数ある勉強法のなかで唯一、直接的に「脳のスペックを上げる」ことができるのが「音読」!

   

こんにちは、栗栖鳥太郎です。

今回は、「音読という勉強法は、どこがユニークなのか」について考えましょう。

勉強法といっても、世の中にはたくさんあります。

黙読、まとめノート作成、暗証、講義形式、鈴なり式記憶、イメージ活用、付箋を貼る、赤シート緑シート、その他もろもろ・・・

私がそのなかからなぜわざわざ「音読」に絞って方法論を紹介しているのは、ワケがあります。

音読の優れている点は「直接的に脳のスペックを上げることができる」という点にある

脳の原則その①:「よく使うほど変化・発達していくという可塑性」

脳には「可塑性」があります。

ざっくりいえば、可塑性というのは「いったん役割が固定化したあとでも、必要に応じて調整はできますよ」ということです。

 

この「脳の可塑性」ということでいえば、「片方の脳だけで生きる少女」の話や、脳神経科学でもっとも有名な症例である「フィアネス・ゲージ」(前頭葉の一部を鉄の棒が貫通し、人格に変化が生じた)の例が思い出されます。

脳は、外部的・内部的な変化に対してけっこう柔軟に対応できるのだ、ということが言えそうです。

 

このほかにも、ロンドンのタクシー運転手に見られた海馬の構造的変化などが報告されています。

最近発表された”Current Biology”誌の報告によると、大人の脳も学習により構造が変化することが分かった。生涯学習の重要性を指摘すると同時に、脳梗塞など脳障害のリハビリの可能性も出てきた。

既に知られているように、ロンドンのタクシー運転免許を取得するにはロンドンの数万の通り、その特有な地形を総て覚える必要がある。この知識取得には、おおむね3年から5年を要し、何回も厳格なテストを受けなければならないが、残念ながら受験者の半分しか合格しない。この大変ユニークな制度を維持しているのは世界でもロンドンだけであろう。

ロンドン大学のイレーナ・マグアイアー教授等の研究チームは、タクシー免許取得に成功した人達の脳の構造を研究し、後部海馬の灰白質の量が増加しているのを発見した。しかし前部海馬では灰白質の量が少なくなったと報告している。灰白質とは神経細胞であり、ここで情報を処理している。免許取得者は町並みの記憶には良い成績をおさめたが、視覚情報の記憶では少し成績が落ちていた。報告は、脳の構造的変化はロンドン市内を運転してその細かい路地を学習した結果起きたと指摘している。 (「記憶訓練は海馬を大きくする」より)

 

また、将棋のプロ棋士の脳活動を調べてみたところ、特に直観的洞察を必要とする短時間の詰将棋を解く際に、「大脳基底核」に位置する「尾状核」が活発に働いていたり(アマ棋士の場合はこれが見られず)、トップアスリートが集中状態に入った時の脳波が特徴的なもの(リラックスを示すアルファ波が強くなっている)であったり・・・という感じで、

「やっぱりそうか、脳ってのはトレーニングや物理的刺激によってかなり変化するのだな」と考えざるをえない報告が数多くなされています。

 

われわれ一般人の感覚からしても、「体は鍛えれば強くなるよね。筋肉も鍛えれば太くなるよね。それと同じで、脳も鍛えれば強化されるんだろうなあ」という漠然とした予測ができます。

私は脳科学を専攻する人間ではないので専門の人に怒られるかもしれませんが、とにかく「脳は、よく使うほど変化・発達していく」ことは断言してしまっていいでしょう。

 

すると当然、「音読を毎日やる人の脳」というのは、「音読に向いた脳」になるようにチューンナップされる、ということになります。

つまり、「脳の可塑性」があるため、音読をやっている人の脳はどんどん変化していくのです。

 

極端な例ですが、ある人が「毎日十時間音読する生活」と「寝たきりで、勉強も運動もまったくしない生活」を両方するとしたら、

前者の場合には前頭前野・運動野・言語野・聴覚野といった部位の血流量が相対的に増加する(→そのためその部位がよく活動するようになると推定される)のに対して、

後者の場合には、脳のここらへんを活発に使う、という動きは生じないでしょう。平たく言えばどんどんボケていくわけです。

 

音読によって脳がどう変化していく可能性が高いかということについては後述しますが、少なくともここでは

「脳には可塑性があるため、音読をすることによって脳の機能が音読向けにチューンナップされる可能性が極めて高い」ということを押さえておいてください。

 

脳の原則その②:「脳は、意識すれば限界速度をどんどん更新していくことができる」

短距離走をやったことのある人ならだれでもわかると思いますが、基本的に、

「走りの最高速度をアップさせるためには、全力プラスアルファで走る経験を積まないと速くならない」のです。

いつも8割くらいで抜いて走っている人は、しだいに「10割の走り」を忘れていきます。

逆に、日々10割+αで走る訓練を積んでいる人は、少しずつ速くなっていきます。

 

それと同じで、脳の機能(特に頭の回転の速さ)を大幅に引き上げたい人にとって、「脳に自分の限界を超えさせる」という習慣は絶対不可欠でしょう。

自分にとっての心地よいゾーンから飛び出してみるという「限界的練習」を積んでいくことによって、頭の回転は次第に速くなっていきます。

考えずともわかることですが、「毎日ちょっとずつ限界を更新しようとする人」は「毎日ちょっとだけ手を抜いている人」に圧倒的な差をつけます。

 

このことからすると、次のことが言えます。

「自分は頭の回転がどうも遅いようだ。もっと頭の回転を速くしたい」と思うのなら、限界を突破する速度での音読を毎日継続することです。

「高速音読で言葉を速く操ることができるようになる→頭の回転が速くなる」(原理は後述)、

「音読以上に脳全体をフル活用する勉強法は存在しない」(これも理屈は後述)

という事実がある以上、

まず真っ先に取り入れるべきことは「自分の限界を破る速さでの音読」なのです。

 

音読では、かなり容易に「限界を試す」ことができます。

簡単な話で、「毎日、自分の限界速度を超える速さで音読すればいい」のです。

これは「高速音読・ハイスピードツイートリーディング」と呼ばれる音読の方法論ですが、

実際に毎日「自分の限界音読速度を超えてやる!」という目的をもって音読していくことによって、

どんどん速くしゃべることができるようになり、それに伴って頭の回転もどんどん速くなっていきます。

(なぜ「高速でしゃべる」→「頭の回転が速くなる」のかについては後述します)

 

たとえば、YouTubeにアップロードされているアメリカのNDT方式のディベート動画を見ればわかりますが(NDT debate で検索してみてください)、

人間というのは本気を出せば相当な速さで言葉を紡ぎ、思考を巡らせることができます。

実際、アメリカの一流大学ディベートチームの選手たちというのは間違いなく世界最高峰の頭の回転の速さを誇る人々で、

彼らの多くは官公庁やホワイトハウスへとリクルートされます。

 

その頭脳軍団であるディベートチームに入った新入りがまず徹底的にやらされるのが「高速音読・ハイスピードツイートリーディング」だそうです。

マサチューセッツ大学のディベートチームに所属していた経験のある認知科学者の苫米地英人氏は、

「ディベートチームに入ってからの半年間はひたすらハイスピードツイートリーディングをやらされた。しかし今になって思うと、自分の読書速度が飛躍的にアップしたのもまた、この時期であった」と述べています。

 

「限界を超える速度での○○」をしていくことによって、脳の限界速度も向上していくのです。

○○に入るのは、「音読」でも「スポーツ」でも「事務仕事」でも構わないのですが、

「音読によって、現代社会で必要とされる言語能力が鍛えられる」ことや「音読するときにかなり広範囲で脳が活動する」

ことを考え合わせると、私はやはり「限界を超える速度での音読」が最も現代社会に適応的だと考えます。

「限界を超える速度での音読」以上に効率よく脳力アップのできるものは存在しない、と断言してもいいくらいです。

 

ちなみに、私はいつもブログの文章を、できるだけ「自分の限界速度を更新するように」して書いています。

初めのころは3000字を書くのに二時間ほどかかっていましたが、最近は3000字であれば一時間もかかりません。

このペースでいけば来年には3000字は30分前後で書き上げるようになると思います。

(もちろん、文章の質は下げないで、という条件付きですが)

記事執筆にかかる時間を短縮しながら、脳に負荷をかけることもできるという点で一石二鳥です。

 

ひとまず、この節で述べたいことは次の通りです。

「脳は、限界を超える速度で何かをすると、それに適応してどんどん高速化されていく。

<限界を超える速度での音読>は、脳を高速化するうえでも、現代社会で生きるための能力を伸ばすためにも、もっとも効率的な方法だと考えられる」

 

「音読以上に脳全体をフル活用できるものは存在しない」

「よく使うほど変化・発達していくという可塑性」+「限界を超えようとする」ことで脳は変化していく、と述べました。

ここでは、先ほど「後述します」ということで後回しにしておいた「音読以上に脳全体をフル活用する勉強法は存在しない」についてお話しします。

(もうひとつの後回し事項「言語能力が上がる→頭の働きがよくなる」のはなぜか、についてはまた後日の記事で触れます)

 

「脳には可塑性がある」(=ここでは、脳というのは、使われる仕方にしたがって変化するという意味)という事実からすると、

「音読時の脳のはたらきが、ほかのあらゆる作業の時の脳活動に比べて、あきらかに活発であること」を示すことができれば、

「音読こそが最高の脳トレである」と言えそうです。脳を一番使う活動をすれば、一番効率よく脳も変化するだろう、ということです。

 

単純に考えてみましょう。

「音読」するというのは、「見る→話す→聞く」の三点セットです。

 

もっと言うと、音読時に働くのは、脳の部位でいえば、

「前頭前野」:思考や理性をつかさどる

「言語野」:言語の発声と理解を担当する

「聴覚野」:耳から入ってきた情報を分析する

「視覚野」:目から入ってきた情報をキャッチする

「運動野」:体をどう動かせばよいかの指令を出す

この五つがメインです。

 

実際、音読時の脳の血流量の変化は以下の通りになっています。

 

音読時の脳イメージ図

脳の部位

二つの図を見比べてみればわかりますが、上にあげた五つの部位がきれいに赤くなっているのです。

つまり、音読をするときには「前頭前野・運動野・聴覚野・視覚野・言語野」が活発に活動している、ということになります。

間違いなく、スポーツ(運動野・視覚野がメイン)や黙読(視覚野・前頭前野・言語野がメイン)、事務作業(視覚野・言語野・前頭前野がメイン)といった活動をしているときよりも、音読をしているときのほうが、脳は広範囲で使われているのです。

 

ということは当然、「音読以上に頭をフル活用する勉強法は存在しない」ということになりますね。

したがって、「脳を鍛えるための最高の方法は音読である」という結論になります。

ただでさえ効果のある音読を、さらに「高速でやる」ことができれば最高です。

 

もちろん、ほかの勉強法と併用することも可能ですし、音読によって脳全体のベースアップを行ってからそういった勉強法をやると、より一層効率が良くなることが期待されます。

逆に言えば、脳の機能を向上させないまま、ただ「頭のいい人はこんな勉強法をやっている。だから自分もやろう」といきりたつようでは期待薄です。

それは単なる「猿真似」の域を出ない発想でしょう。

 

そうやって頭のいい人の模倣をしている間に、今現在すでに頭がいい人はどんどんどんどんものすごいスピードで先へ進んでいきます。

「頭そのものをよくする」という発想をしない限り、いつまで経っても差は埋まらないどころか、逆に離されていきます。

「頭のいい人だからできる勉強法」と「それをやることで頭がよくなる勉強法」はまったくの別物だ、ということでもあります。

 

この連載では、音読以外にも「頭をよくする」ための方法論をいくつか紹介する予定です(運動・食事・生活習慣・脳内物質のコントロール・瞑想など)。

世にあふれる勉強法・自己啓発の本に決定的に抜け落ちている点、それが「人間というものを操っているのが脳である以上、まずは脳そのものの機能をベースアップさせなければならない」という事実なのです。

 

まとめ + 頭をよくしたい人のためにおすすめできる本

さて、いかがでしたか。

短めに済ませる予定が、かなり長くなってしまいました。

今回の記事の内容をざっくりまとめると、

音読は、もっとも効率的に脳のスペックを上げることのできる勉強法である。

①脳には可塑性がある(鍛え方によって変化を生じる)

②脳は、意識的に限界速度を更新することによって、どんどん速くなる

この二つの前提を踏まえたうえで、

「音読以上に脳を広範囲で使用する勉強法は存在しない」ことを考えると、次の結論が出る。

 

「音読をすることによって、脳はどんどん<広範囲で活性化>される。高速音読であれば、これにプラスして高速化作用もある。

つまり、「高速音読」よりも脳を効率よく鍛えることのできる勉強法は存在しない」。

 

いろいろな勉強法を試してみる前に、「脳そのものの機能をベースアップさせる」という発想が必要だ。

音読・食事・運動といった活動によって脳のスペックを上げていかない限り、「現時点ですでに頭のいい人」との差は決して縮まらない。

ということになります。

 

物理的・科学的な脳の話は脳科学者(大脳生理学者・脳神経科学者)の方におまかせして、

私は市井のエセ脳科学者のお面をかぶりながら「実生活で役に立つ脳の話」をしてきたわけです。

 

ぜひ、高速音読を毎日やってみてください。

朝にちょっとだけ早起きして「30分」(可能ならば2セット)するだけでも全然違います。

 

この連載で私が思う存分「音読ってこんなに効果があるんだぜ」というのをはっきり示していくので、

皆さんはぜひ、ガンガン音読していってください。

 

では、グッド・ラック!

 

 

★おまけ 「勉強法」「読書法」「頭を良くする方法」関連のおすすめ書籍★

以下におすすめの本を挙げておきます。

<苫米地英人関連>

・「立ち読みしなさい!~美しいほどシンプルな成功術

・「現代洗脳のカラクリ ~洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用

・「ディベートで超論理思考を手に入れる

・「「言葉」があなたの人生を決める

・「苫米地英人、宇宙を語る

・「洗脳原論

・「思考停止という病

・「すべてを可能にする数学脳のつくり方

・「「生」と「死」の取り扱い説明書

・「君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する

 

<勉強法・読書法関連>

・佐藤優「読書の技法

・藤井孝一「読書は「アウトプット」が99%

・吉永賢一「東大家庭教師が教える 頭が良くなる読書法

・吉永賢一「東大家庭教師が教える 頭が良くなる勉強法

・吉永賢一「東大家庭教師が教える 頭が良くなる記憶法

・DaiGo「自分を操る超集中力

・築山節「脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める

 

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