アスぺ・コミュ障持ちが現代日本で生き抜くには――『隠れアスペルガーという才能』(ベスト新書) その1

      2016/08/31

「リア充爆発しろ!」があれほど流行ったわけ

今さらですが、「リア充」とは、リアルの生活がとっても充実している人々のことを指します。

彼らは例えば、彼女持ち、部活やサークルの支配者、要領がいい、勉強もできる、イケメン、スポーツ万能、性格がいいなど、いろいろなステータスを持っていて、「ああきっとこの人は、どこに行っても輝くタイプの人なんだな」という人々です。いわば神々です。

そして現代社会において、「リア充」というのは羨望の的です。

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アメリカ発のSNS・フェイスブックやTwitterなどでは、日々リア充さんたちがその充実した生活ぶりを公開していらっしゃいます。

今の日本には確実に、リア充こそ至高、リア充じゃない人間は一生惨めな思いをして生きていかねばならない――そういう風潮があります。

ですから、「リア充になろうとする人間」というのが多いわけなんですね。

しかし、みんながみんなリア充になれるわけではありません。

当然です。

どうしてもリア充になれない人々――彼らは、「コミュ障」「ぼっち」「オタク」「根暗」「陰キャ」などといったくくりをされます。

「リア充爆発しろ」などと言っているのはだいたい彼らなんですね。どの社会であろうとも、一定数、そういう人々は存在するということなのです。

 

リア充じゃない人々は、「アスぺ」の特質が強い

ところで、ここでひとつ言っておきたいのですが、彼ら「コミュ障」も、「ぼっち」も、根っこをたどっていくと「アスペルガー症候群」というものが根本になっていることが多いんですね。

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アスペルガー症候群というのは、脳の器質的な病気で、ほぼ遺伝性のものです。自閉症の一種ということです。

症状としては、

「ふつうの人なら難なくできる当たり前のことができない」

「他の人から見るとすごくズレたやりとりをする」

「自分のことばかりしゃべるわりに、他人のことは大して気にしない」

「天然というかむしろ半分痴呆症レベルの能力しかない」

「複数のことを同時にこなすのが苦手で、その代わり一つのことを集中してやるのは得意」・・・といったあたり。

もちろんアスぺ的な要素というものはどの人間にも多少は備わっています。

しかし「コミュ障」「ぼっち」といった人々は、特にその影響が強くみられる人々です。

何を隠そう、僕自身もそういう感じのコミュ障系の人なので(ただし、面と向かって話すのではなく、文章を書くのはむしろ得意です)、今回この『隠れアスペルガーという才能』(吉濱ツトム,ベスト新書)は思わずタイトルで買っちゃいました。

で、読み終えて「とても興味深い」と感じました。以下、参考になった部分です。(たくさんありますので、今回は前編と後編に分けることにします。ご了承ください)

 

アスぺの人々の参考になりそうな部分の抜粋

 

アスぺは、「ふつうに考えればできること」ができない

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アスぺあるあるですが、アスぺの人が「できると言われてやったのに、○○ができない。おかしい」といった文句を垂れている場合、大抵はものすごくくだらないミスをしでかしています。実はコンセントが抜けてる、とか。

もうひとつ、「スキーマ」が歪んでいることも大きな特徴です。スキーマとは、さまざまな分野で「定義」や「概念」を意味する用語ですが、ここでは自動判断能力のことを指します。

人間の日々の生活は、何気ない判断の連続です。たとえば、扉にドアノブが付いていれば「握って、回して、引っ張る」。引き手があれば「指をかけて、水平に動かす」。こう判断しながら開けていますが、いちいち考えていたら大変なので、判断が自動化されているのです。その自動化された判断内容がスキーマです。

ところが、アスペルガー人のスキーマは歪んでいて、誤った判断をしてしまいます。ドアノブが出っ張っているのに、水平に動かそうとして「あれ? 動かない」。これは、はたから見ると「天然」以外の何者でもありません。

・・・たしかにそうです。他の人からみれば「どうしてそれがわからないんだ!」と怒鳴りたくもなるようなことをアスぺルガー持ちの人々は平気でやらかします。私もその節があります。

 

アスぺの人々の顔に共通するもの

人の生き方は顔に出る、と言います。

たとえば苦労を乗り越えて来た人の顔は老成している、逆にニートなどの苦労知らずの人の顔は幼い、など。

・・・確かに一理あるとは思いますが、私はむしろ「脳の中の状況が、顔に表れる」という風に思っています。

たとえば、ダウン症の方について、筆者はこう述べています。

ダウン症も先天性の脳の機能障害ですが、みんな同じような顔をしているのは、やはり表情筋が引っ張られているからです。

543588ダウン症の赤ちゃんの顔。平坦な顔と、つり上がって見える目という特徴があります。

・・・確かにそんな感じはあります。顔に関してとやかく言うことはタブーになりやすいのであまり触れませんが、自分の実感として、人間の性格や能力はかなりの割合で顔に表れる、というのは確かにあります。みなさんも心当たりはないでしょうか。

 

アスぺと音読の関係

このブログでは何度も「音読をするとコミュ障が改善されるよ!」という記事を出しています。

コミュニケーション能力を司るのは脳で言えば前頭葉ですが、その前頭葉にたくさん血流を送り込むのは「音読」が一番効果バツグンなんだ、ということです。

著者も同じようなことを言っています。

また、アスペルガー人は脳の前側にある前頭葉という部分の血流が悪く、これも心の安定を妨げる要因となっています。

・・・ということはやはり、音読しまくって前頭葉をガチムチに鍛えることができれば、アスペルガー症候群の改善には一役買えそうですね。音読の効果恐るべし。

 

アスぺの脳の特質

33189368偉大な芸術家・学者の八割はアスペルガー症候群と著者は言っています。

音楽や絵画など、芸術面で優れた才能を発揮するアスペの人は、その能力に関連する組織の神経密度が異常に高いのではないかと言われています。

・・・というのは、アスぺが脳の器質的な病気であることに関係しています。

著者が言うには、脳のどこかが物理的にイカれているとき、脳はその部分の「周辺部位」を活性化することで、駄目な場所をカバーしようとする、とのこと。

つまり、前頭葉などがイカれてしまっている場合、そこをカバーするために補強されるところがたまたま、「芸術などのために使われる分野」なのではないか、という話です。

うーん、確かにそういわれてみれば、それっぽいことが起きているような気がします。

 

なぜ偉大な芸術家・学者の大半はアスペルガー症候群なのか」という疑問は確かにある、このことは否定しようもありません。確かにそうだ。

・・・とすると、やはりアスぺ持ちの人々には必ずといっていいほど何らかの優れた点があると言えそうですね。

 

後編に続きます。

 

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