「自分だけは大丈夫だろう…」→はい死んだ。死因は”正常性バイアス”です

   

「正常性バイアス」って、聞いたことありますか?
なんらかの事故や災害が起きた時、危険が迫っているにもかかわらず「自分は大丈夫だろう」と思ってしまう人間の心理のことです。今回は、「正常性バイアス」について知りましょう。
では、レッツ・防災。

「自分だけは大丈夫だろう」という根拠のない思い込みは「正常性バイアス」と言います

・実際、いまあなたはパソコンかスマホでこのブログを閲覧されていると思いますが、いまこのブログを見ている瞬間に「震度6強ぐらいの地震」が来たらどうしますか? 可能性として、十分あり得ることです。どうですか? そもそも、「ありえないこと」でしょうか?

・「そんなことはありえな・・・くは、ないな。可能性としては、あるよね。確かに」くらいに思いますか?

・…本当はその後ろに、「それでも、まさか自分の身には降りかかってこないだろう」という無根拠な希望的観測がかくされていませんか?

・それこそが、”正常性バイアス”です。自分だけは大丈夫だろう。まさか自分の近くにはそういう災いはやってこないだろう。たとえ災害が起こっても、自分とその周辺の人々だけは体よく切り抜けられるだろう、たぶん・・・でも本当にそうでしょうか?

・たとえば東日本大震災の犠牲者の方の多くは、いまとなっては忌むべき日になってしまったあの2011年3月11日も「いつも通りの、変わらぬ日常」を過ごしていたはずです。根拠はなくとも、「こんな生活がずっと続くんだろうなあ」という漠然とした未来への展望を持っていたはずです。たとえテレビで「中国四川省で大地震。犠牲となった邦人の名前は、以下のリストのとおりです」と言われても、それははるか遠くのことで、まさか実際に自分の名前が地震津波の犠牲者リストのなかの一行に加えられるとは思いもしなかったでしょう。

・いまのあなたと同じように。使い古された言い回しですが、”未来は、わかりません”。

・あのとき東北地方太平洋沖に住んでいた人々は、Youtubeでスマトラの大津波の映像を見たことはあっても、まさか「あんな大地震と、大津波」が、「自分の住んでいる町」を、そして「自分の住んでいる家」を、さらには「自分自身の命」にまで、「実際に」質感を伴った現実として、避けようとしても避けられないリアルとして襲い掛かってくるなどいうことは、とてもイメージできなかったでしょう。

・はっきり言いますと、日本にいるということ自体が、正常性バイアスのせいで”犠牲者リスト”に載る可能性を高めます。東京に住んでいる人は「首都直下型地震」、内陸部でも火山噴火がありますし、南海トラフ、津波、洪水。交通事故もあるし、殺害されることもあるし、不注意でなにかの下敷きになってあえなく死んでしまうこともある・・・これから、これらの災害・事故の犠牲になるであろう人々は、みな「自分は大丈夫」と思っているでしょう。あなたもそうですよ。誰だってそうです。

・でも、「自分は大丈夫」というのはあくまでも自分の心の中だけのことです。災害、事故、NHKの集金、宗教勧誘、「ありがたくないもの」はこちらの心情なんてお構いなしにやってきます。

 

あなたも私もまちがいなくやっている。

・「正常性バイアスなんて、自分には関係ない」という思考そのものが「正常性バイアス」です。どんな人でも「正常性バイアス」を避けて通ることはできません。

・というのも、正常性バイアスというのは本来、「自分の心の安定性を高めて、精神の均衡を保つため」にあるメカニズムだからです。つまり、これがないとメンタルがボロボロになります。

・以下、Wikipediaの説明を引用。

人間の心は、予期せぬ出来事に対して、ある程度「鈍感」にできている。日々の生活の中で生じる予期せぬ変化や新しい事象に、心が過剰に反応して疲弊しないために必要なはたらきで、ある程度の限界までは、正常の範囲として処理する心のメカニズムが備わっていると考えられる。

・たしかに、自然派ママみたいに「ささいなことに過敏に反応」していたら、精神がもちませんからね。

 

救いようがない…正常性バイアスの”餌食”になった犠牲者

・自分が「正常性バイアス」の鎖に繋がれているということが実感できましたか?

・では、災害や事故に遭遇したときに、正常性バイアスがどう作用するのか。実際に起こった災害や事故の例で、見てみましょう。
※やや閲覧注意

御嶽山噴火


・噴煙がすぐそこまで迫っているのだからなんで全速力で逃げないんだ! と歯がゆく思いますが、登山者たちには正常性バイアス…「まだ大丈夫だろう」「大したことにはならないだろう」、がかかっていたのです。「ヤバイ」と言いつつ避難がなかなか進まないのは、ある意味当然でしょう。

 

3/11の津波①

3/11の津波②

・自然災害全般にいえることですが、基本的には「気づいた時には、もう手遅れ」。人間の死因というのは上から多い順に「ハイフリック限界」(細胞の寿命の自然限界)、「心臓病」、「ガン」、「脳卒中」という並びと言われていますが、僕の予想だと「正常性バイアスのせいで逃げ遅れる・対処が遅れる」こと(おれは体が丈夫だからといって健康診断に行かないなど)が、「影の一位」なんじゃないかと思います。ふだんは我々の心を安定させてくれる正常性バイアスは時として、「ま、いいか。という凶器になる」のです。

 

正常性バイアスに対処するには

・正常性バイアスの犠牲にならないための100パーセント確実な方法は存在しません。

・ですが、リスクを軽減することはできます。「こういう場合には、たとえなにがあってもこうするのだ」という行動方針を立てておくことです。

・「火事のときには、かがんで、ハンカチ口に当てて、非常階段から逃げる」とか、「地震が来たら、机の下に隠れる」など。

 

・津波におそわれたにもかかわらず、生存率99.8%という奇跡的な数値をたたき出した岩手県釜石市の例。

・「津波てんでんこ」(=「津波が来たら、取る物も取り敢えず、肉親にも構わずに、各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ」「自分の命は自分で守れ」)という方針が徹底的に周知されていました。「とにかく津波が来たら自分の命だけ持って逃げる」という行動方針が、結果として多くの人の命を救いました。

・「こういう場合には、かならずこうする!」というケース想定をふだんからやっておくことが、正常性バイアスの魔の手から逃れる唯一の手段といえるでしょう。

 

「正常性バイアス」に関するWebサイト

Wikipedia「正常性バイアス」

正常性バイアスを知っていますか?「自分は大丈夫」と思い込む、脳の危険なメカニズム(tenki.jp)

災害時、人が逃げ遅れてしまう理由「正常性バイアス」とは(ダ・ヴィンチニュース)

 

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