左打者と右打者のスイング軌道の違い

   

左打者と右打者のスイング軌道の違い

左打者はバットのヘッドを一旦背中側に落とすように振り出す。右打者はとにかく右半身を入れ込みながらカチ上げる

まずは、この動画をご覧ください。

これは、「左打者のスイングだけ」をひたすら集め続けた動画です。

「左打者独特の、背中の後ろあたりにバットのヘッドをいったん落としながら素早く身体を回転させつつカチ上げる的なアレ」

と表現していますが、野球を観るのが好きな人であればなんとなくピンと来るでしょうか。

 

つまり、「左打者のスイングは、右打者のスイングを単純に反転させたようなものではない」ということです。

 

たとえば、王さんや柳田選手のように「ゆったりと足を上げて打つ本格的な一本足打法の選手」は右打者にいるでしょうか。

ベリンジャー選手や柳田選手のように「インパクト後に身体が大きく反り返る人」は右打者にいるでしょうか。

あるいは、なぜ「本格的なサブマリンの左投手」は存在しないのでしょうか。

 

人間の身体は左右非対称なので、そういう違いが生じている…と私は考えているのですが、

とりあえず今回はわかりやすいところから紹介していきます。

 

フォロワーS氏とのやりとり

先ほどのツイートに対するリプライから流れを追っていきましょう。

 

要するに、左打者は

「バットのヘッドを背中側にいったん落とすようにして振り出す」

右打者は

「肩のラインを斜めに傾けた状態で、身体の回転ごとカチ上げる」

という表現がピッタリです。

 

日本ではよく左打者に以下のような指導がなされますが…

・走り打ち(当てて足を活かせ)
・ダウンスイング推し(最短距離で打て)
・ヒッチ×(グリップが高すぎになりやすい)
・グリップを高くしろ
・打ったらすぐ一塁に走り出せ
・フルスイング否定

このような指導に忠実に従うと、先ほど紹介した左の強打者特有の「一度背中側にバットのヘッドを落とすような振り出し」はものの見事に消えてしまいます。

 

具体的な症状でいうと、

・打球が上がらない・飛距離が出ない・打球が弱い

・引っ張った打球がドライブ回転しやすい・良い回転がかからない

・振り抜き感が気持ち良くない

・三塁側バックネット方向へのかすったようなファールを連発する

・力のないポップフライを連発する

ことになります。

 

そもそも、なんで左と右で異なるの? → おそらく、幼少時に染み付いた運動パターンがそのまま残っている

ちなみに、そもそもなぜ左と右とで事情が異なるのか?

私の仮説ですが、人間の身体はもともと左右対称にはなっていないからだと思います。

人間の身体は、内臓の配置上(=1200g程度と重たい肝臓が右側・30g程度と軽い胃が左側・300g程度の心臓がこの2つよりも上にあって左に寄っている)、やや右半身が重たくなっています。

 

この「右半身がちょい重たい」は幼少時からずっと続いていますよね。

「幼少期からずっと」というのがミソです。

 

●幼少期の特徴
・まだ筋肉量や骨量が小さく、身体の全質量に占める「内臓の比率」が大きい
・運動パターンを学習する時期である
・運動というのは「身体重心の移動」が基本である

 

この3つを考えあわせると、

「小さいころから、<右半身が相対的にほんの少し重たい状態で身体を動かすこと>に慣れているから」

という答えになります。ハイハイの時点からずっと「右半身がちょっと重い」に慣れていて、そういう運動パターンが脳に刷り込まれている、と。

 

赤ちゃんや子どもというのは、まだ筋力も弱く、身体を支えるのが大人に比べるとかなり難しい。

子どもの頃を思い出してもらえるとわかると思いますが、子どもはすぐ転びます。自転車もフラフラです。

そういう状況であれば、「重心をうまく操作」しないととても歩けませんし、立てませんし、運動もできませんよね。

その「重心をうまく操作」のなかに、「内臓が相対的に重たいなかでどうやってうまく身体を運んでいくか」も入っていたわけです。

 

だからこそ、「右半身に重い荷物を持っているような動き=左半身に重心を寄せてバランスをとりながら運動する」ようなクセが身に付いているのです。

そしてその因果が巡り巡って、それが左打者と右打者の打ち方の違い・右投手と左投手の打ち方の違いにまで発展していっている…と私は考えています。

 

今日の論文

相変わらず、ざっくり読んでいます。

興味のある分野って、ざっくり読んでも頭に入るんですよね。

 

論文がpdfで手に入ってすぐ読めるなんて、良い時代ですね。

 

 

では、また明日!

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