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「身体の法則」と「物理の法則」、この二つに逆らったら絶対に野球はうまくならない

「身体の法則」と「物理の法則」、この二つに逆らったら絶対に野球はうまくならない 道理を踏みにじる者は、道理によって踏みにじられる そもそも、「誤った指導法」はなぜ「誤っている」と言えるのか? また、「正しい指導法」はなぜ「正しい」と言えるのか? 野球の情報を集めていると、 「正しい指導」 「誤った指導」 という表現をよく目にします。   では一体、「正しい」と「誤った」を分けるものって何なんでしょうか? そもそもそこにはっきりと線を引けるものなのでしょうか?   私の考えはこうです。 ・「ある指導法が正しいか間違っているかは、<理に適っているかどうか>で判断できる」 ・「その理とは、<身体の法則>と<物理の法則>である」   というわけで、今回の記事では、 「<身体の法則>と<物理の法則>に逆らってはいけない」 というテーマでお話しします。 殴られて野球はうまくなる!? posted with ヨメレバ 元永 知宏 講談社 2017年07月21日 Amazon Kindle 楽天ブックス   「身体の法則」とは何か? を簡単に いま 「<身体の法則>と<物理の法則>に逆らってはいけない」 と書きましたが、では一体「身体の法則」って何なんでしょうか?   「身体の法則」を自分なりの言葉で定義すると、 ・人間が自らの身体を使ってある目的を達しようとするとき、当然クリアされているべきいくつかの条件 となります。   これだけでは抽象的にすぎるので簡単に言いかえると、 たとえば人間が「遠くに飛ばしたい」「速い球を投げたい」という目的を達しようとするとき、 その「遠くに飛ばす」「速い球を投げる」という目的を(身体が壊れるなどの副作用なしに)成し遂げるためには、以下のような「身体の法則」がクリアされていることが必要です。   「身体の法則」の例 ・筋肉が、その筋肉の限度を超えた出力を繰り返さないこと ・筋肉・関節・腱・靭帯に異常な力学的ストレスがかからないこと ・運動連鎖の法則が機能していること ・身体各部の筋肉が必要に応じてしっかりと出力すること ・伸張反射などの法則がうまく使われていること ・スイングの各フェーズにおける身体各部のポジションが理にかなったものであること   これらの<身体の法則>は、トレーニング科学や動作解析・バイオメカニクス・運動力学といった知見によって正しさがある程度保証されているものです(一つだけ言っておきますが、必ずしもこれらの法則を意識することが良いことだとは限りません。感覚にひたすら従った結果これらの条件をクリアする人が大半です)。 野球崩壊 posted with ヨメレバ 広尾晃 イースト・プレス 2016年10月06日 Amazon Kindle 楽天ブックス   「身体の法則」に逆らうとどうなるか では、今例として挙げたような「身体の法則」に逆らうと、どのようなことが起きるのでしょうか。   ・筋肉が、その筋肉の限度を超えた出力を繰り返さないこと →逆らうと、肉離れなどの故障を起こす ・筋肉・関節・腱・靭帯に異常な力学的ストレスがかからないこと →逆らうと、骨折や靭帯損傷・捻挫・ヘルニア・肉離れなどのケガを起こす ・運動連鎖の法則が機能していること →逆らうと、打球速度や投球速度が上がらなかったり、エネルギーが身体の内側に籠って故障を招いたりする ・身体各部の筋肉が必要に応じてしっかりと出力すること →逆らうと、打球速度や投球速度が上がらない ・伸張反射などの法則がうまく使われていること →逆らうと、打球速度や投球速度が上がらない ・スイングの各フェーズにおける身体各部のポジションが理にかなったものであること →逆らうと、打球速度や投球速度が上がらなかったり、筋肉や関節に変な力がかかって故障の原因となったりする   ろくなことがありませんね。   われわれ人間は、物理空間で「自分の身体を使って」運動を行います。 ということは、人間の身体というのは1から10まで徹底的に「物理的な制約」を受けるわけですから、 うまく動くためにはどうしても「人間が自らの身体を使ってある目的を達しようとするとき、当然クリアされているべきいくつかの条件」を満たしておく必要があります。その条件を満たさないと、↑のようなしっぺ返し(当然のしっぺ返し)を食らいます。   というわけで、以下のことが言えます。 「身体の法則」について ・イチロー選手であろうと大谷選手であろうとバリー・ボンズ選手であろうとそこらへんの草野球のおじさんであろうと、「身体の法則」には従わないといけません。そうしないと、「故障する」「パフォーマンスが上がらない」といった望ましくない結果を招くことになります。 ・身体の法則は物理の法則(後述)に裏打ちされ、物理の法則は科学によって裏打ちされています。 ・別の言い方をすると、「身体の法則に従うクセがついている人」のことを、センスがあるとか動きが良いと呼ぶのでしょう。身体の法則に逆らってはいけないと同時に、身体の法則にさえ逆らわなければどんどん良くなっていくのです。 ・世界のどこで野球を始めようとも、「身体の法則に適った動き」さえできれば、速い球を投げたりホームランを連発したりすることができます。夢がありますね。   身体の法則の次は、「物理の法則」について簡単に触れましょう。 初動負荷理論による野球トレーニング革命 posted with ヨメレバ 小山裕史 ベースボール・マガジン社 1999年12月 Amazon Kindle 楽天ブックス   「物理の法則」とは何か? を簡単に 先ほど「身体の法則」について簡単にご紹介しましたが、実は身体の法則を裏付けているのは 「物理の法則」 です。 物理空間を支配する物理の法則がまず先にあって、その物理空間でうまく運動するための条件として必然的に「身体の法則」が導かれる…というからくりです。なぜなら、人間は物理空間に身体・肉体を持っているからです(肉体を持たない人間は現時点では存在しませんよね)。物理空間にあるものは物理空間の掟に従わねばなりません。   では、「物理の法則」とはいったい何でしょうか? 身体の法則のところでやったように自分なりの定義をすると、 A.「物理空間にあるありとあらゆる物体が従う法則」 であり、 B.「それらの法則のなかでも特に、<バッティングやピッチングで、ある目的を達成するために>特に必要とされる諸法則のこと」 です。   またしても抽象的な表現になってしまいました。 わかりやすく言い直します。 A.は文字通りです。物理空間にあるありとあらゆるものは、物理空間の掟に従わねばなりません。その「物理空間の掟」のことを指します。物理の教科書に書いてある公式とかがそうです。   B.はつまり、「遠くに飛ばす」「速い球を投げる」という特定の目的を達成するために特に活用される物理の諸法則のことです。 たとえば、「バッティング・ピッチングでの位置エネルギー(=ある物体を高いところから低いところに落とすときに生じるエネルギー)の活用」や「運動エネルギー(速度を持った物体が保持しているエネルギー)の生成と伝達」や「地面反力を活用して並進運動を回転運動に転化する」「重力・慣性を活用する」などがそうです。   私は「物理の法則」という言葉を、このAとBという意味で使っています。 ピッチングメカニズムブック(改善編) posted with ヨメレバ 前田健 ベースボール・マガジン社 2010年02月 Amazon Kindle 楽天ブックス   「物理の法則」に逆らうとどうなるか では、「物理の法則」に逆らうとどうなってしまうのでしょうか?   たとえば、ピッチングでは「位置エネルギーを運動エネルギーに変換する」ということが行われます。つまり、「高いところにある物体が持っているエネルギー」が、「速度をもった物体が保持しているエネルギー」へと変換され、そのエネルギーの伝達の結果としてボールが高速で投げられる…というわけです。 もちろんこれは「物理の法則」の一種といえます。   じゃあ、物理の法則に逆らってみましょう。 次のようなパターンを考えてください。   「位置エネルギーをまったく使わないで投げることができますか」? 要するに、「セットポジションのときの身体重心が、リリースの瞬間の身体重心よりも下にあるような投法」は可能か? ということです。跳び上がって投げることは可能か、とも言い換えられます。   やってみればわかりますが、「無理」です。 スクワットを500kg×10repsくらい軽々と持ち上げることのできる人なら、そのような芸当もできるかもしれません。しかし、普通であればまず不可能です。やってもせいぜい100km/h前後しか出ないでしょう。   このほかにもいろいろな場合を考えることができますが、 「物理の法則」に逆らうと、 ・そもそも球速や打球速度が上がらない ・ケガをする のどちらかの道に入ることになります。   やはり物理の法則というものは、身体の法則同様、「絶対に逆らってはいけないもの」のようですね。   (※厳密にいえば、物理空間にあるものはどれだけあがこうとも物理法則の枠の中から外れることはできないので、「物理の法則(Aの意味)に逆らう」という言い方はおかしいといえます。要するに、ここでいう「物理の法則に逆らう」とはどちらかというとBの意味で、「野球のバッティングやピッチングをうまく遂行するために当然活用されるべき物理の法則を活用しなかったらor活用の仕方を間違えたらどうなるか」を考えてみましょう、というくらいの意味です) ピッチングメカニズムブック(理論編) posted with ヨメレバ 前田健 ベースボール・マガジン社 2010年02月 Amazon Kindle 楽天ブックス   まとめ:宇宙に逆らうと痛い目を見る 要するに、 「メチャクチャ全身を力ませた状態をキープしたまま剛速球を投げてみろ」 「跳び上がる投げ方で150km/hを投げてみろ」 「前足を地面に接地させずに柵越えホームランを打ってみろ」 ということです。 それが「物理の法則と身体の法則に逆らってはいけない」ということです。逆らったら絶対にしっぺ返しを受けます。「道理を踏みにじるものは道理によって踏みにじられる」のです。 自然に逆らっちゃいけませんね。自然を敵に回したらえらいことになっちゃいます。   逆に、「身体の法則」と「物理の法則」にうまく適合さえできれば、あとは楽なものです。 今度は自然が味方になってくれます。楽に飛ばし、楽に剛速球を投げることができます。   野球がうまくなりたいなら、まずは 「身体の法則と物理の法則に勝手に適合してしまうようなアプローチ」 を考えましょう。   では、また明日。   桑田真澄の常識を疑え! posted with ヨメレバ 桑田真澄/アミーチ・デル・クオーレ 主婦の友社...

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