簡単に良くなるのは「走塁→打撃→守備→投手」の順だと思う

   

簡単に良くなるのは「走塁→打撃→守備→投手」の順だと思う

「走塁→打撃→守備→投手」

走塁が一番すぐ変えられる。打撃はその次に簡単。守備はやや難しく、投手の能力を向上させるのはかなり難しい

走塁は「意識の変化」が動きの変化に直結するし、意識そのものを変えることも簡単。だからすぐに変わる

野球において

「いちばん簡単に向上させやすいものは何か」

と聞かれれば、間違いなく「走塁」が一番に来るでしょう。

 

走塁でやることといえば、まずは

「リードの幅を大きくとろう」

「盗塁でスタートを切った後、一度ホームを確認しよう」

「ベースの回り方はこうしよう」

といった決まり事を作り、それを徹底すること。

 

「リードの幅を大きくとろう」と思ってなおリードを大きくできない人というのは基本的にいませんし、

「盗塁で一度ホーム方向を確認」というのも、かなり容易に習得できるクセです。

 

だから、走塁は本当に簡単に変わります。

徹底した意識づけさえすれば、1時間の間に相当な変化を起こせるのが走塁です。

 

打撃も簡単。はっきり方向性を示してある程度時間をかければ簡単に変わる

われらが北大野球部のリーグ戦での打撃成績なのですが、

昨年と今年で大きな変化がありました。

 

去年の秋は、

10試合で「二塁打5 三塁打0 本塁打0→長打総数5本(本塁打は20試合に1本ペース)」。

ほとんど長打も出ず、貧打に喘ぎました。

 

これが、今年の春のリーグ戦では

10試合で「二塁打10 三塁打3 本塁打8→長打総数21本(本塁打は20試合に16本ペース)」

になりました。

 

「10試合で8本塁打はエグい!」という声も多く聞こえました。

ひょっとすると、国内にある国公立大学のなかで一番長打力があるかもしれません。

 

単純に考えて、たったの半年で長打総数は4倍、本塁打ペースは16倍になったことになります。

いきなり打つようになったので、「北大どうしたの? 何かやったの?」という問い合わせ(?)を数多くいただきました。

 

打撃は、

「こうすればいいよ」

「そっちに行っちゃだめだよ」

という方向性はけっこうはっきり決まっています。

 

たとえば、「こうすればいい」というのは「ボールとバットの軌道を合わせる」「投球に対して平行な=地面から見ると少しアッパー気味にスイングする」「トップハンド側の半身(右打者なら右半身)をガッチリと入れ込んだ状態でインパクトする」「軸足の内旋を鋭くする」といったところ。

逆に、「そっちに行っちゃだめだよ」というのは「ダウンスイング」「振り下ろすようにスイングする」「トップハンド側の半身を入れ込まないでインパクトする」「軸足に体重を残す」といったところ。

 

その「そっちに行っちゃダメな方向」にさえ行かず、

逆に「こうすればいい」という方向さえきっちりと提示してやれば、

バッティングが悪くなることは基本的にないと思っています。

 

だから、バッティングを向上させるのはかなり簡単だと感じています。

とにかく「良い方向性」だけ示してやって、あとは放置でも何とかなります。

方向性さえ正しければ、早くて一日のうちに、遅くても数か月でほぼ確実に結果が出る…というのがバッティングです。

 

守備はわりと難しい。ドリルの反復と、実際にある程度の数をこなすことが必要

バッティングに比べて守備の向上はやや難しい。

 

なぜなら、

守備の場合、「こうすればいい」はある程度わかっているけれども、

結果に反映されるまで辛抱がけっこう要るからです。

 

バッティングは、たとえば「この角度で打ちあげてごらん」「この角度で身体を回転させてみたらどうかな」といったアドバイスをすれば、5分で数十メートル最大飛距離が伸びることもあります。

 

しかし、守備に対して即効性のあるアドバイスというのはなかなかありません。

仮に「こうすればいい」というアドバイスをしたとしても、今度はそれを「自分のものにする」までしばらく時間がかかります。

 

ドリルも日々反復する必要がありますし、実打の打球も受ける必要がありますし、試合でもそれができるようになるまでしばらくの辛抱です。守備は、だいたい数か月~一年単位で良くなっていくものだと思っています。

 

投手の能力向上はかなり難しい。下手にいじると壊れたりおかしくなったりしやすい。投手の自主性にまかせるのが一番良い。気長に待つ

さて、簡単に向上できるのは

「走塁≧打撃>守備」

という順番だということでした。

 

この3つに比べて段違いに難しいのが「投手育成」です。

投手育成の場合、やや特殊な事情があります。

 

・そもそも「こうすればいい」というのが非常にわかりにくい。たとえば投げるリズムにしても、その投手の身体的特徴や感覚的な好みによってかなりばらつきがある。打者はかなり「理想の打撃」が想定できるが、投手が「理想の投球」を想定することは難しい

・下手にいじったときの損害・・・大きい。ヘタをするとイップスや大不調に陥る

・ケガのしやすさ・・・肩肘などをすぐ壊しやすいから、下手にいじれない

・感覚の繊細さ・・・他人に感覚を押し付けられるとほぼ間違いなく乱調する。

 

「投手のフォームをいじって良くなった試しがない」と感じる指導者も多いようです。

いろいろ考えあわせると、結局は投手が自分で研究して、自分で試行錯誤しながら地道に進んでいくのが良いのでしょう。

 

投手の成長というのは基本的には「数か月~数年」かかるものだ、と思っておきましょう。

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