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APLICATIONS

ベストセラー小説には必ず【哲学】が入っている!

今日読み終えた哲学入門書があります。 これです。『哲学用語図鑑』(田中正人、プレジデント社) この本は、タイトル通り哲学の「用語」を重点的に解説したものです。 この本を読むうちに「ああ、こいつはこういうことを言いたかったのか」というのがドンドンわかってきて爽快だったのですが、哲学と小説のかかわりについて考えがあったので、今回は「哲学は小説にどう活かせるか」をご紹介します。   哲学を理解する第一歩は、哲学用語を理解することだ そもそも哲学ってのがなんでつまんねえむずかしいって言われるかっていうと、用語の意味がチンプンカンプンだからです。高校で倫理やったことがある人はわかると思います。とにかく用語がわかりづらい。特に西洋の哲学は、もともと外国で考え出されたものですから、へたくそな日本語に訳されちまってる場合が多い。   形而上学ってのがどんな感じのもんなのかわかんねえよ。日本語しゃべれ。 イデア界ってなんだよ。イドラと似てるけどちがうのか。 万物は火であるってそんなの意味わかんねえよ。クソ。 言語ゲームってスマホゲームみたいなもんなのか。 etc... こんな感じで。   でも、そういった難しい哲学用語が、具体的にどういう時に使われて、どういう意味内容を持つのか・・・を覚えちまえばもう哲学は楽勝です。そこから哲学はウキウキ楽しい学びになります。とにかく哲学をモノにしたいなら、用語の意味を第一に習得することが近道だと思います。『哲学用語図鑑』はそのために非常に役に立ってくれます。おすすめです。 ちなみに用語のページとは別に、「この哲学者はこういう風に考えて、こうやって生きて、こういうエピソードがあるよ」という哲学史偉人紹介のページもありますから、小説家にとっては、ある意味「キャラクター図鑑」にもなります。そういう風に紹介してくれるから、哲学者が「難しいことばかり考えて象牙の塔に立て籠もってる偏屈な輩」ではなく、「その時代の荒波の中を、懸命にもがきながら自分なりの考えを貫き通そうとしたかっこいいやつら」として感じられます。 ちなみに私はサルトルさんが大好きです。   「ベストセラー小説」には、『かならず』哲学的な要素がある 本についての話題はこれくらいにしましょう。 本題に入りましょうか。   今回言いたいことはこれ。 哲学ってのは、小説に必ず活きてくる ということです。   「売れている小説」には、『かならず』哲学的な要素が多かれ少なかれ入っています。例外はありません。どんな小説であろうとも、ベストセラーであれば必ず入っています。 例を出しましょう。 鹿の王は哲学的 上橋菜穂子の大ヒットファンタジー『鹿の王』では、医学的な観点からすれば、人は自然の中でどう生きて生かされていくのがよいのかがひとつのテーマになっており、その議論を追うような形で物語が展開していきます。 朝井リョウの若者描写も哲学的 SNSをめぐる若者同士の葛藤を描いた朝井リョウのヒット作『何者』では、SNSによって拡張される『自意識、見栄を張りたいという気持ち、嫉妬』などといった心の機能に焦点が当てられ、そういった心理をなぜ若者が持つのか。どう対処すればいいのかを考えさせられます。   これらはいずれも、「哲学的な」テーマになっています。     哲学的、というのは、①具体的な日常生活から特定のテーマを取り出して、②それに関するある考えが果たして正しいのか、あるいはもっと別の良い考え方があるのか・・・ということです。前者も後者も、そうなっていますね。   どちらが正義なのか・・・   また主人公VS悪役で、どちらが正しいかを巡って壮絶なバトルが繰り広げられる、というような類のものも、哲学的です。 えっそれも哲学に入っちゃうの、と思われるかもしれませんが、入ります。 ○○は善か悪か、という判断を下そうと試みるのは倫理学の仕事ですが、倫理学は哲学の一派ですから入るんですね。   哲学的なテーマを小説に取り入れる効用 んでもって、「なんでベストセラー小説に哲学的なテーマが入っているのか」、気になりますよね。 簡単です。 「哲学的なテーマのもとで議論を進めていくようにして物語を展開すれば、簡単に小説に『ディープさ』が出せる」からです。 風立ちぬ、も観ましたが、相当哲学的な映画です 先ほどの例でいえば、『鹿の王』では、「医学と人間のかかわり」、「自然の中で生物はどう生きていくのか」という哲学的なテーマが入っています。 もし、このテーマがなければ、どうなっていたでしょうか。 薄っぺらい物語とキャラクターばかりで、心に何も残らないような小説になってしまうはずです。 「医学と人間のかかわり」といった哲学的なテーマに沿って物語が進行し、キャラクターが生かされているからこそ、素晴らしい小説として成立しているんですから。   哲学をつかえば、自分の小説は一味違ったものになる ということは、この「哲学的なテーマ」は、自分の小説にも使うことができますね。 やり方は簡単。 哲学的なテーマを、自分の書こうと思う小説の底に敷いてやるだけ。 それをするだけで、他の凡百の作品とは一線を画した小説にすることができます。 それにはまず、自分が哲学を勉強することです。今のご時世、哲学は学ぼうと思えば簡単に学べます。入門書はゴマンとありますし、どれも質が高くわかりやすいものばかりです。 さらには、既存の作品群が、底にどのようなテーマを持っているのか分析してみることです。   今回述べたことは、作家志望の人たちにとって、意外な盲点になっているみたいです。 哲学的なテーマに沿って物語を展開しキャラクターを動かしてやれば、簡単に深みが出るし、無理のない展開にすることができる。活用しない手はありません。 今回は、「ベストセラーとなる小説には、かならず哲学的なテーマが含まれている」ということを述べました。 ぜひご活用ください。  

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