あなたを支配下に置こうとする人の理不尽な物言いに騙されないための論理思考・超入門

   

こんにちは、栗栖鳥太郎です。

今回は、議論の作法入門として「トゥールミンモデル」というのを紹介します。

このトゥールミンモデルというのは、哲学者スティーブン・トゥールミンが作り上げたもので、「トゥールミンロジック」とも言われます。

ディベートの方法論として有名ですが、ディベートだけでなく日常にも使えます。

これを使えば、あなたに理不尽なことを言ってくる相手に対して「論理的かつ、ぐうの音も出ないような反論」を瞬時に行うことができます。

勝ちまくりモテまくり トゥールミンモデルの効果

トゥールミンモデルを使えば、あなたはこんな風になれます(たぶん)。

 

「減らず口が叩けるようになる」

「相手を論破できる」

「理不尽な言いがかりをシャットアウトできる」

「とっさに言い返せるようになる」

「感情的にならず、冷静でいられる」

「相手が自分の主張を押し付けようとしてくるのを回避できる」

「論理的思考能力が物凄い勢いで伸びる」

「議論に勝てる」

 

主だった効果はこんなものでしょう。

なんだか雑誌の裏についてる胡散臭い広告みたいになりましたが、実際にこういう効果があります。

では、トゥールミンモデルの簡単な説明を見ていきましょう。

 

超簡単・トゥールミンモデルとはなにか

日本人式論理思考

日本人はよく、こういう主張の仕方をします。

あなたの上司が、こんなことをドヤ顔で言ってきたと想像してみてください。

「子供の教育ってのは首根っこを押さえつけて、親の命令には絶対服従させる。そんなもの常識だろ。」
「徒歩30分以内なら歩いてくるのが常識だろ。車で来るヤツは非常識だ。」

「上司が2次会行くぞと言うなら最後まで付き合うのが当たり前だろ。」

(ヤフー知恵袋「“常識”“当たり前”を連発する上司が嫌われるのは、なぜ?」より引用)

 

つまり、「Aだから、B」という物言いです。

上の例では、「常識だから○○しろ」という形になって表れています。

「当たり前のことだから、子どもには絶対言うことを聞かせる」

「社会人として当然のことだから、徒歩30分くらいの距離なら徒歩で行け」

「常識だから、上司の二次会には付き合え」

いずれも、上司が言っていることの根拠となっているのは「常識」ですね。

この上司をぐうの音も出ないほど叩きのめすにはどうすればいいか?

その手助けをしてくれるのがトゥールミンロジックです。

 

トゥールミンロジックと日本式論理思考との差

重要ですからよく聞いてください。

 

トゥールミンロジックでは、その「常識だから・・・」という部分が本当に妥当かどうかを疑うのです。

つまり、「常識だから○○しろ!」の土台に疑いの目を向けるのがトゥールミンロジックです。

 

なぜか?

日本式論理思考では「事実・前提」⇒「主張」(「データ⇒クレーム」ともいいます)という展開の仕方ですね。

 

一方で、トゥールミンロジックでは、「事実・前提⇒主張」「データ⇒クレーム」だけでは飽き足らず、

「では、なぜその事実・前提が、その主張の根拠となり得るのか?」「そのデータからそのクレームが導き出されるのはなぜか」を疑います。

これを、データ・クレームに加えて、「ワラント」といいます。

 

この考え方が効くんですよ。

「相手の主張を崩したいときには、ワラント(日本語にはこれに相当する語がないようです)を攻める」ということです。

 

「きみが主張の根拠として採用している事実・前提はそもそも正しいの?」

「その事実・前提があるとしても、あなたの主張のようにする必要はないよね」っていう機転の利いた切り返しができますから。

 

上司の例でいえば、トゥールミンロジックでは

①「その常識自体、本当に従うべきものなのか?」

②「常識だからといって、必ず○○する必要はあるのか?」

といったツッコミを入れることができます。

おそらく、このように問われた上司は顔を真っ赤にして「自分で考えろ!!」とか「反抗するのか!!」と怒鳴り散らすはずです。

「常識」というのは代表的な思考停止ワードです。先日も記事で書きました(「洗脳され、思考停止した人」が好んで使う5つの言葉)が、「常識だ!!」と言ってしまえばその瞬間に「私は思考をやめました!!降参です!!」と宣言しているのと同じです。

常識とか当たり前とかいった言葉が出てきたら、ちょっと立ち止まって「待てよ、常識だからといって必ずしもそれに従う必要があるのか?その常識は本当に正当なものなのか?」と考えてみましょう。

 

よく「成功者は常識を疑う」とか「目の付け所が違う」とか言いますが、

それらの人々は本能的あるいは意識的にトゥールミンロジックを用いて思考しているのかもしれません。

 

これだけでは腑に落ちないという人向けに、もう少し例を出してみます。

 

超実践・トゥールミンロジックを使って理不尽な言いがかりを撃退しよう

①いじめっ子がバットを持って追いかけてくる場合

まずはこの例を見てみましょう。

どこかで見たような絵ですが、これもトゥールミンモデルで考えてみます。

加害者側の少年Gの言い分としては次の三つ。

事実・データ:「おれは新しいバットを手に入れた」(事実)

主張・クレーム:「おまえをバットを用いて殴るべきだ」(主張)

日本式論理思考だとこれでもよしとされます。よって、スネ夫はギタギタにされます。

なぜかこの二つだけで主張を完結させる人が多いのですが、それだとまったく論理的説得力を持ちません。

 

トゥールミンロジックで考え直しましょう。

「データとクレーム」はすでに出そろっています。

したがって、「なぜ、そのデータからそのクレームが導き出されるのか」=ワラントを考えましょう。

 

そのワラントですが、作中では省略されています。

このワラントを考える癖がないから言いくるめられるのだ、というのは何度も言っている通りですが、藤子F不二夫先生もやはり日本式論理思考のとりこになっているようです。

ワラント:「バットは人を殴るものであり、その威力を他人で試すべきものである」

すくなくとも形式的には、きちんと「データ」=「バットが手元に届いた」と「クレーム」=「おまえで威力を試させろ」の橋渡しができています。

これが少年Gのワラントです。

 

こうやって見るとわかりやすいですね。

このワラントはツッコミどころ満載です。

「バットの威力を試すのは他人じゃなくて野球ボールだろう」とか

「バットは人を殴るものじゃないだろう」とか。

 

こうやっていちいち「データ・クレーム・ワラント」の三位一体で考えるクセをつけておくと、ジャイアンがバットを持って追いかけてきても安心ですね。

 

②「レジの代金が合わない! おいバイト、責任をもって弁償しろ!」

(「 【ブラックバイト対処法】レジの金額が合わず「弁償しろ」と求められた時は?」を参照)

私はレジの仕事を経験したことがないのでわからないのですが、これ、よくあるらしいのです。

「ミスしてみまった。私の責任だ・・・」という罪悪感から、つい支払ってしまうそうですね。

 

この場合、日本式論理思考だとまんまとレジ代を支払わされる羽目になります。

データ:「レジの金額が不足し、計算と合わない!」(事実)

クレーム:「計算が合わない分はバイトが弁償しろ!」(主張)

「○○だから○○」だけで考えると、このまま相手の勢いに呑まれます。

でも、トゥールミンロジックを使っている人であれば、ここで、「ちょっと待てよ、レジの代金が足りないからってバイトが支払う必要あるのか?」というワラントに考えが至ります。レジ係が弁償する必要はない(これは労基法の「賃金全額払え」に違反します)当たり前のことに気付くことができます。

 

ちなみにこの場合、T/A(ターンアラウンド)という「ひっくり返し」の技法も使えます。

T/Aとは、相手の主張を利用して、そのまま相手にしっぺ返しを食らわせることです。

この場合、T/Aは、

「じゃあ、レジの合計金額がマイナスじゃなくてプラスだったら、余分にボーナスがもらえるってことですか」

でしょうか。

 

おそらく首が飛ぶか拳が飛ぶかの騒ぎになるとは思いますが、辞めるときのうさ晴らしには向いているのではと思います。「その言葉はそっくりそのままお返しします」みたいなものでしょうか。

 

ちなみに、

「罪の意識を感じる」とき、それはだいたい社会的洗脳の結果です。

「これこれこういう場合は恥ずかしいものなんだよ」

「ああいうことはしちゃだめだよ」といった親や周囲による刷り込みがされているからです。

罪の意識がない社会は破綻しますが、ありすぎるのも問題ですね。束縛されて動けなくなりますし、新しい取り組みも阻害されますから。動けなくなった時点でその人は囚人または奴隷状態にあるといえます。

 

まとめ + おすすめの本

さて、いかがでしたか。

今回紹介したトゥールミンロジックで、

「はいはい、データとクレームはわかったよ。じゃあ、なんでそのデータからそのクレームが導き出されるか説明してごらん」というワラントへの気配りをしてやると、簡単には騙されなくなります。

トゥールミンロジックの基本である「ワラントを突く」さえ忘れなければ、日本人の9割に議論で勝てます。

そのくらい使えるのです。

 

ぜひ、日常生活で出くわすいろいろな主張にたいしてトゥールミンロジックで対処してみてください。

思いのほか人間って「なあなあ」で考えてしまっているのだなとわかるはずです。

もっともっと賢くなって、他人に騙されない生き方を選んでください。

では、グッド・ラック!

 

★おまけ 「頭を良くしたい人」のためのおすすめ本★

・・先日も記事で書きましたが、私は苫米地英人氏の本を70冊近く読み切り、「ああ、この人はモノホンだ。うさんくさいのはアレだけど本物だ」と確信しました。この人の本を読むと、どんどん思考の盲点が外れて、今まで見えなかったものが見えてくるようになります。論理的思考力もガンガン伸びて楽しいですよ。

以下におすすめの本を挙げておきます。

・「立ち読みしなさい!~美しいほどシンプルな成功術

・「ディベートで超論理思考を手に入れる

・「苫米地英人、宇宙を語る

・「洗脳原論

・「思考停止という病

・「すべてを可能にする数学脳のつくり方

・「「生」と「死」の取り扱い説明書

・「君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する

 

また、「議論の方法論」を学びたいと思った人におすすめの本も紹介します。こちらは苫米地さんのものではありません。

・「議論のレッスン」 (福澤 一吉)

・「大学で学ぶ議論の技法」(ティモシー・W. クルーシアス、 キャロリン・E. チャンネル)

・「反論が苦手な人の議論トレーニング」(吉岡友治)

 

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