ネットでは、みんな独裁者になる―誤謬だらけ、認知バイアスだらけのネット世界―

   

インターネットは、いまや電子レンジより普及しています。

インターネットの欠かせない時代に生きる人間が陥りがちな思考の落とし穴から逃れるには、一体どうすればいいのでしょうか?

 

インターネット、使えば使うほど「アホ」になる

ネットの普及、ものすごいことになる

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・現代社会でふつうに生きている人は、必ずなんらかの形でインターネットに触れています。SNS、検索エンジン、まとめサイトなどなど・・・実際、総務省による「平成27年度 情報通信白書」では、20代のインターネット利用率が99.2%(平成26年度)にまで達することが明らかにされています。

・99.2%というのは驚くべき数字です。インターネットに触れない生活をしている二十代の人間は、100人に1人足らずということです。

・実際、若い世代は相当インターネットに慣れ親しんでいます。だいたいにおいて、スマホですることといえば、ツイッターやまとめサイトの閲覧でしょう。ネットなしでは今の日本は立ち行きませんし、人々もやっていけないはずです。ぶっちゃけ私自身も、幼稚園のころにはウィンドウズ98をおもちゃにしてエロサイトを見ておりました。世紀末幼稚園児といったところでしょうか。現在は無事に変態に育っております。

 

ネットの性質――あやまちぽろぽろ

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・インターネットというのは、「デマの培養土」「誤解の宝庫」です。

根も葉もないデマでも、ありそうだと思われれば広がってしまうし、(人工地震とか民族問題とかいった「陰謀論」や、熊本地震の際の「動物園からライオンが逃げ出した」など。人間は自分の信じたいものしか信じないのです)

出所のよくわからない情報が腐るほど落ちていますし、筆者の主観的な判断のみにもとづいて書かれたウェブサイトというのも多々あります。ネット百科事典として有名なあのWikipediaですら、多くのページに「この記事は出典が明記されていないか、不十分です」という注意書きが付されてあります(このブログもそうかもしれません)。

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・そもそもネットというのは、その性質上、自分にとって都合のいい情報しか目に入らないようなつくりになっているんです。

われわれはなにかをネットで調べようとするとき、だいたい検索エンジンのお世話になりますね?

 

・その検索エンジンというのは、単純に言えば「自分のほしい情報だけを集めるシステム」なんです。

「ダイエット 方法」と打ち込んで調べれば、ダイエットの方法に関連する情報しか出てきません。

「菜食 メリット」と入力すれば、ベジタリアンがいかに健康にすぐれているかだけを訥々と語るページがいくらでも出てきます。そういう「菜食のメリット」を欲する人は、「菜食のメリット」についての情報をいくらでも手に入れることができます。

しかし、その反対である「菜食のデメリット」の情報は、まったくといっていいほど入ってきません。ですからどうしても、考えが極端になります。「完璧主義の菜食主義者」が量産されることになります。そして残念ながら、だいたいの場合において極論というのは的外れです。多くの場合、「極論と極論の、あいだをとったところ」に正しい情報はあります。

 

・・・もっと言えば、ネットを使っていると「自分にとって面白そうな情報」がある場所にしか滞在しないわけです。Youtubeで、わざわざつまらない動画を見るひとはいないでしょう。個人の興味に沿って「おすすめ動画」のリストが作られますから、そのなかを延々とぐるぐるぐるぐる回っていくことで時間をつぶすのです。

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・ネットを使っている以上はこの「自分にとって望ましい情報しか入ってこない」という状況から逃れることは難しいんです。「自分にとって都合のいい情報しか入ってこない」・・・これがどれほどおそろしいことか、わかりますか?

・つまり、インターネットを使う以上、誰でもヒトラーになってしまうのです。周囲には、自分にとって気持ちのいい情報しか伝えないイエスマンばかりがいる独裁政権。自分とは違うサイドにいる人間はすべて許すべからざる「敵」です。

 

・ネットでは「在日」「ネトウヨ」「ブサヨ」「キモオタ」などの「レッテル貼り」が盛んです。また、「アンチ」と「信者」といった単純な図式の二項対立もひろく受け入れられています。自分にとって都合の悪いことを言う人々はみんな「われわれとは違うことを言う、敵」になります。レッテルを貼るのは簡単ですが、剥がすのは大変です。間違うのは簡単ですが、正しくやるのは大変です。

 

 

「誤謬」と「認知バイアス」を学ぶことで「ネット・バカ」から脱皮できる

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「誤謬」というのは、《正確に、論理的に考えようとするときに入ってくる「ノイズ」「乱れ」のこと》です。

「認知バイアス」も似たようなものですが、こちらは《ものごとを認知するときに人間が犯しがちな間違い》のこと。

wikipediaの「誤謬」のページ「認知バイアス」のページがよくまとまっているので参考にしてください。

 

「誤謬と認知バイアス」を学ぶことによって、インターネットにある情報の見え方がガラリと変わります。「醒めた目」でインターネットを見ることができます。メタ認知能力も高まります。

「ああ、これは《レッテル貼り》の誤謬だな。過度な一般化をするのはわかりやすいから、やりがちなんだけどね。仕方ないね」

「うわっ、この人、自分に都合の良いことしか知ろうとしないんだな。かわいそうに。確証バイアスってものを知らないのかな」

 

という具合に。
・あの哲学の総本山であった古代ギリシャでは、「論理学」がたいへん重要視されていました。「論理学」というのは簡単にいえば、「ミスをしないように正確に思考する技術を探求する」学問です。

・現代日本のビジネスパーソンは「論理学を学べ!」と言われることが多いそうなのですが、それは「正しい思考技術を身につけよ」という意味合いで言われるのです。世の中の大多数の人が誤謬まみれ認知バイアスまみれの偏ったものの見方をしているいまの時代において、「正しく思考することができる」ことはとてつもないアドバンテージになります。

 

まとめ

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首から下で稼げるのは1日数ドルだが、首から上を働かせれば無限の富を生み出せる。

――”発明王” トーマス・エジソンのことば

・・・当時もそうだったんでしょうが、今もそうです。国民のほとんどが文字を読み書きできるのがこの国ですが、残念なことに国民のほとんどが考える力を自分で投げ捨ててしまっています。その中にあって「頭を使える」ということは大変な強みになります。

「誤謬」「認知バイアス」は、ほんとうに「実際に役立つ」知識です。ネットの毒を解毒してくれるのみならず、実際の生活、ビジネス、学問、いろいろなところに応用することができます。「誤謬には、どういう種類があるのか」「認知バイアスには、どういう種類があるのか」というくらいの気軽さでかまいませんから、ぜひ一度調べてみてください。

 

・世界の見え方が変わる体験を、ぜひ楽しみましょう。死ぬまでに、もう一歩上に行きましょう。誤謬や認知バイアスは、そのために役立つ登山の杖です。グッド・ラック!

 

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