えっ? バッティングの基本って置きティーでしょ?

   

えっ? バッティングの基本って置きティーでしょ?

「止まっているボールを打つ」こそが本当の基本

「バッティングの基本は素振り」なんて言うけれど…

昔から、日本では

「バッティングの基本は素振り」

という考え方が根強いものです。

実際、王さんや野村さん、門田さんや張本さんなど、錚々たる選手たちが「素振り」を重視した練習を行ってきました。

 

しかし、

「球速のある投手のストレートをスタンドに放り込みたいなら、いわゆる「日本式」のスイングはあまりおすすめしない」

で書いた通り、私は「素振り万能主義」には異を唱えています。

 

この記事の内容を要約すると、

「音を重視する素振りによって身に付く<ボトムハンドの脇を締めてヘッドを走らせるスイング>は、ミートポイントも前になり、ミートポイントの前後の幅も狭くなるため、対応力に欠ける」

「ボトムハンドの脇を締めてヘッドを走らせると、ボールの衝撃に弱くなる」

「投手のストレートの球速が上がり、高校球児でさえ平気で140km/hを投げるようにまでなった現代に適した打ち方ではない。ましてやMLBなどの平均球速が150km/hを超える世界で通用する打ち方ではない。素振りという練習を中心にして身に付くスイングではなく、実際に置きティーや正面ティーを打ち続けることで身に付くスイングを採用するべきだ」

というものです。

 

なぜ「素振り=打撃の基礎」になったのか

そもそも、バッティングという言葉の意味は「打撃」です。

「打つ」という行為のことを「バッティング」と呼んでいるわけです。

打つべき対象であるボールがないのであれば、「バッティング」「ヒッティング」ではありません。

 

素振りは打撃の基礎でもなんでもないのです。

ボールという打つべき対象があって、それを「Bat」で「Hitting」する。だから「バッティング・ヒッティング」と呼ぶのです。

素振りはただの「スイング」です。

 

その意味で、野球の本当の基礎とは速度0のボールを打つこと」だと言えるでしょう。

 

素振りが打撃の基礎だと言われ始めたのは、たぶん

・ボールもいらず、スペースも最小限で、簡単にできるから

・有名なプロ野球選手などの「素振りエピソード」が広まったから

・一人で振り続けるのは集中力を要するため精神的につらく、やればやるだけ「やった感」が出るから

・「素振りの音」というわかりやすいご褒美があるから

・全体練習でやらされたため、困ったときの練習の選択肢として素振りが頭に入っているから

・昔は今ほどストレートの平均球速もなく(スピードガン導入期の1980年頃のプロ野球平均球速は130km/h台前半だったのでは?と言われている。それより前はもっと遅かったはず)、球種も多様ではなく、対応力を犠牲にしてポイントを前に置いて捌く打ち方でも支障がなかったから

・そもそも「ボトムハンドの脇を空けてトップハンドで押し込む」という発想自体が最近出てきたものであるから

といった事情によるものでしょう。

 

「止まっているボールを打つ」だけでもかなりの練習がこなせる

実際問題として、

「止まっているボールを打つだけでもかなりのバリエーションが確保できてしまう」

のです。

 

例えば、

・フォームを確認しながら行う置きティー

・コース別の置きティー

・置きロングティー

・カチ上げティー

この4種類だけでも、かなりの演習量がこなせます。

もちろん置きティーだけではなくて、

・動きをインプットするための各種ドリル

・正面ティー

・フリー打撃

などもこなす必要があります。これに素振りまで加われば、時間的にも体力的にもオーバーワークになりかねません。

 

 

ついでにいうと、素振りは「実際にボールを打てない」というのが弱みでもあります。

1.置きティーであれば、スイングにどこかおかしいところがあればボールの飛び方・打球方向や打った感触が悪くなります。でも、素振りだと「実戦とかけ離れたスイング」でも振れてしまいます。つまり、自分のスイングに対しての評価が素振りだとかなり難しい。

2.素振りだと、実際にボールを打たないので、「狙ったところに正確にバットを出す」という能力が養われません。ハンドアイコーディネーション能力だけが置き去りにされます。「置きティー系のメニューを毎日100球こなす」のと「素振りを毎日100球やる」のとでは徐々に差が付いていくはずです。

 

置きティーを毎日打っていると、「バットが狙ったところに正確に出す能力が上がる」「実戦でも通用するスイングが身に付く」といったもろもろの副産物を享受できます。

https://twitter.com/lyle_13qbb/status/990438093520957440

ちなみに、「2Lペットボトルに水or砂を入れたもの」に「1本数百円・直径30mmのネトロン」を差し込んで長さを調節してやれば、即席の置きティーができます。チーム単位でやる場合なら、5000円くらい使ってネトロンを30本くらい買えば(ネトロン一本から置きティー2-3つが精製可能)、あっという間に置きティーが100本くらいできてしまいます。

 

おわりに

…要するに、わざわざ素振りという選択肢を選ぶ意味が乏しいのです。

 

「メジャーリーガーは日本人のように素振りをしない」

という事実がすべてを物語っています。

 

彼らは正面ティー・置きティー・各種ドリルなどを子どものころから徹底的にこなします。

日本人打者とのレベル差については、ご存知の通りかと思います。

MLBでは控えの選手が平気で150km/h越えの速球をスタンドにぶち込みます。

 

 

「素振り」を「置きティー・正面ティー」に変える、これだけで打撃のレベルがグッと上がること間違いなしです。

 

では、また明日!

 

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