センス不要・才能不問! 作家・小説家になりたい人が試すべき5つの読書法 【その1】

      2016/08/31

 

世の中に読書法と名の付くノウハウは数多くあれど、『作家や小説家になりたい人のため』と銘打った読書法というのは、なかなか少ない。さらに言えば、『才能がない人でも』と頭に付くものはもっと少ない。

 

そこで、才能がない人であっても『作家・小説家になれる』読書法とはどんなものか? 一緒に考えてみましょう。全二回の連載です。

 

前提―センスは伸びるもの―

 

創作センスというのは伸びます。自分自身のことを見返してみても、「あのときこれをやっていたからこそセンスが身についたんだな」と思えるターニングポイントがいくつかありました。

さらに言えば、創作センスを伸ばすために色々と試行錯誤を重ねていくなかで、「やり方さえ間違わなければ、多少時間の差はあれど、誰でも創作の才能は開花するだろうな。だけどやり方を間違っちゃあ、一生駄目なままだろうな」と何度も感じました。

バランスよく努力することによってセンスは最も効率よく伸びます。

 

量も少ないし、質も悪いし、書きもしない人。

 

これは論外ですが、

よくありがちなのが、

 

読む量は多いけれど、読んだ内容がぜんぜん頭のなかに残っていない人。

じっくりきっちり読むけれど、ぜんぜん量を読んでいない人。

量を読むし、質も確保されているけれど、ぜんぜん書かない人。

 

この三悪人です。こういうやり方でやっていたのでは、創作センスを伸ばすなんて夢のまた夢です。

今回ご紹介するやり方というのは、ずばりこの三悪人を処刑できる方法です。

センスが確実に身につく、王道の読書法といえます。

 

そもそも、センスというのは能力とほぼ同義語です。「あの人は野球のセンスがあるよね」というのは「あの人は野球の能力が高いよね」と評するのと同じもんです。センスといえば高い壁のように見えますが、能力と言い換えてしまえば単なるハリボテの壁に過ぎません。なぜならば能力は、鍛えることによって伸びるからです。

センス=能力なんです。

そして、

自分の力で文明を進歩させてきた万物の霊長である人間様が本気出せば、自分の能力ごとき伸びないわけがないでしょう。どんな人間でも、その内側には「伸びよう、伸びよう」という力が働いています。その証拠に、幼児期からまったく何も(肉体的にも精神的にも)進歩しない人間というのはいないでしょう。人間というものはそもそも「進化しよう」という志向性を本質として備えているんです。

 

「やればできる」という命題は疑いようもなく偽ですが、「やれば伸びる」という命題は真だと思うのです。

 

読書法その1 どのくらいの冊数を読めばよいか

センスのない人は、どのくらい読めばよいのか

最低でも小説を『100冊』は読破してほしい。このくらい読むことが、どんなに頭の悪い人であっても創作センスというものが身についてくるための最低ラインです。逆にいえば、どれほど創作向きの人であっても、100冊程度の小説を読まないうちは「小説として成り立っているもの」すら絶対に書けないんです。

そして、

『500冊』が次のラインでしょう。このくらい読めるようになれば、スラスラと文章を書くことができるようになります。面白いアイディアもポンポン出てくるようになります。

さらに、

『1000冊』くらい読むことが、「プロの」作家になるための必要条件です。1000冊とはどのぐらいかといえば、三日に一冊読んでいくとして、だいたい3000日ですから、10年弱で読める冊数です。

ちょっと途方もない数に思えますが、逆に言えば、きちんと本を読む習慣さえつけてれば、10年よりは早くデビューできるということです。幼少のころから小説をたくさん読んできたという人であれば、15歳を過ぎたあたりでデビューすることもあり得ます。いま大人であっても、これから読める程度の量です。大した量ではない。

「量」に関しては、以上のような基準があります。

 

なぜ量が不可欠なのか。

小説を書くというのは、アウトプット行為です。自分のなかにあるものを使って、自分のそとに何かを出す作業です。ですから、自分のなかに何もなければ、当然そとに出すだけの材料もない。したがって書けやしません。

汚い話ですが、たくさん食べる人はたくさんウン○が出るのと同じです。

また、

人間には言語を操る本能がありますから、たくさん読んでいけば、その言語本能が確実に勝手に発達していきます。ですから、たくさん読むことによって自動的に文章を書く力も伸びていきます。

 

おすすめは、手頃な小説を『○日に一冊』のペースで読むこと。これだと連日、「おれは読んでいるぞ」という達成感が味わえますし、「100冊読み終わるまであと何日だ」などといった算術ができます。読み終わった本は、リストにして保存するのがいいでしょう。読み終えるごとに自分の中の創作能力が伸びていくのを実感できます。

 

「5000冊読まないうちは小説家なんてムリムリムリ!」とか「みんな一日一冊は読んでるよ。きみは読んでないの?」という類の見栄張り方式は嫌いなので、きわめて現実的に簡潔に「才能がない人はどの程度読めばよいか」をご紹介しました。

 

焦らずに、踊らされずに、自分にとってちょうどいいペースでのインプットを心がけてください。

「自分の頭の中にあるもの以上のことは絶対に作り出せない」ことを忘れずに、インプットの量を確保していきましょう。

 

小説以外のものをインプットする

(補足ですが、エンタメ系(ファンタジー・バトル・恋愛ものなど)を書きたいと思うのならば、漫画や映画もガンガン読む・観るべきです。

旅行するのもいいし、新聞読むのもいい。

落語や漫才を押さえておくことも考えてください。

古舘伊知郎の『トーキングブルース』なんかは、創作ネタの宝庫です)

日本で一番しゃべりが上手い男 古舘伊知郎

 

 

読書法その2 本はどう選ぶか?

いくら量が多くても、適当に読み漁っているようでは質が悪い読書にしかなりません。

質の高い読書とは、「今回はこんなことを学べた」「読む前よりは成長できた」と実感できる読書のことですが、その「質の高さ」を上げるための本の選び方をいくつか紹介します。

 

「小説」と「知識本」に分けて選ぶ

「知識本」とは私が勝手に作った言葉で、ある分野についての知識が書かれた本です。「○○入門」とか、「こんなにも面白い〇〇」とか、「○○概論」とか。文字通り、それを読むことによって「知識」が身に付く類の本のこと。違う言い方をすれば、創作のネタになる本・あるいは、資料のことです。

質の高いインプットのために、「小説」と「知識本」を同時並行で読み進めて行くことをおすすめします。

小説読むの疲れたなと思ったら知識本を読めばいいし、知識本に飽きてきたら小説を読みます。互いに活かしあう二刀流です。確実に読書のスピードが上がりますし、疲労も軽減できます。

また心理的な効果も期待できます。

小説を読むことによって、小説をどうやって書けばいいかを学べる。

知識本を読むことによって、どのようなネタを小説に使えるかがわかる。

「おれはきちんと勉強しているぞ」という実感がわいてきます。闇雲に手当たり次第に読み漁っていくよりは、作家になれる確率が確実に上がります。

 

「流行作家の本」と「自分が気に入っている作家の本」と「なんか惹かれた本」を読む

 

流行作家の本

「流行作家の本」はぜひ読みましょう。流行っているのには理由があります。

どうやったら大衆・読者の心をつかめるのか、揺さぶれるのか。どういうものがウケるのか。

そういった「売れるためのノウハウ」を得ることができます。流行には素直に従いましょう。

 

自分が気に入っている作家の本

「自分が気に入っている作家の本」は根こそぎ読むのを勧めます。

人間は好き嫌いのある動物なので、読書においても、自分と波長が合う作家・合わない作家というのが必ずあります。

波長が合う作家の作品をどんどん読んでいけば、その作家の持っている独自性が自分の中にも効率よく取り込まれます。

さらに言えば、

ひとりの作家からだけ影響を受けるというのでは単なる模倣に過ぎないが、

三人の作家から影響を受ければそれはもうその人のオリジナルにしか見えません。

 

全集の出ている作家ならば、全集を読むのが良いでしょう。

私の場合は筒井康隆が好きだったので、「筒井康隆全集」をガーッと読みました。

 

みかんばかり食べていれば肌が勝手に黄色くなるのと一緒で、好きな作家の本をたくさん読んでいくうちに、その作家たちの色が混ざり合って、はじめて自分の色が出てくるのです。

 

なんか惹かれた本

「なんか惹かれた本」は、自分にとってピンポイントで興味のある分野・なんか読みたいなと思った本のこと。

要するに直感で選ぶ本です。

流行作品や、自分の好きな作家の書いた本以外にも、世の中には沢山の書籍があります。

自分がまだ知らない本のなかに、面白い本というのがたくさんあるはずです。

 

自分のアンテナを広げることができます。

アマゾンや書店で、「なにか面白そうな本はないか」とさまよいましょう。

ふと書店で手に取った本に一生モノの影響を受けることが、往々にしてあります。

 

 

前編 まとめ

さて、「才能がない人でも作家になれる読書法」前編はここまでにしましょう。

シンプルに、実行しやすい形の読書法をご紹介しました。

後編では、「本はどう読むか」「どう復習するか」をメインにした読書法を紹介します。

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