こんにちは、栗栖鳥太郎です。
今日は、前回記事「頭が良い人と悪い人は、人生のどの時点で差が付いたのか? その1」の続編です。
前回の記事でたっぷり字数をかけて「陰キャ的な、内向的な頭の良さ」と「体育会系的な、外向的な頭の良さ」の二つを紹介しましたが、今回はそれらの頭の良さが「いったいどのようにして強化されてきたのか」というメカニズムを解き明かします。
目次
頭が良い人と悪い人は、人生のどの時点で差が付いたのか? その1
「体育会系タイプの頭の良さ」「文化系タイプの頭の良さ」はそれぞれどのように身に付いたのか
前回の記事から、「体育会系タイプの頭の良さ」の定義をもう一度引っ張ってきました。
「体育会系的・リア充的な頭の良さ」とは、
対人関係をうまくやる能力、その場の雰囲気を察知して瞬時に反応する能力、話を振られてとっさにうまいこと返す能力、複数のことを同時並行でこなす能力、具体的な物事を要領よく処理する能力……
といった、「気が利く」「反応が素早い」もののことを指します。
もっとスッキリまとめれば「刻々とダイナミックに動的に移ろいゆく状況に対して、素早く上手に適応していける能力」とも言えます。どことなくスポーツに通じるものがあります。イメージでいえば「さわやか」でしょうか。
要は「動くもの」に対する鋭い反応ができるかどうか、がカギになります。
逆に、文化系タイプ(私は勝手に「陰キャ」とまとめています)の頭の良さをどのように定義するのかについては以下の通り。
「文科系・陰キャ的な頭の良さ」とは、
一つのことに長時間集中できる能力、興味のあることをひたすら突き詰めていく能力、特定のモノに対しての知識を集めて見解を深めていく能力、抽象的なことをじっくり考える能力、イメージ豊かな世界に没入していく能力……
といった、「粘り強い」「興味中心」的な指向のことを指します。
もっと端的に言えば、「比較的静的で安定した状況の中でじっくりと自分の思索を深めていったり、互いに深く承認し合える少数の人々との親密な付き合いのなかで長期的にゆったり成長していける能力」ということになります。やはりイメージとしては文化系です。
イメージでいえば「じっくり」でしょうか。
以上の二通りに分類するという試みは、かなり生活的な実感として「当たっている」のではないでしょうか。私にとってもしっくりくる分類の仕方ですし、他の人々の様子を見ている限りでもけっこう的を射た方法だと思います。
さて、以上の「頭の良さ」がそれぞれどのようにして身に付いたのかという話ですが、
私は
「セルフトーク」と「情動記憶」
がカギになると思います。
セルフトークからセルフイメージができる
まず、セルフトークというのは、言葉にするしないにかかわらず、自分に対して言い聞かせる言葉のことです。
みんなの目の前で発表するときにどもったり噛んだりしてしまって「ああ、みんなにキモいと思われているに違いない」と思い込んだり、
全校応援の日に大活躍した高校球児が「どうだ!見たか!すごいだろ!」と得意になったり、
普段人前で大声を出さないタイプの人が「運動会の宣誓? ムリムリムリムリ自分はできない恥ずかしい」と思っ,たり、
模試でE判定を連発している受験生が「自分にはやっぱり○○大学なんて無理なんだ。自分はこの程度なんだ」と自分に言い聞かせたり。
これらはすべてセルフトークであり、
このセルフトークの積み重ねによって、「こういう状態であるのが自分らしい、というセルフイメージ」が形成されます。
それも、かなり強固に。
このセルフトークによって自己イメージが作られるわけですから、
「自分は陰キャで、みんなの前でしゃべることもできないし、価値がない人間だ。自分は大したことがない。絵も文章も下手くそに決まっている」
というセルフトークをするか、
「自分は陰キャかもしれないけど、文章を書いたり絵を描いたりするのは得意だ。この分野なら才能がある」
をするか、このどっちを選ぶかによって「陰キャ的な頭の良さが身に付く」か「そうでない」かが決まります。
これは体育会系の場合も同様です。
セルフトークによって自己イメージが作られるという事実がある以上、二種類の頭の良さもやはり、セルフトークによって生じると考えられます。
情動記憶があなたにとっての快適な環境を決める
前項で触れたセルフトーク以外には、「情動記憶」が重要です。
情動記憶というのは、「記憶に感情が結びついたもの」です。
たとえば、人前で話すのがどうしても苦手だ、という人の過去の記憶を探ってみると、
「小学校の時、みんなの前で発表していたら頭が真っ白になって、そこで打ち切りになって恥ずかしかった」
という情動記憶が隠れていることがあります。
逆に、
「校内弁論大会で優勝して誇らしかった」
場合などにも、その記憶は長く残ります。
その後の人生でも、「人前でしゃべる」ことに積極的であり続けるでしょう。
つまり、情動記憶というのは、良くも悪くも自分の行動を束縛するものなのです。
もしもあなたが「自分は頭が悪い」と思っているとしたら、前項のセルフトークをチェックするか、
または「情動記憶」に邪魔されているのではないか、と疑ってみることも有効です。
セルフトークと情動記憶は、「社会的な刷り込み」に左右される
さらにいえば、セルフトークと情動記憶は、元をたどれば、両方とも「社会的に刷り込まれたもの」です。
親や学校の教師、友達、知らないおじさん、先輩後輩、師匠といった自分以外の他者によって、
または、
テレビや新聞、書籍、インターネット、ラジオや談話などといったメディアによって。
たとえば、親に常日頃から「なんて頭の悪いやつだ」などと言われて育った人は、その言葉を受け入れてしまいます。「自分は頭が悪いんだ」というセルフトークをするようになるのです。
また、教師によってみんなの前で恥をかかされたり、同級生にコテンパンに叩きのめされたりすれば、「自分はだめで恥ずかしいやつだ。どうせ何をやってもうまくいかないんだ」という情動記憶が形成されます。
セルフトークも情動記憶も、社会によって行われる「洗脳」の結果身に付くものだ、と言ってしまっていいでしょう。
もしもこの二つによる束縛から逃れたいのであれば、「時間の流れが未来→過去であることを理解する」「高いゴールを設定して、それを達成できるという確信を持つためのアファメーションをする」といったテクニックがありますが、ここでは解説しません。
体育会系も陰キャもどちらも必要だが、社会の進んでいる方向からすると「文化系タイプ」の能力を持つ方が経済的には有利かもしれない
さて、まったく相反する性質を持つこれら二つの「頭の良さ」ですが、
では一体、これからの社会を生き抜いていくうえでは、どちらを持っている方が有利なのでしょうか?
戦後日本の歴史を紐解いていくと、長らく「体育会系的な頭の良さ」が第一に必要とされてきたことがわかります。
実際、昭和の大企業の社長クラスの人々(実業家)たちの箴言を検討するかぎり、「人に好かれる」とか「大きな器を持つ」とか「他の人への気配りをかかさない」といった形で、かなり対人関係能力が重視されていたようです。戦後~バブル期というのは日本式終身雇用がまだ成立していた頃ですし、当時は知識社会としても未成熟だったように思えます。
昭和~平成初期までは、まだ「男気」だとか「義理温情」といった”情”が大切だったのではないか、と推測されます。つまり、対人関係をソツなくこなせる人材が重用される代わりに、旧制高校時代の三島由紀夫がいじめられていたように、陰キャラというのは「文弱の徒」「軟弱者」「学問ばかりで使えない」というイメージが強かったのではないか。
私は平成生まれですから昭和の社会の雰囲気を肌で感じたわけではありませんが、少なくとも、私の知る限り、昭和という時代のイメージは概してそういうものです。
しかし、平成になってから現在までの社会状況を考えると、かなり「陰キャラ」が盛り返してきているようにも思えます。
その大きな要因としては、インターネットというものが社会変動の震源となっていることが挙げられます。
インターネットというのはもともと「オタク文化」と不可分なものです。
机の前にじっと座って長時間コンピュータとにらめっこし続ける、ずっとプログラムを書き続ける、といった活動形態自体がすでに「陰キャ的」です。オタク文化の中心地はインターネットですし、匿名掲示板の主力となっている人々も「喪男」とか「非リア」「ぼっち」「根暗」な人がマジョリティです。
かのビル・ゲイツはこんな言葉を残しています。
『オタクには親切に。いつか彼らの下で働くことになるでしょうから。』
これからの社会は、どんどんテクノロジー頼みになっていくはずです。
テクノロジーを進歩させ続けてきたのは、まぎれもなく「オタク」たちです。
iPhoneやWindows、Mac、スマホといった文明の利器を作ってきたのも、「オタク」たちです。
もちろん、これからも「人と人とをつなぐ、外向的な仕事」は存在し続けるでしょうし、社会の中で重要な役割を果たすことも間違いありません。
しかし、高度情報化社会が成熟していくにつれて、テクノロジーに対して並々ならぬ興味を持つ「内向的な」オタクたち(だいたい陰キャと同値です)に追い風が吹くようになるのもまた確実なのです。
まとめ + もっと頭が良くなりたい人のための本
私自身かなり内向的なタイプの人間なので、「身内びいき」がある程度入ってしまいますが、
「これからの時代は、内向的で、なおかつ知能の高い人にどんどん有利になっていく」
ということは確実だと思います。
まだ現在の時点では、ラインやフェイスブックといったSNSでも「外向的な人々」が幅を利かせていますが、
今後徐々に社会の仕組みが変化していくにつれて、
「創造的な仕事のできる人がすごい人だ」という風潮に転換するときが来るはずです。
テクノロジーが進歩し、単純労働は価値を低く見積もられる代わりに、「人間にしかできない創造的な仕事」をできる人が優遇されていくはずです。
そんな時代が来たとき、「いつも物思いにふけっている」内向的な人、陰キャラタイプの人々がようやく日の目を見ることになるでしょう。
では、グッド・ラック!
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