鎖アミノ酸)<マイプロ公式サイト>1kg:定価5000円程度。セールだと30%-60%安くなる ・ワークアウトドリンクに「体重×0.1g」を目安に溶かすとよい

・一回あたり「体重×0.1g」を目安に。一日2-3回に分けて摂取し、15-30g/日程度が目安。「トレーニング中・トレーニング後・起床直後」あたりがおすすめ

※EAA 体内をアナボリック状態にする。つまり、筋合成が促進される。ちなみによく比較されるBCAAのほうは「筋肉の分解作用=カタボリックを抑制する」という効果がある ・マイプロテイン EAA ( 必須アミノ酸 )1kg:定価5000円程度。セールだと30-60%安くなる
★粉飴orマルトデキストリン (ワークアウトドリンクに入れて飲むことで)筋肉の分解作用の抑制・トレーニングの疲労軽減・集中力の増強。ちなみにワークアウトドリンクの作り方は前述した通り。 ・H+Bライフサイエンス 粉飴顆粒 1kg<Amazon>

・マイプロテイン マルトデキストリン5kg<マイプロ公式>

・ワークアウトドリンクに80g-100g程度を溶かす。

・ワークアウトドリンクはトレーニング中のみならず試合中にもおすすめ

※フィッシュオイル 脳の機能向上・筋タンパク合成促進作用。野球部は飽和脂肪酸とりすぎ(ジャンクフード等)の場合が多いので特にケアする ・マイプロテイン オメガ3(フィッシュオイル):1000カプセルで定価3470円(2018/5/2)

・Now Foods オメガ3<iHerb>:200カプセルで1058円(2018/5/2)

ただし、

・マイプロ…1カプセルでEPA180mg、DHA120mg

(2018/5/2)

・ナウフーズ…1カプセルでEPA360mg、DHA240mg(2018/5/2)

→結局、マイプロもナウフーズも成分当たりの値段では大差ない。マイプロのプロテイン等を買うときについでに買うか、OPTI-MENを買うときについでにiHerbで買うか、という使い分けが良いと思う

※グルタミン 免疫力向上、内臓機能のサポート

 

★マルチビタミン代表2社の成分比較

・アルファメン(マイプロテイン):2錠あたりの量

・オプティメン(オプティマムニュートリション社)

ランメニュー

 

・基本的にはウェイトをしっかりやればやるほど足は速くなる。ただし、「ウェイトばっかりやっている」のでは、足は遅くなって当然。単純に、走力は走らないとなまるから。ウェイトと↓のようなランメニューを並行して行えば、どんどん「デカくて動ける身体」になっていく。

 

・野手が走るべき「最低限」の量

→①30-50m走:各5-10本で、合計20本以内。

②ロングラン:20分程度。

③HIIT:余裕のあるときだけ。けっこうハードなので体力を考えること。「10秒全力ダッシュ→30秒ジョギング」を繰り返す。4-8セット程度。

 

・野手の場合、「SAQ・多様性」を取り入れてもよい。30-50メートルの帰り道にバックダッシュやサイドステップなどを行う、など。

 

・投手が走るべき「最低限」の量

→①30-50m走:各5-10本で、合計10-20本。

②ロングラン:20-30分程度。

③HIIT:余裕のあるときだけ。けっこうハードなので体力を考えること。「10秒全力ダッシュ→30秒ジョギング」を繰り返す。4-8セット程度。PPインターバル走よりもこちらのほうが高効率と判明。

 

★以下は、本来はこれくらいアップからやってほしい、という案

 

基本コンセプト

・「もっと動ける身体になれるトレーニング」を毎日継続する

 

・「軽いジョギングで、身体(筋肉・神経系)を温める」

→「初動負荷ストレッチで、動きの邪魔になるような身体・筋肉の硬さを取り除く。特に、<股関節ー体幹ー肩甲骨>を連動させながらほぐす。筋肉を運動向きの状態にしておく」

→「ポジション別にアレンジした短距離ダッシュ・SAQで、下半身を思い通りに素早く力強く動かすことに慣れておいてから、技術練習に入る」

 

具体的なメニュー:

 

まずは

・5分ジョギング

・初動負荷ストレッチ25-30分(特にウィングストレッチ重視)

・身体を思い通りに操る能力を磨く体操

 

を行ってから、

 

・ダッシュ系メニュー

1.30m5本。矢印の右側に書いてあるものを8割くらいの力でやりながら帰ってくる。

→野手:1.盗塁→バウンディング 2.盗塁→バックダッシュ 3.盗塁→バックダッシュ 4.打ってから一塁まで→サイドステップ 5.打ってから一塁まで→サイドステップ

→投手:1.反射→バウンディング 2.反射→バックダッシュ 3.反射→バックダッシュ 4.スタンディングのクラウチング→サイドステップ 5.スタンディング→サイドステップ

 

2.サークルダッシュ時計回り3逆3・ジグザグ2往復・・・小休止を兼ねて、ややSAQ的な遊びの要素が多い種目を

 

3.50m5本

→野手:1.プライオ大ジャンプ5回してから走り出す 2.ももあげ20後 3.10回反転してから 4.20回素早く足踏み 5.フリースタイル

→投手:1.プライオ 2.ももあげ20 3.10回反転 4.20回足踏み 5.フリースタイル)

 

を、二か所とか三か所で。平日も休日も必ず。試合の日以外は毎日走る。

 

 走る量の基準は、「だいたいこのくらい走ればクレアチンリン酸(ATPの再生産にかかわる)がいったん枯渇するだろうな」というもの。ダッシュでいったんクレアチンリン酸が枯渇するくらい走って、そのあとのCBの時間にそれが回復する。そうすれば実技練習には支障は出ないし、むしろ動きやすくなっているはず。

 

 また、「走力向上のメニュー」と「実際の野球動作につながるようなメニュー」を組み合わせてある。このランメニューのあとにシートノックなどを行うと動きやすさを感じるはず。

 

「時間がないから走らない」ではなくて、「走れるだけで野球はかなり有利になるから、多少時間をかけても走る」。「平日練習は時間がないから」とか言ってる場合ではない。忘れちゃいけないのは「走力は、攻撃・守備のどちらにも多大な影響を与える」ということ。

 足が軽やかに素早く動けば、守備でも攻撃でも走塁でも圧倒的に有利になる。

 

初動負荷ストレッチ

 

★初動負荷ストレッチ

・「初動負荷理論による野球トレーニング革命」(小山裕史さん著)という非常に秀逸な本から一部抜粋させて紹介。あまりにもすばらしいメニューなので・・・初動負荷トレーニング施設が近くになくてマシントレができない人のための救済策にもなるはず。

 

★初動負荷ストレッチとは?ざっくり言うと:

・「センスのある人」がかならず持っている「股関節ー体幹ー肩甲骨+腕部の、連動性と柔軟性」を、効率よく手に入れるためのストレッチ

・アップにもなるし、ダウンにもなる。単なるストレッチというよりはトレーニングと呼んだほうがいい

・やればやるほど野球の動きが良くなる、という特徴がある。なぜなら野球の動作というのは基本的に「中心部を小さく動かして、末端部を大きく加速させる」という原則に従うから。初動負荷ストレッチは身体の中心部の筋肉(股関節周辺・体幹部・胸郭)の柔軟性と使用可能性を高める。

・「うまく動こうとするときの障害となっている身体的要因」が取り除かれる

・「身体の中心部に力を出させる」動きを覚える

・肩甲骨はがし・PNF・ROMの上位互換

・本来ならマシントレーニングが理想だけど、ストレッチでもある程度の代用は可能

 

★そもそも初動負荷とは?

→定義は『反射の起こるポジションへの身体変化及び、それに伴う重心位置変化等を利用し、主働筋の「弛緩―伸張―短縮」の一連動作を促進させると共に、その拮抗筋ならびに拮抗的に作用する筋の共縮を防ぎながら行う運動』。ざっくり言うと、初動負荷をやると「しなやく、素早く、力強い動き」が手に入るということ

 

→主な効果:神経と機能の協調能力を高める、思い通りに動けるようになる、柔軟で弾力性に富んだ筋肉の獲得、スピードの向上、パワーの向上、疲労除去、疲れにくい動作の習得、怪我の予防、怪我からの短期回復など。

 野球で言えば「走力向上」「飛距離増大」「打撃精度向上」「球速アップ」「肩力アップ」「肩肘の痛みが消える」「楽に動けるようになる」といった効果がある。イチロー・山本昌・岩瀬仁基・青木功(ゴルフ)・内川聖一・伊東浩司(100m10秒00の元日本記録保持者)などが取り組んでいる。

 

 100メートル走のベストが13秒台の選手が数か月で10秒台に突入、脳卒中の後遺症で車椅子生活だった人が走れるようになる、肩肘の痛みに苦しんでいた投手が痛みから解放されて球速が劇的に向上した、初動負荷トレーニング合宿でロングティーの飛距離が数日間で40~50m伸びる選手が続出、などの「これ以上良くならないだろうと諦めていた人のパフォーマンスが劇的に向上する」という目覚ましい変化がしょっちゅう起きているため、「奇跡のトレーニング」とも呼ばれる

 

※ただし、この「初動負荷ストレッチ」は、初動負荷トレーニングに比べると効果がかなり制限される。効率よく成果を得るには専用のマシンが必須で、札幌にも近々初動負荷トレーニング施設ができるとのこと。初動負荷トレーニングの総本山であるワールドウィング鳥取本部では、動作改善のためのキャンプを行うこともできる

 

※また、初動負荷トレーニングの提唱者である小山裕史さんが開発した「BeMoLo(ビモロ)シューズ」は、人間の理想的な足圧移動を促進する機能を持ち、日常生活用・ランニング用・トレーニング用・野球用スパイクなどが開発されている。ちなみにイチローは長年使っていたアシックスの超軽量スパイクからBeMoLoスパイクに変え、42歳にして一塁到達タイムが0.4秒短縮された

 

※個人的には「ウェイトトレーニングと初動負荷トレーニングの併用」をおすすめする

 

★メニュー表・回数目安・セットの組み方

<注意点>

・いずれの種目をやる場合でも、「リズムよく、筋肉に『伸ばされる→切り返すように勝手に縮む』という動きをさせる」こと。ポイントは、標的となる筋肉を「外からの力によって伸ばし、伸びきったあたりで切り返すように素早く短縮させる」こと。これは実際の野球動作とまったく同じ形。

・動きがいまいちわからない場合は栗山(かストレッチをすでに習得している人)まで

 

<寝そべって行うもの①>

・ウィングストレッチ三種類

→①バンザイ+立膝:20-30回

②バンザイ+足クロス:各30-50回

③手を横に広げる+足クロス:各30-50回

 

①バンザイ+立膝:仰向けになり、頭の上で手を組んで、思い切り上方に伸ばす。肩甲骨ごと伸ばすイメージ。その状態で膝を立てて揃え、できるだけ膝をくっつけたまま、リズムよく左右に下半身を振る。肩甲骨まわり・脇腹・背中あたりに来る人が多い。硬いところに来る。

②バンザイ+足クロス:上半身は①とまったく同じ。下半身を図のようにクロスさせて、できるだけリズムよくポンポンと足を地面のほうに押し付ける。肩甲骨まわり・脇腹・背中・股関節当たりに来る人が多い。硬いうちはパートナーに押さえてもらうのが良い。パートナーは二の腕あたりor肩甲骨を強すぎない程度に押さえること。

③手を横に広げる+足クロス:腕を思い切り左右に広げる。肩甲骨ごと出す感じ。手のひらは地面に向ける。下半身は②と同様。肩甲骨まわり・胸筋・脇腹・背中・上腕に来る人が多い。

 

<寝そべって行うもの②>

④頭の後ろで腕を組んで足をクロスさせる:各30回程度

⑤片手上に上げて手のひらを地面に付け、下半身をひねる(立膝):各20回程度

⑥トランクローリング:各20回程度

⑦腸腰筋・もも前を伸ばす:各30回程度

 

 

 

★コツ

④頭の後ろで腕を組んで足をクロスさせる:できるかぎり肩甲骨を「上のほう」に出す。肩甲骨or脇腹or上腕あたりに来れば正解。

⑤片手上に上げて手のひらを地面に付け、下半身をひねる(立膝):手のひらをきちっと地面に付けること。前腕が硬い人は前腕に来る。脇腹や肩甲骨のあたりに来る人もいる。硬いところに先に来る。硬かったところがほぐれると、その次に硬いところに来る。

⑥トランクローリング:人差し指と親指で輪(OKサインの形)を作って、その輪を地面に向けるようにして片腕をできるだけ伸ばす。その「輪が地面に接した形」をキープしながら、身体をリズムよく図のようにローリングさせる。前腕or上腕or胸筋に来れば正解。先に硬いところに来る。

⑦腸腰筋・もも前を伸ばす:足首を持って、大きく後方にスイングさせる。リズムよく。腸腰筋(骨盤の前方あたり)・前ももが伸ばされる感覚があれば正解。

 

<座位で行うもの>

⑧内転筋:30-50回

⑨足首持って捻り上げる:各30-50回

⑩股関節クローズ動作:各30回程度

 

 

★コツ

⑧内転筋:足の裏同士を合わせて、リズムよく内転筋群に「伸ばされるーすぐに縮む」動きをさせる。骨盤を立てて行うこと。できれば自分の手を使って膝を押してやることが望ましい

⑨足首持って捻り上げる:足首を持って、リズムよく捻り上げては戻す。顔の方に近づける。お尻の筋肉が伸びれば正解。もも裏が硬い人はもも裏も伸びる。

⑩股関節クローズ動作:足を図のような形にして、息を吐きながら上体を前に倒す。股関節の付け根あたりに来るのが正解。膝が痛くないようなポジションを探すこと。できれば「両骨盤が地面に密着する」のが望ましい。ただし、股関節クローズ動作には個人差があるので、無理はしないこと

 

<立位で行うもの>

⑪大胸筋&肩甲骨周辺:各20-30回

⑫脇腹伸ばし:各30回程度

⑬骨盤立ち上げ:20-30回程度

 

 

 

★コツ

⑪大胸筋&肩甲骨周辺:手首と肘を内側に捻り、壁に前腕を付けて固定する。その状態で、胸筋がストレッチされるように身体をリズムよく動かす

⑫脇腹伸ばし:手頃な高さの台に片肘を載せて、もう片方の手を頭上に伸ばして、浮いている側の外腹部を伸ばす。その際、「浮かせたほうの足をリズムよくもう片方の足に近づけては遠ざける」。脇腹が伸びれば正解。なお、浮かせた足のつま先を内側に捻った状態で行うと難易度が少々上がる

⑬骨盤立ち上げ:「股関節の上に骨盤を乗せる」→「骨盤を立てながら立ち上がる」をリズムよく繰り返す。もも裏が伸びれば正解。「膝をなるべく動かさずに、股関節伸展の力だけを使う」のがポイント。

 

→だいたい1セット20分前後で終わる。できれば「一日3~5セットくらい」行ってほしい。練習前に2-3セット、練習後に2-3セットくらい。やればやるほど良くなるから、上限のセット数はない。

 

★(再掲)初動負荷ストレッチ・初動負荷トレーニングについて詳しく知りたい人は「初動負荷理論による野球トレーニング革命」を参照。初動負荷理論とは何かがわかります。そして野球動作解説の本としても秀逸です

 

おすすめ書籍

・「入門運動生理学」

・「運動生理学20講」

・「究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり」

・「運動・からだ図解 生理学の基本」

・「運動・からだ図解 解剖学の基本」

・「史上最強カラー図解 プロが教える 人体のすべてがわかる本」

・「プロが教える 筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典」

・「プロメテウス解剖学アトラス 第三版 解剖学総論・運動器系」

・「初動負荷理論による野球トレーニング革命」

・「希望のトレーニング」

・「野球選手のTHE 肉体改造」

・「パワーリフターに学ぶBIG3パーフェクトメソッド」

・「石井直方の筋肉まるわかり大事典」

・「トレーニング指導者テキスト 理論編・実技編・実践編」

・「身体運動の機能解剖」

・「目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名」

・「図解入門よくわかる解剖学の基本としくみ」

・「究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック」

・「ゴールドジム・メソッド―すべての人々に結果をー“筋トレ”の基本は万国共通!」

・「マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング」

・「ウイダー・トレーニング・バイブル」

・「ウイダーストレングス&コンディショニング エクササイズバイブル」

・「ストレングス&コンディショニング 理論編・エクササイズ編」

・「〈東京大学教授〉石井直方の新・筋肉まるわかり大事典」

・「山本義徳業績集1~8」 など

 

野球選手のための身体測定表

 

氏名

 

現在( 年 月 日) 目標(具体的にいつまでにどうなりたいか) 大学生の全国レベル目安&備考
ユニフォーム姿・正面(画像・上はアンダーシャツ)
ユニフォーム姿・横(画像・上はアンダーシャツ)
ユニフォーム姿・背面(画像・上はアンダーシャツ)
身長
体重 (身長)-(体重)>100
体脂肪率 10-15%
除脂肪体重
胸囲
腹囲
お尻周り 100cm
太もも回り 60cm
上腕回り
10m走
30m走
50m走 6’50以下。6秒を切るとプロでも俊足
100m走
一塁到達 右なら4’30、左なら4’10以下。
二塁到達
三塁到達
本塁到達
垂直飛び
打球速度
ロングティー飛距離 柵越えできるかどうか
現在の打撃フォーム連続写真
現在の投球フォーム連続写真
遠投 90m
球速 130km/h超えると強肩
ベンチプレス1RM 体重の1.2倍or100kg
フルスクワット1RM 体重の2倍or180kg
デッドリフト1RM(フルレンジ) 200kg
懸垂回数(順手) 連続15回
ハイクリーン
平均睡眠時間(詳しく) 8時間
ウィングストレッチ二種目・可動域(写真)
動作・フォームなどを参考にしている野球選手(複数可)(いれば)
昨日の食事メニュー(タンパク質の量と、カロリーも大まかに計算) ・タンパク質:体重×2.2倍以上

・カロリー:4000-5000kcal程度

きょうの食事メニュー(タンパク質の量と、カロリーも大まかに計算)
食事で気を付けていること(あれば)
毎日摂取しているサプリメント類の種類と量とタイミング(プロテイン含む) OPTI-MEN、ビタミンC、亜鉛 など

 

★追加項目

・具体的にどのように、フィジカル不足が動作に影響するのか:筋力不足とはどこがどのように筋肉不足で、それを解消するにはどうすればよくて、そこを解消できればどのような効果が得られると思われるのか? 柔軟性:どこがどう硬いのか?

・初動負荷ストレッチ:肩甲骨まわりも。ストレッチの写真も一新する

・小久保のシーズン後のやせた描写、松田or柳田の習慣など

・資料の充実。「筋肉のしくみ辞典」「ビッグスリーガイド」「解剖学」「運動生理学」とか、おすすめ本

・フィジカルは情報戦

・これからの野球界の展開

・フィジカル・動作・マインド

・基礎的な物理学

・トレーニングピリオ改訂

・静的ストレッチについて:開脚?足の裏?指?

・ワークアウトドリンク例の充実

 

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