球速のある投手のストレートをスタンドに放り込みたいなら、いわゆる「日本式」のスイングはあまりおすすめしない

   

球速のある投手のストレートをスタンドに放り込みたいなら、いわゆる「日本式」のスイングはあまりおすすめしない

「日本式」のスイングだと、速球がチップ・ファールになりやすい。「トップ側の上半身が入った状態で打てないことによる耐衝撃性の弱さ」と「スイングのベクトルが投球とズレる」と「ドンピシャでタイミングを合わせる難しさ」が3大原因

なぜメジャーリーグの選手は150km/h越えの剛速球を平然とスタンドにぶち込めるのか? 逆に、なぜ日本の打者はなかなかそれができないのか?

ご存知の人はご存知だと思いますが、MLBの平均球速は今や150km/hを超えています。高速チェンジアップやカットボールが140km/h台という世界です。

 

MLBの打者は平気で「少し甘く入った150km/h越えの剛速球を、軽々とスタンドにぶち込み」ます。メジャーリーグの中継を見ているとわかりますが、たとえ下位打線だろうがぶち込みます。

 

しかし、NPBの打者にそれができる人はどれくらいいるでしょうか。

プロ野球中継を見ている限り、たいていの球団のたいていの打者は150km/hを超えてくるともう青息吐息なのではないでしょうか。たまにきれいに当たってヒット・二塁打になるくらいがせいぜいで、「少しだけ甘く入った150km/h越えのボールを軽々とスタンドにぶち込める」打者はどれくらいいるでしょうか。ましてや下位打線にそういう打者はいるのでしょうか。

詳細に統計をとったわけではありませんが、普段中継を見ている印象からすると、あまり多くはないはずです。

 

この「剛速球をスタンドにぶち込めるか否か」は、単純に打ち方の問題だと思います。

外国人はパワーがある…とかそんなのじゃなくて、単純に打ち方の問題です。

 

打ち方の違いとは、具体的には以下の通りです。

 

メジャー式:「重心移動はほとんどしない。するにしても最小限しかしない。その場で回転するようにして打つ。前の脇は空ける選手が多く、ガッツリとトップハンドで押し込む」→極端な例はバリー・ボンズ選手やミゲル・カブレラ選手など

日本式:「<重心を大きく移動させて止める>動きに合わせて、バットを前の手で引きながら落として、前脇を締めて、ヘッドを走らせて、前で捌いて飛ばす」→日本でいえばイチロー選手や山田哲人選手など

 

もちろん実際はどっちつかずの「中間型の打者」が6割くらいで、極端なのは2割:2割くらいなのですが、基本的にはこの二極になります。

 

>メジャー式の例

「引手=ボトムハンドの脇を空けて、押し手=トップハンドで押し込む」ですね。

 

>日本式の例

 

ちなみに、日本式は「昔のメジャー式」でもありました。昔のMLBの打者の打ち方を見てみるとわかりますが、日本人打者のように大きく身体を投手方向へと移動させて打つ打者が大半です。1980年代ころにかけて、現在のような「いかにもメジャーっぽい打ち方」へとシフトしていったようです。

 

メジャー式のスイングは「まず右半身をしっかりと入れてインパクトすること」から始める。これが速球をぶち込める秘訣!

メジャー式スイングは

「トップハンドで押し込むようにして打つ」

というのが肝です。

 

ですから、練習法も

「トップハンド一本でバットを操作する練習」

「タイヤ打ち・サンドバッグ打ちの練習」

「トップハンドを中心にしてバットを振る練習

こういった練習を徹底する選手・スクールが多いようです。

 

つまり、基本的にアメリカの打者は

「右打者なら、右半身をしっかりと<入れて>打つこと」

を徹底的に教え込まれるわけです。右半身を入れるというのは、上の画像の通り。

 

メジャー式の打ち方の利点は主に以下の3つです。

・「押し手側の上半身がガッチリと入った状態で打てるから、芯を食えばかなり速いストレートでもかっ飛ばせる」

・「トップハンドで押し込む→必然的に水平よりもアッパー気味(=投球に対して平行)のスイングになり、ボールに対してバットが正面衝突する→打球速度が上がる」

・「多少詰まっても押し込んでヒット・ホームランにできる。打てるポイントの前後幅が広くなる」

 

メジャーリーガーが150km/h越えの快速球でもガンガンスタンドに放り込めるのは、この打ち方によるところが大きいと私は見ています。

 

では日本の打者はどう教育されているか…?

日本の打者は、そのまったく逆をやりますよね。

 

・「壁を作れ・開くな・軸足に残せと言われる」

→押し手側の上半身は入らない。ストレートの威力に打ち勝てる体勢ができていない

 

・「ボトムハンド主導でバットを引き出す・トップハンドはほとんど使わない」

→ボールに対してダウン気味のスイングになりやすい。ストレートに対して上から撫で下ろすような軌道になりやすい。ポップフライやファールやチップが増える。また打球速度も上がらない

 

・「トップハンドが弱いため、ヘッドの一番走るところでの前捌きしかできない&詰まるとまず打てない」

→ポイントの前後幅が狭くなる。タイミングをどんぴしゃで「ヘッドが一番走るところ」に合わせないと打てない。よほどセンスの良い人じゃないと無理

 

こういう要素が揃っているからこそ、日本的な打ち方をしている打者は軒並み速球への対応力が低いわけです。

 

いちばんわかりやすいのは、日本の野球部が大好きなあの「連ティー」です。

「連ティー風のスイング」をすると、速球に弱くなります。

 

理由は↑に書いた通りですが、「連ティー風のスイング」の症状としては

・ストレートがファールorチップorポップフライになる。右打者なら、右手斜め前方45度方向あたりへのかすったようなファールになるか、ファースト・セカンド後方のポップフライorライトフライになることが多い

・ストレートを打っても飛ばない。打球速度が遅い

・全体的に「ポップフライと力のないゴロ」が多い

・スイングスピードが思ったより出ない(頑張り感のわりに出ない)

このあたりが揃っていたらレッドゾーンです。

 

おわりに

以上の理由から、基本的に右打者なら

 

・インパクトの瞬間に右半身がしっかり入っている

→速いストレートをホームランにできる

・右半身が入っていない

→ストレートに弱くなる

 

という結果となります。

 

ということは、「いかに右半身がしっかり入った状態でインパクトできるか?」が勝負になります。

それさえできれば、どれだけ速い投手からでもスタンドインできますよね。今回の記事で理由はおわかりいただけたと思います。

 

右半身を入れるためには、「軸足の内旋の鋭さ」「スイング軌道」「肩の回転面の傾き度合い」「バットの使い方」あたりが重要となります。あとは時間との勝負になります。ボールが来るまでには右半身を入れ終えておかねばなりません。フィジカル強化なども必要でしょう。

 

これらも今後詳しく解説していく予定です。

とりあえず、「右半身を入れること」です。それさえできればストレートはガンガンホームランにできますし、できなければまぐれ以外では入りません。

 

では、また明日!

 

 

 - バッティング, 動作, 野球